昨年の春、震災の影響により少し遅めの入学式で高校生になった生徒たちも、勉強に部活に邁進しながら学園生活を送り、2年生になりました。仙台育英で過ごした一年間はどのようなものだったのでしょうか。
作文をご紹介しましょう。

 
 

何事もあきらめる前に努力を
続ければできると気付きました


外国語コース2年 Yさん 東仙台中出身

 仙台育英に入学して1年が経った今、私は気付いたことがあいます。まず1つ目に努力すればできるということです。前までは努力しないでできないと決めつけていましたが、今は努力すればできるということに気付くことができました。仙台育英に入学するまでは、勉強もできないと思ったら「もうできないからいいや」と、あきらめて授業で聞いた事も聞くだけで「分からない」とか「できない」と言って自分から学ぼうとしませんでした。今は「分からない」とか「できない」とか言いたくないと思い、少しずつ努力しているつもりです。そして、やればできるということに気付きました。私たち外国語コースでは、朝、英単語テストをしています。入学した最初は全然できないと思っていましたが、きちんとプリントや英単語をやれば点数が取れることに気付きました。「できる、できない」ではなくて「やっているか、やってないか」ということなのだと思いました。「やるか、やらないか」で変わるなら、やってできるようになった方が自分でもプラスになると思いました。
 そして、部活動でも気付いたことがあります。それは「信頼する」ということです。信頼しないと、上にはのれないし、のせられないということです。そして、勉強面と同じで「どうせできない」とか「できない」と思っているとできないということも気付きました。モチベーションや「できる」という気持ちや「できるようになる」という気持ちがあれば、できるようになることを知りました。部活動や勉強面を通して色々なことに気付くことができました。これからも、このように気付いたことを生かして、仙台育英で学んでいきたいと思います。


文武両道を成功させるための
基礎作りができた1年でした


英進進学コースⅠ類2年 Aさん 寒河江陵西中出


 東日本大震災の影響で多くの不安が残る中、無事、仙台育英に入学することができました。そして、マネージャーという仕事に憧れを持っていた私は、全国で活躍しているラグビー部への入部を決めました。
 入部して間もなくは、先輩マネージャーもいない、気軽に話せる部員もいない、どう動いていいのか分からないという戸惑いの連続でした。しかし、できるだけ部員に近い存在でありたいと思い、殆どの練習と遠征に参加してきました。
 やはり、全国を見据えているラグビー部はとても忙しいものでした。昨年度だけでも公認欠席の日数はトータルで1ヶ月を超えています。だからといって、部活にも勉強にも全力で取り組めるのは、忙しさに負けないほどの魅力に気付いてしまったからです。マネージャーという仕事は目立つものではないのですが、選手が少しでも部活をやりやすい環境を整え、サポートしていくというやりがいに魅了されています。そして選手達が見せてくれる成長や、その先にある勝利が私にさらなるやる気を与えてくれるのです。
 昨年度は本当に部活を中心として動いていたような気がします。でも勉強からも手を抜かないこと、それが私の中のけじめです。部活も勉強も切り離すことのできないものであるからこそ、両方を頑張らなければいけないと思います。そういった意味では、この一年は時間を上手に使う基礎作りになったはずです。そして来年は文武両道でさらなる発展を目指したいと思います。
 そして最後に、昨年一番感動したことはラガーマンの聖地である“花園”の地を踏み、そこで全力で戦う仙台育英ラグビー部の姿を見ることができたことです。この感動は未だに忘れることができません。だから高校生活3年間、絶対にラグビー部の仲間達と3度の花園を経験し、大学の現役合格を果たしたいと思います。


仲間や柔道部の先輩方、先生方の
おかげで充実した毎日でした


英進進学コースⅠ類2年 Iくん 多賀城中出身

 入学当初の頃、高校生活がどのようになるのか不安と期待の気持ちでいっぱいでした。中学校の入学時は小学校からの友達もいたので、すぐに話せる仲でしたが、高校入学時は自分が全く知らない人達がほとんどで、仲良くなれるかと不安でいっぱいでした。ですが、高校生活がこれからの新しいスタートだという期待もありました。
 そして、高校生活を送るうちに、徐々に分かり合えるようになってきたクラスの仲間達が増えていきました。何かクラスでの問題や課題があった時も、時には厳しく、時には静かに見守ってくださる先生がいてくれたおかげで、とても充実できた学校生活を送れたと思います。
 また私は柔道部に所属しました。入部したての頃は、中学校の頃とは違う激しい稽古や環境に戸惑いがありました。そんな時、優しく声を掛けてくれた先輩方がいました。どんなに激しくきつい稽古でも声を掛けてくれました。それに細かいところまで丁寧に教えてくれました。特に礼儀を重んじるということです。先輩に対して、先生に対して、保護者の方々に対してハキハキとした挨拶をすることや、一緒に稽古をしてくれる相手や先生に感謝の気持ちをもって一礼するようにと、先輩方からだけではなく、先生にも教えていただきました。それを私も今年度入ってくる新入部員に教えたいと思います。
 私は仲間や先輩方、先生、たくさんの人達に支えられ、ここまで充実した生活を送れたと感謝しています。これからも感謝の気持ちを忘れずに、日々精進していきたいと思います。


部活動で疲れても毎日必ず勉強し
両立できたことが自信になりました


英進進学コースⅠ類2年 Tくん 矢本二中出身

 仙台育英に入学して学んだことはたくさんあります。その中でも部活と勉強の両立を目指していた私は、毎日勉強する大切さを学びました。それは、テスト直前になって焦って勉強するより、部活で疲れて帰ってきても毎日少しずつやっていれば困らないということです。1年生で体力の無かった自分は、テスト前夜遅くまで勉強できなかったので毎日の勉強はとても役立ちました。今年度から勉強は難しくなるので毎日の勉強が大切になるので欠かさずしたいと思います。
 部活動でも、入学当時あまり敬語を使えていなかった私は、とても優しい先輩方に教えてもらい、何とか普通に会話ができるようになっていきました。練習でもまだ自分は組み手や技ができていませんでした。しかし、優しい先生方は嫌がらずに丁寧に教えてくださいました。なので、その教えてくれたことを忘れずしっかり練習に取り組んでいきたいと思います。
 そして今年度からは先輩になるので、自分が入学当時、優しく言葉遣いや組み手を教えてくれたように、自分も後輩にしっかりと教えられるよう頑張りたいです。そして学校の教訓である「至誠」「質実剛健」「自治進取」この教訓をしっかりと頭の片隅に置き、仙台育英で送る学校生活を充実したものにしたいと思います。


進級して成長を実感できたので
入学して良かったと思っています


英進進学コースⅠ類2年 Hさん 青葉中出身

 この学校に入って1年が経ちました。長いようで、あっという間だった気がします。中学生と高校生というのは、1歳違うだけでも内面が大きく成長する境目だと思います。私自身も、この1年で大きく変わったと思います。最初は慣れない雰囲気と中学校の頃よりも難しい勉強に戸惑いましたが、今では学校が楽しいです。中学校の頃は大嫌いだった体育も今では楽しく思えます。少なくとも成長したと思います。
 私は、学校そのものがどうかということよりも、その学校で生活している生徒がどう思うかということの方が重要だと思います。私は私自身の成長のきっかけを与えてくれた、この学校に感謝しています。


一緒に何でも乗り越えられる
部活動の仲間と出会えました


T-フレックスコース2年 Eさん 山下中出身

 
高校に入学してからたくさんのことを学びました。特に部活動では私に与える影響はとても大きいものでした。私は剣道部に所属しています。顧問である青木康博先生のご指導のもと、日々稽古を重ねてきました。中学校の時とは違う先輩方との上下関係や礼儀などがとても厳しく大変でしたが、今は人としてすごく成長できたと思います。入部したての頃は何も分からなくて、教わることが多く覚えるのが大変でしたが、一年経った今、ようやく周りを気遣うことに対し慣れてきました。
 入部して私には新しい仲間ができました。剣道は技術だけでは勝つことができません。お互いに信じ合える仲間がいるからこそ、チームの勝利につながると思っています。私には今「インターハイ出場」という目標があります。目標に一歩でも近付くよう、仲間と切磋琢磨し合い、更に自分に磨きをかけていきたいと思っています。正直、部活を辞めようと思ったことは何度もありました。でも、それを乗り越えて来られたのも側で支えてくれた仲間がいたからです。こんなに良い仲間に出会えて初めて「剣道部に入って良かった」と思えた瞬間でした。
 これからもたくさんの困難があると思いますが、自分を信じ仲間を信じて頑張っていきます。


インターハイで慢心に気付き
初心に返り練習に励んでいます


T-フレックスコース2年 Kくん 中田中出身


 私の最終目標は全国優勝です。私は陸上競技部に所属しています。インターハイのリレーで優勝を目指しています。昨年はインターハイに出場したものの、自分達の弱さ、考え方の甘さを痛感させられました。たとえ県で圧倒的だとしても、全国という広いステージでは小さな力でした。高校に入って自分の目標は全国優勝でしたが、その目標が漠然としたもので具体的ではありませんでした。インターハイから帰ってきた次の練習からは、常に全国の選手達を考え、自分の力はまだまだ全国には及ばないと、常に上を目指して練習を続けてきました。
 私自身、怪我で昨年度は大会には出場できませんが、皆で頑張って今年度は全国入賞を目指していきます。秋には新体制になり、また新しい道が開かれますが、目指すものと信念はずっと変わらないので、変に気取らず、皆で全国優勝に向けて頑張っていきます。
 自分達で頑張っていると思うのは慢心であって、周りから見て「頑張っているな」と思われる部活でありたい。決して記録が悪くても、「被災地だから練習ができなかったんだね」と言われない努力をする。むしろ、被災地だから苦しい状況から這い上がってきた力を全国の人達に見せたいと思います。


震災後に入学し甲子園優勝への
思いが特別なものになりました


T-フレックスコース2年 Kくん 南光台中出身

 入学前に東日本大震災を経験し、大変な年に入学してきた私達は色々な思いがありました。この震災を通しての命の大切さ、協力し合うことの大切さを感じました。現在、私は硬式野球部に所属しています。硬式野球部はとても伝統のあるチームです。私はこのチームで精神的にも肉体的にも成長しています。しかし、まだまだ成長できるところはたくさんあります。「すべてが成功するとは限らない。人は失敗を通して成長できる」と思います。また、監督の佐々木順一郎先生から「運命を愛し、希望に生きる」ということを言われました。その言葉にあるように、これから起こるすべての出来事を運命と捉え、希望に満ちた生活を送りたいと思います。また、何の為に学校に入ったのか、自分の目標は何なのか、ということを常に考えて高校生活を送っていきたいと思います。そして夢の舞台“甲子園”で必ず優勝し、少しでも東北の方々に明るい話題を届けたいと思います。それが学校や、地域の方々、両親など私を支えてくれる方への精一杯の恩返しだと思います。


部活動で謙虚さや感謝の気持ちが
信頼につながることを学びました


T-フレックスコース2年 Sさん 矢本一中出身

 前年度は震災の影響で遅めの入学式でした。充実した高校生活を送りたいと強く思っていた私は女子サッカー部に入部しました。女子サッカー部は良い伝統が残る部活で、入部して今日まで学ぶことが本当に多くありました。
 1つ目は「挨拶」です。女子サッカー部は先輩方の代から立派に挨拶することが伝統として続いています。監督の鈴木雄先生から日頃から「あいさつはファーストコミュニケーション」と教わっています。挨拶でコミュニケーションを取ることで、お互いに心を開くことができると思います。私はこれからも欠かさずやっていきたいと思います。
 2つ目は「努力・謙虚・感謝」です。この3つが身に付いている人は、人に好かれ信頼されるのだそうです。試合ができるのは、親や監督、チームメイトがいるからであるという感謝の心を常に忘れず、それをプレーで返すために毎日精一杯努力します。そうなると自然と謙虚な姿勢になれ、徐々にチームメイトとの信頼も生まれるのだと実感できるようになりました。これらのことはまだまだ自分に足りないので、これからも常に心掛けて生活し、人に好かれ信頼される人を目指していきたいと思います。
 これから2年ある高校生活、学校や部活でまだまだ学ぶことが多くあると思います。勉強も部活も悔いの残らないように過ごしていきたいと思っています。