2011 Topics

*特進1年の菅原さん、日下さんが夏季ダボス会議に参加

 
 

▲大連訪問中に獅子太鼓演奏などで交流を行った大連第9中学校の生徒たちと
作成した寄せ書き

 

▼東日本大震災の被災地への復興支援を
 世界に訴えるため…

特別進学コース1年
菅原彩加さん
(大川中出身)

 中国・大連で9月14〜16日に開かれた「夏季ダボス会議」に、特別進学コース1年の菅原彩加さんと英進進学コース1年の日下マリアさんが招かれました。
 夏季ダボス会議では、政治家、ジャーナリスト、経営者、芸術家などが一堂に会し、様々なテーマについて議論します。今年は東日本大震災を受け、世界に被災地の状況を伝えるために特別に枠が設けられました。
 菅原さんと日下さんは、各被災地の高校生や大学生7名からなる「夏季ダボス会議ジュニア・リーダーズ・プログラム」(一般財団法人「教育支援グローバル基金」主催)の一員として、夏季ダボス会議に参加しました。中国には4日間滞在し、会議は2日間にわたって行われました。

英進進学コース1年
日下マリアさん
(高砂中出身)

 会期中、一行は夏季ダボス会議への出席のほか、世界トップクラスの科学者や起業家などとの対話プログラムへの参加、大連市の市民や学生、四川大地震の遺児との交流を通じて、自らの被災体験と被災地の深刻な現状を伝え、被災地への長期的な支援を訴えました。
 本校からは仙台育英獅子太鼓部5名も同行。会期中は、大連の中学校などで獅子太鼓を披露して交流を図りました。

▼出席したほとんどの人が涙…、
 思った以上に反響がありました

 夏季ダボス会議では、7名の学生全員が各セッションで東北の状況について世界のリーダーたちに訴えました。菅原さんと日下さんがスピーチしたのは、学生がそれぞれの被災体験を伝えるプログラム「Tohoku to the World」です。
 菅原さんは、石巻の実家にいたところ津波で家ごと流され、がれきの下敷きになった母親を助けることができず、迷った末に母親を置いて逃げるという選択をせざるを得なかったという過酷な体験を語りました。「東日本大震災の悲惨さはニュースは世界中で伝えられたけれど、私たち高校生や大学生が実際に体験したストーリーは、初めて被災体験を聞く人たちによりリアルに伝わったようです。会場のほとんどの人が涙を流して聞いてくれました。会議のあともメールやFace Bookなどで感想が送られてきたり…。思った以上に反響がありました」(菅原さん)
 日下さんは、中学校の屋上に避難して助かったものの、自宅は流され父親を津波で亡くしました。「一人でも多くの人が震災前の生活に戻れるような手助けになればと思い、参加しました。会議では外国の人たちが地震について関心を持っているのがわかり、嬉しく思いました」(日下さん)

▼英語での発表、海外の人たちとの交流…
 視野が一気に広がりました

 「Tohoku to the World」では、英語で2分程度スピーチしたあと、詳細を日本語で発表。会場には同時通訳で伝えられました。「中国に行く前に東京で事前研修があり、英語スピーチ等について専門家の方の指導を受けました。参加した学生7人全員で練習したのですが、チームとしての一体感が生まれ、みんなと仲良くなれました」(日下さん)
 実は、二人が海外で活動するのはこれが初めてではありません。今年の6月には、ニューヨークのタイムズスクエアで復興支援を呼びかける募金活動を行い、宮城県からは菅原さんと日下さんを含めた4人が参加しました。そして今回のダボス会議への参加。「期間中、経済学者の竹中平蔵さんや有名企業の社長など、著名なリーダーの方々と交流する機会に恵まれました。皆さん、学生時代に海外に行っていて、英語は話せるし、教養がとても幅広いのにとても刺激を受けました」と語る菅原さん。彼女は来年1年間のアメリカ留学を決めました。日下さんは、今回の経験を通じて国際ボランティアに関心を持ったとのこと。「自分以上に大変な思いをしている人が世界にはまだまだいる。その人たちに何かしてあげられたら、と思うようになりました」。
 自らの被災体験を世界に発信しながら、二人はさらにグローバルに活躍の舞台を広げていきそうです。

 
菅原 彩加さんのスピーチ