お知らせ

令和7年度 仙台育英学園高等学校 全日制課程 卒業証書授与式

『至誠・質実剛健・自治進取』を胸に
新たな一歩へ

  • ▲午前・午後の様子《グローリーホール》

 第78回全日制課程卒業証書授与式が3月1日(日)、多賀城校舎グローリーホールを会場に行われました。卒業証書を手にしたのは1,136名(仙台育英学園高等学校 秀光コースを含む)の卒業生です。育英塾創立から数えて118期生となります。今年は生徒および参加される方の安全を第一に、多賀城校舎グローリーホールに代表者が集まり、卒業生が集まる多賀城校舎各教室にその様子を中継する形での卒業式となりました。午前の部は英進進学・フレックス・技能開発コース、午後の部は特別進学・外国語・情報科学コースの卒業生が卒業式に臨みました。
 式典は、クラスの各代表者への卒業証書授与と、卒業証書授与および留学生への名誉卒業証書授与のあとには、優等賞、精励賞、生徒会功労賞、特別功労賞などの表彰が行われ、加藤雄彦理事長・校長先生の式辞へと続きました。卒業証書は式典中継が終わった後の教室で家族に見守られながら、卒業生一人ひとりに担任の先生から手渡されました。

校長先生からの式辞【要約】

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆さまにも心よりお祝い申し上げます。
 本来であれば全員が一堂に会して挙行したい式でしたが、卑劣な犯行予告により実施方法の変更を余儀なくされました。教育の場に恐怖を持ち込む行為は断じて許されません。しかし、だからこそ本日あらためて、本校の建学精神である「至誠」「質実剛健」「自治進取」を胸に刻みたいと思います。

 「至誠」は、どんな状況でも真心を尽くし、誠実であること。恐怖に流されず、事実を見つめて正しく判断する力です。「質実剛健」は、飾らず、困難にも揺るがない強さ。そして「自治進取」は、自ら考え行動し、未来を自分の手で切り拓く姿勢です。

 私たちは、形を変えてでも卒業式を行う決断をしました。それは皆さんの未来を守るためであり、教育は脅しによって止められないという意思でもあります。恐怖を憎しみに変えず、怒りをより良い社会を築く力へと変えてください。コロナ禍を経験し、世界の不安定さを知り、今日も緊張の中で門出を迎えた皆さんを、私は誇りに思います。誠実さと強さ、そして挑戦する心を携え、社会の分断をつなぐ存在となってください。皆さんの前途に幸多からんことを祈念します。

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  • ▲午前の様子《教室》

在校生からの送辞(午前の部)【要約】


在校生代表 佐藤さん(英進進学コース2年 人来田中出身)

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。生徒会や部活動など、この2年間で私たちを最も身近で導いてくださったのは先輩方でした。迷う時には確かな指針を示し、立ち止まりそうな時には背中を押してくれた先輩方の姿は、私にとっても生徒会長としての大きな道しるべでした。
 行事に最後まで妥協せず取り組み、仲間と高め合いながら人を笑顔に導く先輩方の責任感と情熱は、今の私たちの礎です。先輩方が新たな道で壁にぶつかった時には、仙台育英学園で仲間と切磋琢磨し限界に挑んだ日々を思い出してください。その時間は必ず自信となり、前へ進む力になります。
 3月2日から校舎に先輩方の姿がないと思うと心細いですが、先輩方の挑戦する姿勢は私たちの心に刻まれています。私たちは学園の良き伝統を受け継ぎ、さらに価値あるものへと発展させていくことを約束します。先輩方の未来が光と希望に満ち、ますますご活躍されることを願い、送辞といたします。

卒業生からの答辞(午前の部)【全文】


卒業生代表 田口さん(フレックスコース3年 秋田美郷中出身)

 春光の中、今日のよき日、私たちは伝統ある仙台育英学園高等学校を卒業する日を迎えました。本日はご多用の中、私たちの卒業を祝うためにご臨席くださいましたご来賓の皆様、先生方、職員の皆様に深く感謝申し上げます。また、どんな時も支え続けてくれた家族に心より感謝しています。そして、温かくご指導いただき私たちを導いてくださった加藤雄彦理事長・校長先生をはじめ、全ての先生方に心より感謝申し上げます。先生方の励ましとご指導があったからこそ、私たちは今日、この日を迎えることができました。

 3年前の春、私たちは不安と緊張の中、この学びやの門をくぐりました。校庭に咲く桜とは対照的に、私たちの顔はマスクで覆われ、互いの表情も分からぬままの入学式となりました。制限の中で始まった私たちの高校生活は、決して平坦ではありませんでした。会話も笑顔も交わしづらい中で、それでも私たちは励まし合い、支え合いながら、歩み続けてまいりました。勉強に励んだ日々、部活動に打ち込んだ時間、学校行事で一つになった瞬間、その全てが私たちを大きく成長させてくれました。私は3年間、硬式野球部で活動していました。硬式野球部では2年生の時、春夏と甲子園に出場することができず、悔しい思いをいたしました。ですが、高校生活最後の夏、たくさんの方々に支えられ、甲子園に出場することができました。ベスト16という結果でありましたが、これまで頑張って努力し続けてきたからこその結果だと誇りに思っております。仙台育英学園の建学の精神である自治・友愛・勤労。私はそれぞれの個性を尊重し合い、自分らしく生きることの大切さを学びました。困難があったからこそ、私たちは思いやりの心と、当たり前の日常の尊さを学ぶことができました。

 そして、本日卒業の日を迎え、あの頃は見えなかった友の笑顔が、今ははっきりと見えます。マスクの下で隠れていた希望は、やがて確かな光へと変わり、今ここには未来への希望に満ちた表情が溢れています。私たちは、ここで得た学びと絆を胸に、新たな道へと歩み出します。これから先、困難に直面することがあっても、この3年間で培った誇りと自信を持って、前向きに進んでまいります。
 最後になりましたが、仙台育英学園のさらなる発展と、ご臨席の皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げ、答辞といたします。
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  • ▲午後の様子《教室》

在校生からの送辞(午後の部)【要約】


在校生代表 佐藤さん(特別進学コース2年 郡山中出身)

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。先輩方は、学園生活のさまざまな場面で悩みながらも前を向き、私たち後輩を温かく導いてくださいました。入学当初、不安を抱えていた私にかけてくださった優しい言葉は、今も大きな支えです。

 育英祭では、先輩方がそれぞれの活動に全力で取り組む姿に心を動かされ、努力することの大切さと、最後までやり抜く素晴らしさを学びました。生徒会活動でも、迷ったときに声をかけて助言してくださり、頑張りを認め、中心となって私たちを引っ張ってくださいました。先輩方は私にとって尊敬すべき存在であり、目標でした。

 本日、先輩方はそれぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出されます。これから困難に直面することがあっても、仙台育英学園で培った建学の精神と仲間との絆が、必ず力になると信じています。今度は私たちが、先輩方が築いてこられた素晴らしい伝統を受け継ぎ、未来へつないでいくことを約束します。先輩方のご健康と、ますますのご活躍をお祈りし、送辞といたします。

卒業生からの答辞(午後の部)【全文】


卒業生代表 木村さん(特別進学コース3年 秀光中出身)

 春の穏やかな日差しが感じられるこの良き日に、多くの方々のご臨席を賜り、素晴らしい卒業式を挙行していただきましたこと、卒業生一同、心よりお礼申し上げます。皆様からいただいたお祝いや激励の言葉を胸に、本日私たち118期生、1,136名は、仙台育英学園を旅立ちます。

 真新しい制服に身を包み、期待と不安の中に迎えた入学式。あの日から私たちは、譲り合い、磨き合い、高め合い、戒め合い、許し合いながら絆を深め、心身ともに大きく成長してまいりました。この学園で、かけがえのない仲間たちとたくさんの学びを得たこと、大変誇りに思います。そして、多くの方々に支えられながら、今日という日を迎えるにあたり、これまで命の大切さを教えてくださった校長先生はじめ、諸先生方に心より感謝いたします。

 2005年5月22日、学園の先輩方が飲酒運転による信号無視の被害に遭いました。私たちは飲酒運転根絶運動を通して、決して被害者にも加害者にもならない社会づくりを強く願ってきました。宮城県では、毎月22日、飲酒運転根絶のための啓発活動や取り締まりが行われています。私たちが、これからこの土地を離れることがあっても、命の大切さを伝え続けてまいります。

 2011年3月11日、ここにいる多くの方が経験した東日本大震災。今、こうして日常生活を送れているのは、恐怖と悲しみの中にありながらも、前に進み続けてくださった方々がいたからです。当時、私たちは2、3歳でしたが、現在に至るまで、日本各地および世界中から支援を受けて、復興する様子をずっと目にしてきました。何もできなかった私たちですが、これからは誰かを支え、守り、前進していかなければなりません。

 2020年より続いた新型コロナウイルス感染症の流行によって、自らの行動が他者や社会へどのような影響を与えるのかを意識するようになりました。様々な制限の中、他者を思いやることで、行動や生活様式が変わるということを実感しました。また、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻では、当たり前の暮らしが分断され、今も両国で犠牲者が出ています。この2つの国だけではなく、世界中で争いが起きています。私たちは、知識や学力を身につけながら、民族や宗教、文化の違いによる偏見をなくし、多角的な視点から、物事をより深く捉えていかなければなりません。

 多様な文化や価値観を受け入れてくださる学園で、物事を深く考える大切さや、命の大切さを伝え続けていただき、本当にありがとうございました。そして、先生方には深い愛を持ってご指導いただきました。個性的な先生方ばかりで、とても楽しく授業を受けることができました。また、職員の皆様のきめ細やかなサポートがあり、いつも綺麗な学園で安心して学校生活を送ることができました。

 私は秀光中学校からの6年間、この学園で過ごすことができて、本当に良かったと感じています。ここが自分の学校だと胸を張って言えるのは、大好きな先生方や職員の皆様がいてくださったからです。私たちの成長を温かく守り続けてくださったことに、心から感謝いたします。

 後輩の皆さん、育英祭や生徒会活動では、一緒に活動させていただき、ありがとうございました。仙台育英学園の良き伝統を受け継ぎながら、悔いのない充実した高校生活を送ってほしいと思います。仲間と共に切磋琢磨しながら、一度きりの高校生活を全力で楽しんでください。有意義な時間となるように、たくさんのことに挑戦してみてください。この学園を離れても応援しています。

 そして、どんな時も私たちを支え、愛を注ぎ続けてくれた家族へ感謝の気持ちを伝えたいと思います。いつも愛情いっぱいに育ててくれてありがとう。いつも叱ってくれて一番の理解者でいてくれてありがとう。いつも応援してくれてありがとう。18歳を迎えて成人となっても未熟な私たちですが、これまでに受け取ったたくさんの愛情と教えを盾に、立派な大人へと成長してまいりますので、どうか見守っていてください。

 私たちは多くの支えに感謝し、至誠、質実剛健、自治進取の建学の精神を胸に、挑戦することを恐れず、前へ進み続けます。誰もが限られた命だからこそ、大切な人を思い、感謝の気持ちを伝え、その命を磨き続けてまいります。最後になりましたが、皆様のご多幸と仙台育英学園高等学校のさらなる発展をお祈りし、答辞といたします。