お知らせ

「関数グラフアート全国コンテスト」で秀光コース1年生2名が優秀賞!

アートと数学の融合「関数グラフアート」
本年度は秀光から2名が入賞しました!

 数学の関数と図形の関係性や平行移動や縮小・拡大に親しみ、それらの知識を応用して絵を描く「関数グラフアート」の世界。秀光コースでは中学3年生MYP数学の授業の一環としてグラフソフト「Desmos」を活用し、高校レベルの円や楕円、三角関数、双曲線などを知り、変数を理解する機会になっています。
 アートと数学の融合は生徒たちの興味の幅を広げ、本年度は秀光コース1年の佐久間さん(南材木町小出身)と同1年の小舘さん(袋原小出身)の2作品が「関数グラフアート全国コンテスト」の優秀賞に輝きました。
 佐久間さんは2021年の干支である牛をテーマにデザインと関数を連動させ、円を組み合わせて花をつくり、三角関数で山を描いています。著名な浮世絵をみごとに関数グラフアートとして表現した小舘さんは、好きな数学と美術を合わせたいと浮世絵を題材に選び、人物の曲線をきれいに表すため細部までこだわり、美しい作品に仕上がりました。

優秀賞「COW」
秀光コース1年 佐久間さん(南材木町小出身)

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失敗と成功を繰り返すうちに
挑戦する心が強くなりました

 昨年の夏休み前の数学の授業で、先生から関数グラフアートを創作するソフト「Desmos」についての説明がありました。元々数学は好きだったので、授業内の数式を打ち込む課題が終わったあとに、牛をテーマにしたグラフアートを作ることにしました。最初にデザインを決めてから、それに合う数式を選んでいくようにして、2次関数の他にも3次関数や円、不等式を利用した領域の指定や三角関数など、高校生で習う関数や数学の知識も使っています。
 テーマの「COW」は今年の干支。まずはテーマの牛を描き、それだけでは寂しいので、草むらや太陽、蝶、花、山と少しずつ背景を加えました。友人と情報交換し、小保内先生にアドバイスを頂くこともありました。周囲には「難しい」という人もいましたが、私は思い浮かべたデザインを描くために色々と試しながら約130個の数式を並べていく過程が楽しかったです。
 優秀賞に入ってびっくりしましたが、うれしかったです。私はロボティクス部でプログラミングの中で「試して失敗して成功する」を繰り返してきました。グラフアートでも同じように、失敗しても繰り返しやり直すうちに挑戦する心がより強くなり、数学がさらに好きになりました。

優秀賞「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」
秀光コース1年 小舘さん(袋原小出身)

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数学を使って遊んでみることも勉強になると
作品を通して実感しました

 浮世絵の「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」をテーマに選んだのは、元々美術鑑賞や絵を描くことが趣味なのと、好きな数学と美術作品を合わせたいと考えたからです。夏休みの宿題にもなっていて、有名な浮世絵を調べているうちに、風景画よりも指や首の動きが特徴的な人物画の方が関数を使って作りやすいと考え、この作品を選びました。
 まずは小保内先生が送ってくださった公式と、それぞれの変数を変えるとグラフがどう変わるかの一覧表を全て試しました。浮世絵の写真を見ながら最初に枠を描き、髪の毛を線だけで表現する細かい作業を続けました。1次関数や2次関数、三角関数、円、楕円などの式を使っています。指の部分は、円や楕円に不等式を使った範囲指定を設定することで半円などの形にして次々とつなげていきました。一番大変だったのはつり目の部分で、つりあがり過ぎても変だと思い、原画の雰囲気に近い関数を探すのに苦労しました。
 製作途中で何度か諦めそうになりましたが、完成した時には大きな達成感があり、挑戦してよかったと思っています。まだ習っていない三角関数や円、楕円も取り入れ、細部にこだわった作品です。関数グラフアートに取り組み「数学を使って遊んでみることも勉強になる」と実感し、関数があのような曲線になり「美しい」と感じることができました。浮世絵は形が複雑なために不等式の表す領域を利用して塗りつぶすのが難しく、今回は線のみを使いましたが、次回は色を塗りつぶせるぐらいまで関数を使えるようになりたいです。