お知らせ

秀光中 1年生が読書作文コンクールで最優秀賞を受賞しました!

本を読みながら考え、
表現することが楽しくなりました

 秀光中学校1年相田あづきさんが「第33回全国読書作文コンクール」(全国学習塾協会主催)の中学生の部で最優秀賞に輝きました。
 対象図書は「#マイネーム」。昨年令和4年度にも相田さんは同コンクール小学生の部(小6)で最優秀賞を獲得しているので、二年連続の最優秀賞となります。相田さんは受賞コメントの中で「これからもたくさん読書をして思考を深め、成長していきたいです」と語ってくれました。

「自分自身と向き合って」

対象図書 『#マイネーム』
 
秀光中学校1年 相田あづきさん(上杉山通小出身)

 自分の名前が好きかと聞かれたら、今私は、はっきり「好き」と答えられる。両親や祖父母、たくさんの人の思いが込められていることを今回「マイネーム」を通して改めてる感じているから。自分の名前は自分だけの特別なものだと今ならはっきり言える。
 小学生までの私は「あづき」という名前のせいで、何度もからかわれてきた。特に給食に小豆が入っていると、決まって「今、あづきが小豆を食べています」と、誰かが実況を始める。「あづきさん、小豆の味はどうですか」と、他の男子も調子に乗る。そこでクラス中に笑いが起こる。また始まったかと私はそのたびに不機嫌になっていた。人の名前でからかったりして何が面白いのかと、いつもうんざりしていた。あの頃の私なら間違いなく「星の名前」のメンバーに入っていただろう。そして誰にもからかわれたりしない、ごく普通の名前を名乗っただろう。自分が呼ばれたい好きな名前の名札をつけることに、私も積極的に賛成したと思う。
 学校側から突然、「さんづけ」を強制されたことで、みんなはもっと自分たちの気持ちを尊重してほしいと思ったに違いない。私は以前「さんづけ運動」を実施している学校の様子をテレビで見たことがあった。インタビューで子供たちが「呼び捨てやあだ名よりさん付けのほうが気持ちがいいです。」と答えていた。その時私は、これは本心なのかと疑った。相手に対して尊敬を表すものだというが、本当にそれでいいのだろうか。もともと仲の良かった人との距離ができて、私ならなじめない。違和感があって受け入れられない。表面的に「さんづけ」してもネットなど裏でいじめをしていたら、全く意味がないと思う。
 私の名前の「あづき」はひらがなで単純だけれど、よくみんなに珍しがられる。この名前にはたくさんの思いが込められている。小豆がよく使われるものと言えば「お赤飯」だが、これは、昔からのお祝いやおめでたい時に食べるものの代表といえる。「あづき」には長女として生まれたことのお祝いと喜びが込められていた。お赤飯は祖父の大好物でもあった。しかも父が料理の仕事をしていて、小豆料理も得意だったこと、私がまだ母のお腹にいたとき、名前を付ける前からみんなが私のことを「豆ちゃん」と言って呼びかけていたという。「あずき」ではなく、「あづき」にしたのは画数にこだわって、縁起の良い方にしたということだった。「あづき」の私を先頭に、妹たちの名前は、「いつき」「うづき」となった。自分で言うのも少し恥ずかしいけれど、長女の私のように素直でいい子に育ってほしいという願いを込めて、「あ・い・う」の順になった。名前一つにこれだけたくさんの思いがあったことを知ると、改めて自分の名前がいとおしく思えてくる。
 でも、私のように自分の名前を肯定的に受け止めている人ばかりではない。さまざまな事情を抱えて苦しんでいる人もいることに気がついた。明音のように親の離婚が原因で、苗字が変わってしまって、「明るい」という響きに違和感があって悩んでいる人。特に、彩瑛の家の事情が明らかになったとき、彼女の悲痛な叫びが、私の祖母の過去と重なり、胸が張り裂けそうになった。
 日本で生まれ育った祖母だが、私の祖母は韓国人だ。普段は日本名を名乗って暮らしているので周りからは日本人だと思われていたが、韓国人だと分かった途端に、周りの人の態度が変わったという。多感な年頃の中学時代は、いじめにもあって辛い思いをしたらしい。経済的には恵まれていたけれど、心の傷は決して小さくなかったという。私から見たら、声高にヘイトスピーチなどをする人の方がよほど心が狭く、心が貧しいと思う。偏見や差別からは憎悪以外何も生まれない。彩瑛の苦しみは、当時の私の祖母の辛さと同じだった。生まれた時から、韓国と日本の二つの名前にはさまれて生きてきたということ。私も祖母の血を受け継いでいるのだから当然韓国の血が流れていることになる。私は胸を張って堂々と言える。それが私のルーツだと。むしろ私は一生けん命生きてきた祖母を誇りに思う。私たちはみんな特別な一人一人だと思っている。
 「マイネーム」騒動が不思議な連帯感をもたらしたように思う。これがきっかけで、みんな自分の名前に真剣に向き合ったのだと思う。それは紛れもなく自分自身と向き合ったのと同じことだ。私自身もその一人だ。今の私の名前が最高の名前だと、私は心から思っている。
 自分の好きな名前を名乗るルールの、あのブックカフェに行ったら、私は迷わず「あづき」と名乗るだろう。

【受賞者のひとこと】

 私は、これまでも自分の名前について考える場面が少なくありませんでした。今回「#マイネーム」を読んだことで、自分の名前の由来だけでなく、自分のルーツそのものに向き合うとても良い機会になりました。今まで語られなかった祖母の過去を詳しく知ることができ、祖母を誇りに思う気持ちが一層強くなりました。同時に、自分のことを大切にして生きていこうという新たな決意も生まれました。この作文を書き終えたとき、自分の中で何かが吹っ切れたような清々しい気持ちになりました。
 二年連続で「最優秀賞」という名誉な賞をいただくことができ、うれしくて本当に夢のようです。小学二年生で入塾した私は毎年この作文コンクールに参加してきました。おかげで、本を読みながらいろいろなことを考え、表現していくことがとても楽しいと思えるようになりました。先生も、「自分と向き合い、じっくり考えることが大切だ」と日頃からおっしゃっているので、これからもたくさん読書をして思考を深め、成長していきたいです。切磋琢磨し合えるセミナーの環境と、入塾以来変わらない先生の熱いご指導に心から感謝しています。ありがとうございました。