東北大で実際に行われている最先端の研究に挑戦!
“銅ナノ粒子”を合成してみよう
『ナノ材料の合成と機器分析(1)』
日時 | 2017年10月21日(土) |
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場所 | 宮城野校舎 化学実験室 |
参加生徒 | 特別進学コース1・2年生、秀光4・5年生(希望者) |
講師 | 東北大学大学院環境科学研究科 横山俊 助教 大学院生 3名 |
東北大学の先生方からの指導を受けることができる理科の実験講座「サイエンス・コ・ラボ」。仙台育英特別進学コースと秀光の生徒が一緒に学ぶ場でもあります。
第4回は「ナノ材料の合成と機器分析」の前半部分となります。第5回につながる実験であり今回合成したナノ材料を使って、次回は東北大学で分析を行うことになります。東北大学大学院環境科学研究科の助教である横山先生と3名の大学院生のみなさんに指導していただき、班ごとに“銅ナノ粒子(銅ナノインク)”を合成しました。
第4回は「ナノ材料の合成と機器分析」の前半部分となります。第5回につながる実験であり今回合成したナノ材料を使って、次回は東北大学で分析を行うことになります。東北大学大学院環境科学研究科の助教である横山先生と3名の大学院生のみなさんに指導していただき、班ごとに“銅ナノ粒子(銅ナノインク)”を合成しました。
実験の様子
- ▲横山先生から「今日は東北大学がPanasonicと共同研究をしている“最先端の研究”で実験をします」というお話が。ナノ粒子が持つ可能性についても話していただきました。
- ▲1マイクロメートルの1000分の1という大きさのナノサイズを作るためには「ビルドアップ法」を使います。銅クエン酸錯体などを計りとり、銅ナノ粒子を合成していきます。
- ▲溶液(写真左)を50度で30分ほど反応させると、すっかり“銅”の色(写真右)に変わりました。
- ▲反応を待つ間に、銅板の抵抗を調べます。大学院生の皆さんへの質問や、高校生活のエピソードでも会話が弾みました。
- ▲反応が終わった溶液をろ過すると、フィルターに銅ナノ粒子が残ります。これを気圧の変化で瞬時に乾燥させて、銅ナノインクを作製します。
横山先生はお話の中で、「本来銅の融点は1000度近いのですが、ナノインク化することによって約150度に下がり、取り扱いが容易になります。銅ナノインクを使えば、とても細かい配線を印刷できるので、将来ウェラブル(身につける)デバイスなどに活用できる」と説明していただきました。
第5回では、生徒たちが東北大学大学院環境科学研究科を訪問し、最先端の機器分析を行います。
第4回『ナノ材料の合成と機器分析(1)』
科学では大きなものから小さなものまでを対象に研究を行っています。さまざまな量の大きさを表示するために国際単位系(SI)が定めてあり、長さでは1m、質量は1kg、時間は1s (秒)を単位量として、計測した量が単位量の何倍にあたるかを表記します。「ナノ」メートルは小さな方、1mmの千分の一のそのまた千分の一、つまり1mの1 0億分の1を表します。これを1nm (ナノメートル)と記し、または10-9mと表記します。この長さはだいたい水素や酸素などの分子の大きさに相当します。今回の講座では、銅のナノサイズの粒子を合成し、これを溶液として銅ナノインクをつくりました。これを塗布した部分は、一見透明なガラスやプラスチックであっても電気を流すので、幅広い応用が考えられます。複雑で微細な回路もこのインクを用いたプリンターで印刷でき、この技術による一例として、半導体に応用すれば巻いて持ち運べる薄い樹脂製のディスプレイなども実現、何れ大量生産され普及してゆくでしょう。
生徒たちのレポート
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