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  加藤雄彦校長先生がキューバ共和国から叙勲

 
 
 

 加藤雄彦校長先生が、キューバ共和国からキューバと日本両国の友好親善を促進した功績により『友好勲章』を贈られることになり、授与式が11月29日、東京都内のキューバ大使館で行われました。

 仙台育英学園とキューバ共和国との交流は10年以上前にさかのぼります。1999年(平成11年)、在日キューバ大使館からエルネスト・メレンデス特命全権大使(当時)が本学園を訪れ、「キューバの魅力と400年におよぶ宮城県との友好関係」についての講演が行われました。その講演のあと、同大使は「ローマに向かう途中、ハバナ(現在のキューバ共和国首都)に立ち寄った支倉常長の像を、両国の交流のシンボルとしてハバナ市に建てたい」話されました。
 この言葉をきっかけに、本学園はキューバ共和国との友情のしるしに、創立100周年記念事業の一環として首都ハバナに支倉常長像を寄贈するプロジェクトをスタートさせ、彫刻家 土屋瑞穂宮城教育大学名誉教授にブロンズ像の制作を依頼。日本で制作されハバナ市に運ばれた像の除幕式が、2001年(平成13年)4月26日、本学園、仙台藩士会、慶長遣欧使節船協会関係者等150人に及ぶ仙台市民の参加を得て行われました。
 さらに、2000年(平成12年)に姉妹校締結が行われたハバナ市内のマルセロ・サラード高校との交流、交換留学やシドニーオリンピック参加のキューバ野球チームの合宿地としての受け入れやワールドカップ出場のバレーボール女子ナショナルチームの練習基地としての提供など、スポーツ面においても多くの交流活動が行われてきました。今回の『友好勲章』はこれらの友好親善貢献への謝意として贈られたのです。

 
2001年4月 キューバ共和国ハバナ市での支倉常長像除幕式の様子
 

 授与式において、同大使館のホセ・フェルナンデス・デ・コシオ大使(当時)は、「加藤雄彦先生は、サムライ支倉常長のハバナ滞在という史実を今日によみがえらせる事業において主役をつとめられ、銅像は初めて日本とヨーロッパを結んだ歴史的な航海を永遠に象徴するもの」と像建立の事業を讃えられ、「キューバと日本の関係発展や国民間の友好親善に重要な貢献をされた功績として、キューバ共和国国家評議会とラウル・カストロ議長に代わって『友好勲章』を授与します」と述べられました。

   ホセ・フェルナンデス・デ・コシオ大使 スピーチ
 

 勲章授与のあと叙勲への答礼に立たれた加藤雄彦校長先生は、慶長遣欧使節団が派遣された時期は1611年12月に発生した『慶長三陸地震』の2年後であり、「中国の論語に『温故知新』とありますが、今回の大地震がもたらした大きな被害と犠牲は400年前と同じように故郷宮城の県土発展のために資され、豊かで美しい地域への再生のきっかけになることを確信しています」と話されました。
   加藤雄彦校長先生 叙勲への答礼
 


 400年におよぶ歴史を持つキューバと日本との関係、そして10年を超える仙台育英学園とキューバ共和国とのかたい“絆”があらためて確かめられた『友好勲章』授与式でした。