お知らせ

ILC宮城 令和5年度第26回後期卒業式

「至誠」を学んだ本学園の同窓生として
胸を張って歩んでいきましょう

 3月7日(木)、仙台育英学園高等学校 広域通信制課程ILC宮城の令和5年度仙台育英学園高等学校第26回後期卒業式が行われました。この日卒業を迎えたILC宮城の卒業生は61名。高校卒業資格となる卒業証書は、加藤雄彦校長先生自ら卒業生一人ひとりに手渡されました。校長先生の式辞では、次のように温かい激励の言葉がありました。
「本学園は今年で119年を迎えます。本学園には日本全国、そして海外にも大勢の同窓生がいます。今年の卒業生を加えると8万人近くになると思います。その同窓生たちに共通していることは、本学園の建学の精神をしっかりと学んでいることです。建学の精神のひとつである『至誠』の意味をわかりやすく言い換えているのが、“天に星あり、地に花あり、人の心に誠あり”という言葉です。この言葉が119年間息づいてきた皆さんの母校のことをこれからも忘れずに生きていってほしいと思います」
 答辞では卒業生代表が、「私たち61名はこれからそれぞれの新しい生活に向かって歩み始めます。決して平坦な道ではないと思いますが、苦しい時にこそ『逆転の仙台育英』の精神を胸に、仙台育英学園の卒業生として胸を張って歩んでいきたいと思います」と力強い抱負を述べました。
 

卒業生代表答辞【全文】

 
暖かい陽の光が降り注ぎ、春の足音が間近に感じられるこの佳き日、加藤雄彦理事長校長先生をはじめ、諸先生方、保護者の皆様にご列席を賜り誠にありがとうございます。また、私たち卒業生61名に対し、かくも盛大な卒業式を挙行していただきましたこと、卒業生一同感謝の念に堪えません。
 
私は当初県内のある全日制高校に入学したのですが、体調不良により欠席が増え、転学を考えるようになりました。そんな時私は仙台育英学園高等学校広域通信制課程のホームページを見つけ、スクーリングへの出席・レポートの提出・試験の条件をクリアすることにより単位を修得できるシステムを知りました。自分のペースで勉学を続け、高校卒業資格を得られることは私にとって大変魅力でした。またいろいろな設備が整った仙台育英学園高等学校で学習を再開することで将来の選択肢を広げることが出来るのではと考えられ転学させていただくことになりました。
 
はじめは、私が通信制に転学することに不安を感じた母との間で意見がぶつかり合い、揉めた時期もありました。しかし、父は私の気持ちを汲み取り、私と母の間に入ってくれました。そして話し合いを重ねていくうちに、母の不安は少しずつ和らぎ私が通信制に転学することを応援してくれるようになりました。母は試験の日は必ず送迎をしてくれ、父は父で気分転換にドライブに連れて行ってくれたり本屋に連れて行ってくれたりと、色々な面で私を支えてくれました。そんな家族の理解と支えがあったお陰で、私がここで過ごした二年半はかけがえのない時間となりました。
 
スクーリングでは、学習室で一緒になる皆さんと馴染んでいけるか不安でしたが、通う内に、皆、自分と同じ不安や悩みを持った高校生なのだということが分かるにつれて徐々に心が軽くなり、自分のペースを保てるようになりました。レポートの分からないところも、教科書・学習書・タブレットなどで調べ、完璧な状態での提出を心掛けるなど、自学自習の姿勢を大切にしながら安心して学習に取り組むことができました。
 
学校行事では、榴岡公園での清掃ボランティアに三回参加しました。ウォーキングをしている方に「お掃除してくれてありがとう。どちらの生徒さん?」などと声を掛けていただくこともありました。そんな時、自分が誰かの役に立っていることを実感できました。そしてこの仙台育英学園高等学校で学ぶ一員であることの誇らしさとともに、こうした小さな積み重ねが自分の自信につながったようにも感じられます。
 
卒業後、私は医療事務の専門学校に進学し、医療事務技能審査試験を受験します。私が医療事務を目指したきっかけは、子どもの頃通院する機会が多く、その際対応してくださった方が私の痛みを察して親身に接してくれた思い出があるからです。そして私もいつか医療の仕事に就き、病気で体調が悪い方の心に寄り添いたいと思ったのです。この試験に合格すると、薬局などの窓口業務や診療報酬請求事務業務などの事務職で求められるスキルが修得できます。私は、この資格を活かして、病院の事務職員として働くつもりです。 
 
結びとなりますが、加藤雄彦理事長校長先生はじめ、諸先生方、長い間ご指導いただき本当にありがとうございました。私たち61名はこれからそれぞれの新しい生活に向かって歩み始めます。決して平坦な道ではないと思いますが、苦しい時にこそ「逆転の仙台育英」の精神を胸に、仙台育英学園の卒業生として胸を張って歩んでいきたいと思います。これからも私たち一の歩みを温かく見守っていただけたら幸いです。
 
最後になりますが、仙台育英学園高等学校の益々の御発展と、加藤雄彦理事長校長先生をはじめ、諸先生方、保護者の皆様の御多幸をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。
 
令和6年3月7日
卒業生代表