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 6年生 石川さん、『青春のエッセー』で優秀賞受賞!

 
 
 
秀光6年
石川 里奈さん

 秀光6年生の石川里奈さんが、『青春のエッセー 阿部次郎記念賞』(東北大学文学部+阿部次郎記念館主催)で、優秀賞に輝きました。
 「青春の必読書」として知られるエッセー集『三太郎の日記』の著者、阿部次郎は東北大学出身の思想家。『青春のエッセー 阿部次郎記念賞』は、高校生の優れたエッセー作品に贈られています。
 第5回目となる今年は11月2日に最終選考会が行われ、石川さんは課題作品の部(課題「希望」)で、最優秀賞に次ぐ優秀賞2名のうちの1名に選ばれました。

▼震災を経験したからこそ、
 希望につなげていきたい

 石川さんがこのコンクールに応募するのは2回目。昨年の第4回にも応募し、自由作品で入選しています。今回の応募について石川さんは「震災で経験したことを今の現実とからめて形として残せないかと思って応募しました」と話します。
 作品のタイトルは『絶体絶命』。東日本大震災の数カ月後、母親と一緒にかつて親戚が住んでいた石巻市を訪れ、震災の惨状を目の当たりにするところから作品は始まります。
 「石巻を訪れたのは今年5月。車で行ったのですが、途中からどこを通っているのかわからなくなるぐらい、今まで見たこともない光景で、衝撃を受けました。何も考えられませんでした」(石川さん)
 絶望的になりそうな凄まじい災害を題材に、石川さんは敢えて「希望」という課題を選びました。「震災があったからこそ、普段意識しない“人とのつながり”や、“今を生きることの大切さ”を実感することができました。他者との関係やあり方に、これから生きていくうえでの希望を見いだせるのではないか。そう思って書きました」。
 石川さんは作品の中で、「希望」についてこう綴っています。作品の一節です。

   人が最も辛く苦しいときに最後に「求める」もの、それは希望である。たとえどんなにささやかなものであっても、それは私たちを絶望の淵から救い上げてくれる。また、希望というものは「求める」だけでなく、「与える」こともできるのだ。他者によって「与えられる」希望を、いつか私たちも「与える側」に立たなくてはならない。
  「青春のエッセー」優秀賞受賞作品『絶体絶命』より

 「言葉を過信してはいけないけれど、言葉のもつ力の大きさは感じています。文章はまだまだ未熟。文章を書いて伝えるのは、もっともっとうまくなりたいと思っています」(石川さん)


▼尊敬する西條先生と同じ
 東北大学に現役合格!

 もうひとつ、嬉しいニュースが。石川さんは、このコンクールの主催でもある東北大学文学部にAO入試で見事合格しました。
 「秀光に来ていなかったら、おそらく東北大文学部を目指していなかった」と語る石川さん。「今回の『青春のエッセー』をはじめ、作文や読書感想文のコンクールは国語科の西條静恵先生に勧められて応募しました。もちろん受験の指導も。東北大文学部は、西條先生の出身大学でもあります。西條先生は私の憧れの先生です」
 東北大を受験しようと決めてから、普段の授業を大切にしたと石川さんは話します。「秀光の先生方の授業は内容が濃いので、それだけで十分です。今回の入試の一次試験では、ちょうどその数日前の授業で学んだ内容が思いがけず役立ちました。先生方は、知識の穴埋めだけじゃなく教科書に載っていない詳しいところまで話してくださいます。秀光の先生方には様々なかたちで影響を受けました」

▼秀光で信頼できる先生と
 良い友人と出会えました

 最後に石川さんに、秀光の6年間の思い出について聞きました。「秀光の思い出は、ユーロスクール、京都研修、秀光祭など、たくさんあります。どの経験も視野を広げる機会になりました。でも、信頼できる先生方や助け合える友人との出会いが一番の収穫です。そのつながりが自分の中で大きなものになっています。私の受験は終わりましたが、卒業するまでは高校生として勉強を続けたいと思っています」