お知らせ

令和5年度 仙台育英学園高等学校 全日制課程 卒業証書授与式

「逆転の仙台育英」の精神を誇りに、
それぞれの道を歩んでいきましょう

 第76回全日制課程卒業証書授与式が3月1日(金)、多賀城校舎グローリーホールを会場に行われました。この日、卒業証書を手にしたのは1,046名の卒業生。仙台育英塾創立から数えて116期生となります。午前の部は特別進学・外国語・英進進学・情報科学コース、午後の部はフレックス・技能開発コースの卒業生が、家族や来賓の方々に見守られながら、卒業式に臨みました。卒業証書授与および留学生への名誉卒業証書授与のあとには、優等賞、精励賞、生徒会功労賞、特別功労賞などの表彰が行われ、校長先生の式辞へと続きました。

校長先生からの式辞【一部抜粋】

 116期生の皆さんの高校生活は、新型コロナウィルスというパンデミックの中にあってそれぞれいろいろな思いはあったかもしれません。しかし皆さんはそれに動じることなく自分の道を歩んでいこうとそれぞれ志を持って前に進んでいかれたことに敬意を表したいと思います。
 仙台育英学園高等学校の校歌の2番を思い出してください。「平和の光民主国 護憲の教えあきらかに 我が日の本の国のはな 学びの園に咲き匂う 斯の道守る育英の 我が学舎に栄光あれ」。この仙台育英学園の設立の根幹にあったのは世界平和です。皆さんは今日で卒業されますが、皆さんの心の中には、「逆転の仙台育英」というライオン精神が生きていると思います。その想いを誇りとして、一人ひとりできることはわずかかもしれませんが、「世界平和」という目標に向かって活躍されることを、この母校仙台育英学園高等学校は願っています。
 116期生の皆さんたちが健康で幸せな人生を送っていかれることを心から祈念して校長の式辞といたします。

  • ▲午前の様子

在校生からの送辞(午前の部)【一部抜粋】


在校生代表 大久保さん(特別進学コース2年 宮古西中出身)

 私たち在校生は先輩方が築き上げたこの仙台育英学園の誉れ高い歴史を受け継ぎ、先輩方の背中を追い、努力を惜まずに精進したいと思います。
 先輩方は卒業後、進学や就職などそれぞれの新しい道に進むと思います。その中で様々な困難が立ちはだかり、時には挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもこの仙台育英学園高等学校で得た学びを思い出せば、三年間の軌跡や仲間が必ず背中を押してくれます。自分の未来が輝かしいものになると信じて奮闘し、困難も乗り越えてください。

卒業生からの答辞(午前の部)【全文】


卒業生代表 春成さん(特別進学コース3年 鶴谷中出身)

まだまだ冷たい春風にも、春の気配が感じられる今日この頃となりました。新型コロナウイルス感染拡大への懸念が依然として残っておりますが、無事に卒業の日を迎えられましたことを嬉しく感じております。
 
公私ともにご多用の折、ご臨席賜りましたご来賓の皆様、この式にあたり計画、準備して下さいました校長先生をはじめとした諸先生方・在校生の皆さん並びに保護者の皆様方に卒業生を代表して心から御礼を申し上げます。
 
振り返ってみますと、入学当初、新型コロナ感染拡大もあり、入学式は四月下旬に延期となり、登校自体も最初の登校日以降オンラインを活用しての分散登校となりました。高校生活で最初の行事スプリングチャレンジが延期となり、分散登校によって半分以上の級友と会えない状態が続き、級友と仲良くなれるか、充実した高校生活を送れるかと大きな不安を抱えた毎日でした。
 
私たちの三年間は感染症の拡大によって多くの行事が延期、規模縮小といった形に追い込まれました。しかしながら、かけがえのない仲間や、諸先生方のご尽力もあり、一つ一つの学校行事を楽しむことができました。
 
特別進学コースでは、高校一年生の初めての課外行事であった「プラン2000」では限られた環境の中ではありますが、互いに勉強をし、切磋琢磨することで学力の向上に努めるとともに皆の絆が深まっていきました。
 
明くる年からコロナ禍による規制が緩和され、分散登校がなくなり、少しずつではありますが、普通の高校生活に戻れるようになりました。また、初めて白河の関を深紅の大優勝旗が超えました。本学園硬式野球部が甲子園で優勝し、スタンドや報告会で皆が喜びを分かち合えたことも懐かしく思い出されます。
 
そして、全校生徒三千人が集う育英祭では出店が出来ないなど規模が縮小されてしまい、主にクラス、部活動展示が中心となってしまいましたが、一人一人が個性的な作品を生み出し、またこの限られた状況の中でも育英祭を盛り上げようと多くの生徒が一致団結し、計画・準備していくことができ、私達にとっては特別な精一杯の文化祭となりました。
 
高校生活最大の行事である、研修旅行・修学旅行も細心の注意を払いながら、校長先生や諸先生方の多大なお力添えによって無事行うことが出来ました。この研修では他県の文化を学ぶとともに学年全員でとても貴重な想い出を築くことが出来ました。
 
今に至って私たちの関心事の進路は、一人一人が自分の望む将来を実現させるために就職活動や受験勉強に励んできました。その中で、思うようにいかず悩み、逃げ出したくなるようなこともありましたが、これまで支え合ってきた仲間と共に各々が抱える課題にも立ち向かっていくことが出来ました。諸先生の皆様、保護者の皆様の力添えがあったことは申すまでもありません。既に就職が決定した人や進学先が決定した人、まだ結果が出ていない人など様々ではありますが、これまで本学園でコロナ禍の元で乗り越えてきた経験を活かし、与えられた場で自信を持って新しい舞台に立ち向かっていく所存です。
 
在校生の皆さん、これまで私たちを支えていただき、ありがとうございました。在校生の皆様は私たちと一緒に学校行事に積極的に活動をしてくださいました。生徒会の話で恐縮なのですが、在校生の皆さんは初め見よう見まねで生徒会活動に参加していただきました。皆さんは瞬く間に教えられたことを吸収して、生徒会活動を支えていただきました。生徒会活動では無論のこと、育英祭では学年関係なく協力して盛り上げようとする姿にとても感心いたしました。高校生活はあっという間です。今いる仲間との時間を大切に過ごしていただければ幸いです。皆さんならこれまでの本学園の伝統を継承し、常に検証しより良き道を考察しながら、さらに良いものを希求していくと信じています。これからの仙台育英学園をよろしくお願いいたします。
 
これから私たちは新しい次の舞台へと歩みを進めます。新型コロナの規制が緩和されたとは言え、まだまだ規制は残っています。そして、現実の世界は三年目に入るロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナの紛争、と戦争と称してもいいようなことが起きています。目を国内に向けると今年の元旦に能登半島大震災という東日本大震災を防彿させるような天変地異が起きています。全く今までの常識が通じない、何が起こるか全く予想がつかない現実が待ち受けています。私たちが今まで経験したことのない大きな壁が立ちはだかっているかもしれません。それでも本学園で仲間と過ごし、数々の困難を乗り越えていったように、最後まで諦めることなく自分らしさを失わず、本学園の建学の精神「至誠」「質実剛健」「自治進取」を胸に抱き、諦めることなく「なりたい自分」になれるように精進して参ります。
 
最後になりますが、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方のご指導、ご鞭撻ありがとうございました。そして、本学園の職員の皆様方の陰に陽に我々をお支えいただき、本当にありがとうございます。新しい舞台で挫けそうになった時はこの学園で過ごした日々を思い出し、頑張って参ります。これまで我々を慈しみ優しい心で見守ってくれた保護者の皆様にこの場をお借りして卒業生の皆を代表して御礼を申し上げます。

「皆様のおかげで本日の卒業式の日を迎えることが出来ました。ありがとうございました」。

さらに、私たちを支え、ご指導してくださった全ての方々に衷心より御礼申し上げます。そしてご臨席いただきました皆様のご活躍とご健勝をお祈り申し上げると同時に、仙台育英学園の益々のご発展をお祈り申し上げて、答辞とさせていただきます。
 
  • ▲午後の様子