仙台育英で得た財産を糧に
これからも力強く歩んでいきます
第77回全日制課程卒業証書授与式が3月1日(土)、多賀城校舎グローリーホールを会場に行われました。この日、卒業証書を手にしたのは949名の卒業生。育英塾創立から数えて117期生となります。午前の部は特別進学・外国語・英進進学・情報科学コース、午後の部はフレックス・技能開発コースの卒業生が、家族や来賓の方々に見守られながら、卒業式に臨みました。卒業証書授与および留学生への名誉卒業証書授与のあとには、優等賞、精励賞、生徒会功労賞、特別功労賞などの表彰が行われ、加藤雄彦理事長・校長先生の式辞へと続きました。
校長先生からの式辞【一部抜粋】
私が敬愛するアメリカ第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの言葉があります。
“We cannot always build the future for our youth, but we can build our youth for the future.”
これを私なりの立場で日本語に訳して伝えると「我々は必ずしも若者たちのために未来を築いているのではない。むしろ我々は未来のために日々若者を育てているのだ」となります。ですから、未来というのは皆さんたちが築いていくものです。皆さん 一人一人が平和国家である日本を守るためにも、日本国民が自由ということを世界中に言えるようにするためにも、 一人一人が力をつけ、そして日本だけではなく、国際社会の中で生きていける、そういうリーダーシップを発揮できることを私は願っています。
そして何よりもまず、今日で3年間の高校生活を終了するにあたり、卒業生の皆さんの周囲にいるご家族にありがとうございましたと、是非言っていただきたいと思います。感謝の気持ちを持つこと、これは大人の第一歩だということを忘れないでいただきたいと思います。
皆さんが健やかに育ち、そしてここまで見守ってくれたご家族の皆さん方のためにも精進していただきたいと思います。
- ▲午前の様子
在校生からの送辞(午前の部)【一部抜粋】
在校生代表 元屋敷さん(秀光コース2年 東華中出身)
今日で先輩方は旅立ちます。努力することの大切さ、仲間と支え合う強さ、そしてどんな時でも笑顔を忘れないこと、それら全てを先輩方がそうしてくださったように、私たちがこの先へとつないでいきます。先輩方へ、どうかこれから先もなすべきと思ったその道を進んでください。時には困難に行き当たることもあるでしょう。しかし、先輩方はどんな壁も穿つことができると強く信じています。そして、ふと立ち止まった道でどうか思い出してください。この学びで過ごした日々を、ここにいた友たちのことを、そしてここに皆さんを応援し続ける後輩がいることを。最後になりましたが、先輩方の明日が光と希望に満ちていることと、今後のより一層のご活躍を願って送辞といたします。
卒業生からの答辞(午前の部)【全文】
卒業生代表 大久保さん(特別進学コース3年 宮古西中出身)
頬に触れる風は柔らかさを増し、日ごとに春めいてきました。うららかな陽光が差すこの佳き日に卒業を迎えられたことを大変嬉しく思います。また、本日の卒業式の挙行に際しまして、ご多忙の中、数々のご祝辞を賜りました皆様方、準備してくださった先生方、在校生の皆さん、並びに保護者の皆様方に卒業生を代表して心から御礼申し上げます。
今、こうして卒業という節目に立って3年間を振り返ると決して色褪せることのない軌跡の数々がありありと思い出されます。甘い桜の香りと眼前にそびえる壮麗な校舎に心を高鳴らせた入学式の日。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、各教室からオンラインでの開催でした。その後すぐに分散登校が始まり、クラスメイトの顔もよく知らないまま、春が過ぎ去ったことをよく覚えています。
しかし、そのような困難な状況の中でも、本校を卒業した後、雄大な大樹のように大成するべく、私たちは自分自身と向き合い、忍耐強く地下に根を張ってきました。この時期に培った辛抱強さは大学受験において大きな強みとなっただけでなく、これから社会の荒波を生き抜く糧になると信じています。
私たちが2学年に進級した2023年5月からは、それまで平穏な学園生活や多くの行事の開催を阻んできた新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類から5類と下がり、念願だったスプリングチャレンジや育英祭が例年通り開催されました。1年遅れた青春を取り戻すように、私たちは一層行事にも勉学にも精を出し、毎日をがむしゃらに過ごしました。時に何事にも一生懸命になりすぎるあまりに自分のキャパシティを超えて、心身ともに疲弊したこともありましたが、そばにはいつも大好きな友人や先生方がいました。悩んだ時には寄り添い、一緒に解決しようと尽力してくださる姿に感謝と尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
そしてどんな時も私たちのことを第一に考え、いつも味方でいてくれた家族の皆さん。今までたくさん心配をかけましたが、立派な大人になるためにこれからも貪欲に努力し続け、いつか必ず親孝行します。
さて、私たちはこれから激動する社会に飛び込み、進学や就職など、それぞれの新しい道に進みます。その中で様々な困難が立ちはだかり、時には挫折を味わうこともあるかもしれません。しかし、そんな時こそ笑顔を忘れず、着実に前へ進みたいと思います。また、友人や先生方が自分にそうしてくれたように、自分の大切な人が壁にぶつかった時は手を取ってあげられる人になりたいと思います。仙台育英学園高等学校で得た心と体の財産を糧にどんな未来も力強く歩んでいきます。
結びに本校の更なる発展と輝かしい青春を共に過ごした仲間たち、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方、並びにご助力賜りました皆様方のますますのご活躍とご健勝を祈念して答辞とします。
- ▲午後の様子