お知らせ

IB資格を取得した IBクラス第2期生からのメッセージ

 東北で初の国際バカロレア【IBDP】の認定校となり世界のIBワールドスクール(IB認定校)に仲間入りして3年目。2018年1月現在、外国語コースIBクラス第2期生の2年間のプログラムが終了したところですが、2人の生徒から“IB資格取得!”の知らせが入りました。2人からのメッセージを紹介しましょう。

 
菊地 未祐さん
塩竈市立第一中出身  
 

法政大学キャリアデザイン学部に指定校推薦で合格

 

何もかもが新鮮な授業!
私自身の意識改革にも
役立ちました

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軽い気持ちの挑戦が
快挙につながりました

 入学して学校に慣れてきたころ、日々の生活に単調さを感じるようになりました。そんなとき、IBの授業を体験して興味を持ち、軽い気持ちでプログラムに挑戦することにしました。それまでの受け身だった授業と違い、一つのテーマでディスカッションやプレゼンテーションをするなど、自分で自主的に考える2年間の授業はどれも新鮮でした。
 苦労したのは、8,000字の課題論文(EE:Extend Essay)です。キリスト教とメディアの関連性に注目してまとめましたが、このテーマに行き着くまでにも随分迷い、専門の先生のアドバイスで助けていただきました。実は、この論文だけならそれほど悩まなかったかもしれません。他の教科の4,000字レポートなどを溜め込んでいたうえに、大学の推薦を受けるための自己推薦書を書く時期とも重なり、夏休み中は一人で黙々と机に向かいました。思うように進まず眠れない日もありましたが、試験に合格できた今は、つらい日々もいい思い出です。

 

自主的にボランティアに
取り組みました

 特に楽しかったのはCASの授業です。ハーフマラソンやゴスペルフェスティバルのボランティア活動を通し、皆さんと交流を楽しみました。この授業がきっかけとなり、毎月1回老人ホームに通い、お年寄りと一緒に遊ぶ活動を始めました。最後はクラスの友達にも手伝ってもらい、授業で習った楽器を使って音楽会を開き、喜んでいただきました。
 私は好きな英語の習得をゴールに考えていましたが、この2年間で意識が大きく変わりました。英語というツールを使い、生涯バリバリ働き続けられる何かを見つけたいと考えるようになったのです。大学4年間の勉強を通して、働き方や生き方を考えていきたいと思っています。

 
 
成 定原(ソン ジョンウォン)くん
韓国からの留学生
 

つねに自分から知識を求めて
能動的に学んでいく姿勢を
身につけていきます

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つねに自身をコントロールしながら
自分自身を高めていきたい

 韓国に生まれ、母国韓国の高校に進んだのですが、勉強の進め方に疑問を感じてきました。韓国は徹底した“詰め込み教育”の国。毎日夜の11時半まで勉強させられる日々でした。与えられたスケジュールにしたがって勉強していけば、それなりの大学に進学できるのでしょうが、僕自身は納得できませんでした。「自分の考えや希望にそって自分をコントロールしながら自分の能力を高めていきたい」と思ったのです。そこで日本の高校への留学を決意。半年間、日本語の勉強をして、留学生として仙台育英へとやってきました。

 

特別進学コース1年生の時に
IBDPのトライアル授業を体験して

 留学生としての入学後は特別進学コースで勉強することになっていました。しかし、留学生は入学後の数カ月間は留学生クラスで日本語を中心とした授業を受けることになっているとのこと。ですが、僕は特進の生徒に一日でも遅れたくないと思い、ゴールデンウイーク明けの5月から特進のクラスに所属させてもらいました。
 特進での毎日は、ほぼ期待を抱いていたとおりでした。先生が教壇から生徒に教えているのであっても、クラスメイトたちは自主性を持って、自身の考え、プランにもとづいて勉強を進めている。仙台育英に来て良かったと思いました。
 ですが、その年の12月、思いがけない新しい体験をしました。IBDP(国際バカロレア ディプロマ プログラム)のトライアル授業体験です。ここで僕自身が抱いていた「学ぶことの理想のかたち」に出会ったのです。

 

学ぶことに受け身になってはいけない
つねに知識を求めて能動的に

 IBのプログラムの基本的な姿勢は、生徒が受け身になってはいけない、つねに自分から知識を求めて能動的に学ばなければならない、何を学ぶかについても自分で選択していかなければならない、というものです。
 具体的な例をあげてお話ししてみましょう。
 たとえば、文学の授業。通常なら授業の中で“みんなで本を読む”というものかもしれません。ですが、IBの授業では、生徒たちは授業前に課題の本を読み終えてきます。それで授業の場では、先生あるいは生徒が話し合うテーマを決めてディスカッションをしながら進めていくのです。それで、生徒それぞれが議論を通して思考を深めていき、結果、最終的な発表(プレゼンテーション)、論文(エッセイ)の作成に取り組みます。自分が興味を持った分野を自分で選択して、テーマをどんどん掘り下げていくのです。
 そしてこの学び方の基本にあるのは critical thinking (クリティカル シンキング=批判的思考 *注1)。そして、プログラムの中には、Theory Of Knowledge(知の理論)というものもあり、これは大学でいえば「哲学」の授業に相当するもの。「認知論」のベーシックなバージョンです。

 

さまざまな課題をこなしていくうちに
時間を無駄なく使う能力も身につきました

 IBDPの具体的な授業の進め方について述べてみましたが、こんな話を聞いて、もしかすると「とても高度であり難解で、普通のひとにはちょっと大変すぎるのでは?」という印象を持つかもしれません。
 たしかに「たいへん」なところはあるかもしれません。ですが、高度すぎるわけでも、難解すぎるわけでもありません。要は、先にも述べましたが、能動的に学ぶ意思があるかどうかということ。自分からテーマを求め、発見して、それをとことん掘り下げていく。これに喜びを感じる人なら、これほど興味深く、刺激的で、楽しい学び方はありません。
 でも、この学び方をしっかりこなしていくには、もちろんそれなりの時間が必要です。論文の締め切りに追われて夜の遅くまで寮の机に向かったこともあります。ですが、その結果、Time Management(時間を無駄なく有効に使う能力)も自然に身につきました。事実、僕自身、特進クラスの時から始めたラクロス部を2年間、そして軽音楽部も3年生の春まで続けました。ラクロス部では選手として活動したし、軽音楽部では育英祭のステージでギターとドラムを担当しました。休日にバンドのメンバーと仙台市内のスタジオを借りて練習を重ねたりもしました。特進コース1年間とIBクラスの2年間は、共にとても充実したものでした。

 

アジアからさらに遠い国へと行ったら
自分はどう変わっていくのだろう

 IBで資格を取得できた今、さしあたっての課題は大学進学。1月下旬の現在、すでに国立大学から“条件付き合格”の通知を得ています。スイス本部での正式な点数が決定し、それを提出してOKとなれば、正式合格です。2月以降、東京の私立大学にも挑戦してみようかと思っています。
 大学で学びたいのは経済学です。経済学を学んだら、たとえば欧米の大学に留学、あるいは日本の大学を卒業後、欧米の大学院に進んでMBA(Master of Business Administration,経営学修士)を取得してみたいとも考えています。韓国に生まれて、この3年間、日本を経験しただけで私自身の視野はとても広がりました。アジアからさらに遠い国へと行ったら自分はどう変わるのか、とても楽しみです。IBクラスでの2年間は、私の将来への可能性をとても大きく広げたと思います。

 

仙台育英のIBDPは英語と日本語の
デュアルランゲージプログラムです

 最後に、これからIBDPを受講しようかどうかと考えている後輩たちにひとつ、お話ししておきたいことがあります。それは、「英語力をアップさせることを目的でIBクラスをめざす」という人もいるようですが、それはちょっと違うということです。
 「IBDPの授業はすべて英語で」と思っている人がいるかもしれません。ですが、仙台育英のIBDPは違います。日本語と英語で行う“デュアルランゲージ”のプログラムで授業をしています。私自身、DPの6科目のうちの4科目を日本語で学びました。IBDPの中心になるのはこれまで私自身の体験を通して述べてきたとおり、大切なのはあくまで“考える力を伸ばす”こと。それに英語力がつけば世界とコミュニケーションする能力はさらに高まるということです。そこをしっかり捉えてIBDPに取り組めば、あなたの未来への可能性は大きくひろがることと思います。ぜひとも挑戦してみてください。

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*注1:
クリティカル・シンキング(英: critical thinking[1])。批判的思考(ひはんてきしこう)。あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法。ただし、「批判」の定義については論者によって異なり、多くは単に否定的になるのではなく、自身の論理構成や内容について内省することを意味する。(Wikipediaより)