お知らせ

仙台育英学園高等学校 秀光コース 第23期生 卒業証書授与式

ディプロマへの挑戦で得たものは
人生の大きな財産になるはずです

 仙台育英学園高等学校 秀光コース第23期生の卒業証書授与式が2月29日(木)に行われました。
 式では、加藤雄彦校長先生から卒業生代表に卒業証書が手渡され、続いて、生徒会特別功労賞、精励賞、生徒会功労賞、加藤利吉成績優等賞各賞の受賞者が発表されました。そして、秀光生としての活躍を讃える『秀光グランプリ』には青木さん、赤間さん、稲岡さんが選ばれ、校長先生から賞状と楯が贈られました。
 卒業式のあとは、仙台育英学園の同窓会への入会式が行われ、記念品が贈呈されました。そして最後のホームルームでは、仲間や先生方と秀光での思い出を振り返りました。23期生と秀光との深い絆はこれからも変わらず続いていきます。
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秀光グランプリ 受賞者 表彰内容

『The Aspiration Award』
青木さん秀光中等教育出身)

 
 あなたは生徒会副会長及び合唱部部長として生徒会活動に精力的に取り組むとともに将来の目標のもと強い意志を持ってIBの授業や諸活動に取り組みDiplomaを取得することができました。努力を怠らず責務を全うする姿はクラスメイトのみならず後輩からも厚い信頼を得ました。また何事にも真摯に向き合い、諦めずに勉学に励む姿は他の生徒の模範となりました。
 その意志の強さとたゆまぬ努力は称賛に値します。ここに仙台育英学園の生活信条7か条、IBの学習者像を体現したことを讃え「The Aspiration Award」を授与します。
 

『Service Above Self Award』
赤間さん中野中出身)

 
 あなたはDiploma Programに精一杯取り組むだけでなく仲間への配慮を欠かさず献身的にクラスを支えました。また、3年間所属したインターアクト部では国際ロータリーの標語にある「超我の奉仕」の精神のもとウクライナ支援活動をはじめ多くのボランティア活動に取り組み、ボランティアアワード全国大会への出場を果たしました。そして自らも勉学に励みDiplomaを取得することができました。
 思いやりにあふれ、強い意思を持って努力した姿は称賛に値します。ここに仙台育英学園の生活信条7か条、IBの学習者像を体現したことを讃え「Service Above Self Award」を授与します。

『The Honorable Award』
稲岡さん仙台青陵中等教育出身)

 
 あなたはたゆまぬ努力と高い学力によって学習面で学年を牽引しました。IB最終試験においてDLDP生のなかでは最高点でDiplomaを取得することができました。自らを律し向上心をもって勉学に励む姿はクラスメイトのみならず、後輩の手本となりました。
 妥協を許さず何事にも全力で取り組み、常に上位の成績を維持したことは称賛に値します。ここに仙台育英学園の生活信条7か条、IBの学習者像を体現したことを讃え「The Honorable Award」を授与します。

 

校長先生からの式辞【一部抜粋】

 
 秀光コースの皆さんには、国際バカロレア(IB)へのチャレンジ精神、これを讃えたいと思います。ディプロマ取得に挑戦された皆さん、本当によく頑張りました。人生の上で大きな財産になっていくことを楽しみに応援していきたいと思います。
 IBの学習者像の中でベースにあるのは「世界平和」ですが、今日は少し違った観点からお話をしたいと思います。「AIの利用にあたっては倫理的知見の導入が不可欠だ」これはドイツの哲学者マルクス・ガブリエル教授の言葉です。科学は万全ではなく、自らが持つ道徳心に委ねていかなければ人間は生きていくことができない、ということです。皆さんは、自分の日常が果たして人間的な生活の営みに置かれているでしょうか。それとも何か自分もいろんな形でAIに踊らされているような生活をしていないでしょうか。SNSとの付き合いが長すぎるということはないでしょうか。もう一度振り返ってみてください。
 この学園はさまざまな形で発展してきたと思います。これはひとえに学園の卒業生と先生方のおかげなのだと私は思っています。皆さんも、それを誇りに生きていってほしいと思います。

 

送辞【一部抜粋】

在校生代表 秀光コース2年 永井さん(秀光中等教育出身)
 先輩方はいよいよ秀光での学校生活に幕を閉じ、それぞれの夢の実現に向けて新天地へと飛び立つ時が来ました。これから先輩方は先の見えない社会情勢の中で、さまざまな困難に見舞われることもあるかと思います。しかし、そのような状況にあっても、本学園の建学の精神である至誠、質実剛健、自治進取を体し、限界を定めず何事にも挑戦することができる先輩方であれば、きっと乗り越えられると信じております。寒い冬にもいつか暖かい春が訪れるように、苦難の中にあってもいつかは華々しい成果が得られるはずです。この秀光でIBの課題の数々を乗り越え、多くのものを得た先輩方の前途は暖かく花開く春のように輝かしいものになることを確信しております。本日晴れて卒業を迎えられた秀光23期生の皆さん、今まで私たち後輩を優しく温かく導いてくださり、本当にありがとうございました。
 

答辞【全文】

卒業生代表 青木さん(秀光中等教育出身)

 秀光での6年間とこれからの未来に思いを馳せて、やわらかな日差しに包まれる今日、毎日通ったこの校舎に登校しました。春の足音が徐々に近づく今日の良き日に、私たち秀光23期生は卒業します。

 先ほどは校長先生のご式辞をはじめとして、父母教師会会長様からのお祝いの言葉、在校生代表の送辞を頂きまして、誠にありがとうございます。このように盛大、かつ心温まる秀光コース卒業証書授与式を挙行して頂きましたこと、秀光23期生一同、心より感謝申し上げます。

 3年前、猛威を振るっていた新型コロナウイルスの影響下で、私たちは秀光コースの入学式を迎えました。新型コロナウイルス感染対策を強化しながらでも、なんとか入学式を執り行おうという先生方の思いに胸を熱くし、これから始まる高校生活への決意を新たにいたしました。そんな入学式から3年が経った今、こうして先生方や家族、後輩の皆さんの前で卒業の瞬間を迎えられることに喜びを噛み締めています。

 6年前の4月5日。小学校を卒業したばかりの私たち23期生は、この広いゼルコバホールで出会い、その日から秀光での学校生活が始まりました。緊張と期待と不安を胸に歩みはじめた秀光での6年間は、長いようで、思い返せばあっという間でした。

 6年前に中学受験をしたこと、そして3年前に秀光コースへの進学を決めたこと。これらは大きな決断でしたが、今、秀光を選んでよかったと心の底から感じています。そう思うことができるのは、苦楽を共にしてきた同級生とどんなときでも支え、応援してくださった先生方のおかげです。私にとって、秀光で過ごした6年間とそこで出会えた仲間、先生方との思い出は生涯色褪せない宝物です。

 私たち23期生はひとりひとりの個性が強く、感じ方や考え方も全く異なっていて、良い意味で混ざり合わないクラスだったと思います。それ故ぶつかることもありましたが、皆の個性がパズルのようにはまった時に発揮される団結力は強く、多くの困難を乗り越えることができました。

 中学生の時には、クラスメイトの知らない一面を知ることができて、新鮮だったグリーンスクール、スノースクール、力を合わせて全力で取り組んだ合唱コンクール、創造力と思考力の向上につながったワールドピースゲームなど、多くの行事を経験しました。中でも、中学校3年生の秀光祭で取り組んだクラス合奏は、23期生の団結力を強くしたと思います。新型コロナウイルスの感染拡大によって秀光祭がオンライン開催となり、感染予防のために吹奏楽は中止、弦楽合奏に取り組むことになりました。初めて触れる弦楽器に戸惑いながらも、限られた練習時間で課題曲を仕上げ、クラスごとのハーモニーを生み出すことができました。

 思い出の詰まった3年間を過ごした仲間もそれぞれの道に進み、8名が秀光コースへと進みました。MYP最終学年の高校1年生では、学習内容のレベルの高さや答えのない課題に戸惑いながらも、クラスメイトと支え合い授業に追いつこうと必死にしがみついていました。MYPの最終課題として取り組んだPersonal Projectでは、自分の興味、関心を突き詰めようとひとりひとりが奮闘し、MYPの集大成に相応しい成果物を完成させて多くのスキルを得ることに繋がりました。
 そして高校2年生になり、5人の新しい仲間とともにIB Diploma Programへの挑戦が始まりました。MAPへ進んだ友人もおり、それぞれの夢の実現に向けて私たちは歩み始めました。
DPの授業が始まると、英語で書かれた教科書や慣れない論述課題に苦戦しながらも、興味深い授業に新鮮な気持ちで臨んでいました。しかし、課題論文や多くの提出課題を目の当たりにしたことで、この2年間で乗り越える壁は想像以上に高いものだということを痛感します。提出日までの計画を立ててはその計画の無謀さに頭を抱え、何度も心が折れそうになりながらも、一つずつ着実にこなしてきました。3年ぶりに開催されたスポーツチャレンジや外国語コースの生徒と交流を深めたIBキャンプ、それぞれの思いが詰まった最後の秀光祭を経て、持ち前の団結力と忍耐力を武器にDP1年目を乗り切ることができました。クラスメイトと励まし合い、教え合い、互いに高め合いながらDP生として成長できた1年だと思います。

 そしてついに迎えた勝負の年。高校3年生になった私たちが直面したのは、目を背けたくなるほどに厳しい現実でした。DP最終試験と大学受験が着々と迫る中、EEやIAをはじめとする多くの課題を抱え、「受験生である」という強い自覚との間で板挟みになっていました。思うように進められない自分に苛立ち、涙を流したこともありました。夜遅くまでパソコンに向かいながら、通話をつないでグループ課題に取り組んだこともありました。やるべきことは常に山積みで、何から手を着けたら良いのかわからず、DPが始まってから終わるまで、不安を感じなかった日はありません。IBと大学受験を両立できるのか。どちらも中途半端になってしまうのではないか。そんなことを考える度に自信を失くしては、底なしの焦りを感じていました。そして何よりも、秀光を選んだこと、IBを選んだことを後悔する日が来るのではないかと思うと、怖くてたまりませんでした。しかし、不安と焦りに押しつぶされそうになっても、同じく目標に向かって努力し続ける仲間がいて、支えてくださる先生方がいて、いくら辛いことがあっても、「自分は一人じゃない」と思うことができました。先が見えないほど高く感じていた壁も、ともに戦う仲間といつも真っすぐに応援してくれる先生方となら、立ち向かえる気がしました。そして誰一人、諦めることなく、挑戦と失敗を繰り返しながらも確実に歩みを進めてきました。

 がむしゃらに走り続けた2年間でしたが、乗り越えられないと思えた壁も、今振り返ってみれば私たちの後ろにあります。失敗から成長を得て、挑戦から自信を得て、この23期生で乗り越えた経験は大学生になっても社会に出ても自分を支える糧となるはずです。

 思い返せばこの6年間、MYPのレポート課題やPersonal Project、高度なDPの学習に論文の執筆、そしてDP最終試験に大学入試など、試練と挑戦の連続でした。そこから逃げずに努力し続けることができたのは、いつも私たちを応援してくださった先生方や後輩、そして家族のおかげです。
先生方はどんなに忙しくても、私たちがアドバイスを求めたときには時間を割いて丁寧に相談に乗ってくださいました。いつも私たちに心を配って、優しく、強く、そして厳しく応援してくださり、6年間深い愛情を注いでくださいました。何度先生方に支えられ、助けていただいたことか、言葉で表すことのできないほどの感謝の気持ちで溢れています。この感謝の気持ちは、この先も決して忘れません。

 そしていつも一番近くで、誰よりも心配し、応援してくれた家族へ。6年前制服に着られているようだった私たちも、早いものでもう大学生になります。私が楽しく秀光で過ごすことができたのは、そっと見守り、支えてくれた家族のおかげです。生まれた時から数えきれないほど、様々な形で私たちの選択を応援してくれました。いつも私たちのことを第一に考え、最後まで自分で決めた道を信じてくれて、応援してくれて、本当にありがとう。私たちは、あと1カ月もすれば親元を離れて生活することになります。これまでの応援に応えられるよう、多くを学び、さらに成長して恩返しをするので、どうか健康で待っていてください。

 このような貴重な学びの場を提供してくださった秀光の先生方、家族への感謝の気持ちを忘れずにこれからの人生、自分の選んだ道で輝いてみせるという覚悟を持って励み続けます。
たくさんの素晴らしい先生方、後輩たち、そしてクラスメイトに恵まれた高校生活でした。高校3年生になったばかりのときは、自分の選択を後悔してしまうのではないかと恐れていましたが、この6年間に一切の悔いはありません。そう、胸を張って言えます。秀光で共に過ごし、仲間とあらゆる苦楽を共にした6年。私たちは本当に成長し、強くなりました。
 今、卒業を迎えた私たちは秀光という学び舎を離れ、ひとりひとりが選んだ道へと進んでいきます。望んだ場所で学べる喜びと秀光を離れることへの寂しさを抱えながら、この場所で仲間たちと必死に努力し、励んできた証を胸に、新たなスタートを切りたいと思います。

 これからの秀光を担う24期生をはじめとする秀光生の皆さん、これまでに秀光を卒業していった先輩方から、23期生が受け継いだバトンを託します。今まで先輩たちが努力してきた日々、そして私たちが積み重ねてきた成長の日々の証であるこの秀光の未来を託します。私たちが繋いできたバトンを受け継いで新たな歴史を積み上げていってください。私たちも秀光の名を、光に満ちた輝かしいものとし続けるために、新天地においても卒業生として誇りを持って励み続けます。

 私たちは高校3年間、新型コロナウイルス感染拡大やそれによって目まぐるしく変わっていく体制に翻弄されながらも、現状を見つめ、自分にできることを探し、その中に楽しみを見出してきました。私たち23期生13名の進む道はそれぞれですが、どの道に進んでも、自分らしさを大切にしながらどんな壁にも挑戦していけるでしょう。仙台育英学園の「至誠・質実剛健・自治進取」の建学の精神と、IBの使命を胸に、秀光6年間で培ったIBの学習者として、今後も社会の中で励んでいくことを誓います。

 結びになりますが、仙台育英学園の一層の飛躍と、校長先生をはじめとする皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、答辞といたします。
 

卒業生保護者代表謝辞

秀光コース第23期生 保護者代表 加藤さま

 春の温かな風が吹き始まる中、この素晴らしい日に厳粛な中にも心温まる卒業式を挙行していただき感謝申し上げます。また、ご列席いただいたご来賓の皆様におかれましても、ご多忙の中、私たちのこの特別な日にお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。卒業生の保護者を代表してお礼の言葉を述べさせて頂きます。

 入学してから、校長先生をはじめ、すべての先生方のご指導とご支援により、子供たちは逞しく成長し、多くの学びを得ることができました。
 仙台育英学園の建学の精神である「至誠・質実剛健・自治進取」を子供達一人一人が理解し、豊かな人間性の育成に繋がるよう、先生方は常に子供たちに寄り添いながらご指導してくださいました。その教えは、子供たちが成長し、社会で意義ある役割を果たすための強力な基盤となることでしょう。

 秀光中等教育学校に入学してから6年間、または高校生の2年間、IBという高度なプログラムのもと、同時進行で複数の科目を学び、課題をこなすことは、子供たちにとって、時間の管理やストレスとの向き合い方など多くのスキルが必要であったはずです。そのようなプログラムに仲間たちと共に挑戦し、立ち向かい、乗り越えることで、子供たちの絆が深まり、成長したように思います。

 在学中は、娘とは離れて暮らしておりましたが、休日に訪れた際、パソコンでお友達とやり取りをしている様子も親の世代から見ると、遊んでいるのではないかと感じてしまうこともありました。そして、休日に寝ている姿を見ると、本当に勉強をしているのだろうかと心配することもありました。しかし、それはお友達と協力して遅くまで課題に取り組み、疲れて寝てしまっている娘の姿でした。パソコンを駆使して真剣に課題に取り組む子供たちの姿に成長を感じると同時に、お友達の優しさとお互いに協力し合えるクラスメイトとの関係も、娘の成長の過程において不可欠なものだったと感じます。

 また、様々な行事への参加も親子ともども楽しみの一つでした。コロナ禍で実施できない年もありましたが、スポーツチャレンジや秀光祭では深い感動を得ることができました。高学年になると実行委員として様々な準備に取り組む娘の姿を見て、効果的に時間を管理する力や、下級生を思いやる気持ちが育っていることを感じました。

 さらに、高校2年生の時に参加したハワイ研修ではハワイの歴史や文化など、多くのことを学び、日本を飛び出してこそ得られる貴重な体験をすることができました。「コロナ禍」という海外に行くだけでも大変な時期に、海外研修実施という決断をされた校長先生の「子供たちに日本の外に出て、実体験として学ばせたい」という強い思いに感服いたしました。

 これらの経験は子供たちの人生における貴重な記憶として残り、多様性と共感の大切さを理解する助けとなったことでしょう。
 これらの行事を実現するためには、校長先生はじめ先生方のご指導とサポートが不可欠でした。このお導きと助言により、卒業生たちは他に代えがたい貴重な学びを得ることができました。先生方の献身的なご指導は彼らが豊かな学校生活を送る上で欠かせないものでした。

 そして最高学年になり、大学受験が目前に迫る中、IBDPの最終試験もあり、子供たちは大きなプレッシャーを感じていたことでしょう。そのような時にも先生方は、子供たちの心に寄り添い、個々の進路に対して適切にお導きくださいました。それぞれの志望校への準備や面接の練習、具体的なサポートなど、先生方の専門的な知識と経験は、子供たちが自信を持って将来に進むための大きな支えとなりました。心から感謝申し上げます。

 本日、子供たちは一つ成長し、新たなる未来に飛躍する準備が整いました。この場をお借りして、校長先生はじめ、学園の全ての教職員の方々、そしてこの素晴らしいコミュニティーに心から感謝申し上げます。

 最後になりますが、仙台育英学園のますますのご発展と繁栄を心から願い、これからも学園の一員として貢献していきたいと思っております。

 本日は誠にありがとうございました。