お知らせ

IB資格を取得した IBクラス第3期生からのメッセージ

 

 本校は、2015年2月に国際バカロレア ディプロマ プログラム(IBDP)の認定校となりました。IBDPは、IB機構(本部はスイス・ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムで修了し、国際バカロレア資格を取得すると、世界中の大学への入学資格が得られます。2019年度から、希望生徒は自分の所属コースの校舎(宮城野校舎または多賀城校舎)でDPを受講することができます。
 今年も外国語コースIBクラス2年間のプログラムを終えた5人の第3期生が世界共通の難関試験を突破し、ディプロマを取得しました。5人からのメッセージを紹介しましょう。


 
八島 菜々子さん
多賀城中出身  
 

新潟医療福祉大学医療技術学部にAO入試で合格

 

部活との両立を
持ち前の“体力と根性”で
乗り切りました

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面白そう!IBの情報が
私の好奇心に火をつけました

 中学校3年生の時、高校進学を考えるにあたって「英語力を身につけたい」と思い、仙台育英外国語コースへの進学を視野に入れました。そのとき、友達からこんな言葉を聞きました、「外国語コースにはIBクラスというのがある。国際的な資格取得のためのプログラムで、東北では仙台育英が初...」。友達はネットなどで情報を得たらしいのですが、この情報が私の好奇心に火をつけました。「おもしろそう、挑戦してみよう!」と。

 

IBクラスの授業が終わってすぐに
宮城野校舎に駆けつけて

 外国語コース2年生になってDP(Diploma Programme=国際バカロレア資格取得のためのプログラム)がスタートしたのですが、正直なところ、最初は戸惑いだらけでした。「英語力を磨ければ」というのが私の漠然とした思いだったのですが、授業の内容は想像していたのとは少し違っていました。
 世の中のさまざまな事柄に目を向け、問題意識を持ち、自分なりの意見を持って、みんながいる場で積極的に発言していく…。DPの授業でまず大切なのは「学ぶことの姿勢」なのだということを知りました。「人前で話すのがあんまり得意じゃないのよね」という私には不安なところもありました。
 それと、DPクラスは毎日7時間の授業。授業に応じてのレポート提出などもたくさんあります。私は中学時代から続けていたバスケットボール部に入部し、DPが始まってからも続けることにしました。先生からは「DPと部活の両立は難しい」とも言われたのですが、たしかに部活は土曜、日曜日もあり、毎日、DPの授業が終わって、外国語コースのある多賀城校舎から練習場のある宮城野校舎に駆けつけるのはちょっと大変なところがありました。

   

自分の考えを持ち、
それを人と共有する

 そんな状況、そんな思いからスタートしたDPクラスでの授業ですが、日が経つうちに少しずつ変化の気配が見えてきました。
 ます、「学ぶ姿勢」についてです。大の苦手と思っていた「人前で自分の意見を言う」ということについては、毎日の授業の中で頻繁にあるディスカッションの時間を通して少しずつ慣れ、負担を感じないようになりました。これは、周囲の影響ということもあると思います。少人数で気心の知れたクラスメイトたちと議論を重ねていると、自分もつられてというか、積極的に発言する姿勢ができてきます。「自分の考えを持って人と共有する」ということがすっかり身についたと思います。
 部活との両立は、持ち前の体力と根性(笑)で乗り切りました。課題やレポート、論文作成で深夜1時、2時なんてことも度々ありました。

 

ボランティアで夜間中学で
教える体験を

 DPクラスの授業は、一般のクラスでは体験できないようなことがたくさんありました。たとえば、ボランティア活動を行うCAS(創造性・活動・奉仕)。私は仙台市内にある夜間中学で、生徒のみなさんに中学校の内容の勉強を教えるという体験をしました。最初はこれも緊張しました。夜間中学の生徒の多くは私より年上の方々。初めは敬遠されたりするのかなと不安だったのですが、幸いにもそんなことはありませんでした。生徒さんたちに教える体験をしながら、私自身も中学校の勉強を学び直すというとても貴重な体験でした。

 

8000字の課題論文は
日本語でまとめました

 2年間のプログラムをなんとかクリアして、IB資格を取得することができました。試験をクリアできたいちばんの要因は、日本語と英語の両方を使って学べるデュアルランゲージプログラムのおかげだと思います。英語は好きで得意な方でもありましたが、授業からレポート、論文のすべてが「英語で」というのでは、ついていけなかったかもしれません。試験突破の大きな関門であるEE(Extended Essay=課題論文)も日本語でまとめました。
 もちろん、外国語コース所属の初めから希望していた「英語力アップ」についても成果がありました。English B とMusic についてはネイティブの先生による、すべて英語で進められる授業でした。外国語コースにはたくさんの留学生がいるというのも“英語力アップ実践”にはとても役立ったような気がします。このような環境で、自然と力が身についたと思います。
 こうしてクリアしたIBDPクラスでの2年間。部活との両立も含めて、辛さも多かった分、今は充実感でいっぱいです。大学進学については、IBの結果が出るより前に新潟医療福祉大学医療技術学部へのAO入試合格の通知を得ていました。これは中学生の時から決めていたこと。盲腸で入院した時に病院で働く人たちを見ていて、「私も将来は病院で仕事を」と決めていたのです。IBで学んだことは、将来の仕事の中、いろんな場面できっと役立ってくる。そう思っています。  

 
 
アンギ スハルギンさん
インドネシアからの留学生
 

モナシュ大学(Monash University)Diploma & Bachelor of Businessに IB入試で合格・進学

 

IBクラスの2年間は
私にとってチャレンジ
そのものでした

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母国を離れてチャレンジ
してみたい

 一昨年、インドネシアから仙台育英に来て、留学生クラスで学び始めました。学び始めてしばらくして、3年生の先輩からIBのことを聞きました。私が日本への留学を決意したのは、「一定期間、母国を離れて海外に出ていろんなことにチャレンジしてみたい」という思いが生まれたからです。そういう意味で、“チャレンジそのもの”のようなIBDPは私の留学目的にぴったりと感じて、IBクラスに入ることにしました。

 

半年、1年すれば言葉の
ハンディは乗り越えられます

 IBクラスでの日々は、最初から順調というわけではありませんでした。なにしろ、授業では“ディスカッション”が頻繁に行われます。クラスのみんなが自分の意見を発言しながら授業が進められていくのですが、私はインドネシアから仙台育英にやって来た時点ではほとんど日本語ができませんでしたので、最初は周囲がどんなことを話しているかさえ理解できない状態でした。
 はじめは戸惑いばかりでした。ですが、諦めようとは思いませんでした。なにしろ、“チャレンジ”が私のテーマだったのですから。理解しきれないままにも必死でみんなの言葉を理解しようと努めました。
 半年くらいすると、話すことがようやく理解できるようになりました。そして、1年が過ぎた頃には、私自身も日本語で発言できるようになりました。チャレンジ精神を失わずに頑張り続ければ物事は良い方向に向いてくる。このことを実感した最初の1年でした。

 

タイムマネジメントの能力を
身につけられたことは大きな収穫

 2年目は順調に進み始めました。クラスメイトたちとも、少人数のクラスなだけに親密に付き合えて、日本語にも随分慣れてきました。ただ、毎日の授業では変化が出てきました。1年目よりもプログラムの密度が濃くなったきたのです。
 IB資格取得に向けて、EEやTOKの準備が必要になります。EE(Extended Essay=課題論文)は、私は英語で仕上げたのですが、これは4,000語。知識と批判的思考について学ぶTOK(Theory Of Knowledge)では論文を書き、さらにクラスメイトや先生を前にしてのプレゼンテーションもあります。授業を終えて寮に戻ってからも、それらの準備が深夜にまで及ぶことも度々でした。
 しかし、これらも“チャレンジ精神”で乗り越えました。そして、乗り越えた結果、とても貴重な能力を得たことを知りました。それは タイム・マネジメント(Time Management)の能力。つまり、限られた時間をいかにうまく管理し、効率的に物事を処理していくかという能力です。この能力は、“学び”のためだけでなく、将来、社会人になって仕事を進めていくうえでも役に立っていくと思います。

 

自分には何ができて何ができないのか
それを知ることが大切

 IB資格取得のための課題論文をはじめとした各成果物の提出、IBの最終試験の結果、合格の通知を受け取りました。
 2年近くのプログラムをクリアして得られたものはたくさんあります。タイム・マネジメント能力に加えて得られた大きな収穫は、自分の知らないことやできないことは何かを自分自身で発見して、その弱点を克服していこうと努力する姿勢を身につけられたこと。この姿勢もまた、これから大学や社会に出て大きく役立っていくことになると思います。
 みんなの意見にしっかり耳を傾け、そして自分なりの意見を探し出して、それをみんなの前で発言するという姿勢も身につけることができました。これは授業の中で頻繁に行われたディスカッションの成果だと思います。IBDPを受講したことで、たんなる知識だけではなく、精神的にも大きく成長できたと思います。
 大学は、オーストラリアのモナシュ大学※(Monash University)への進学が決まりました。IB試験の結果を提出しての合格です。大学ではビジネスとサイコロジー(心理学)を学ぶ予定。6月からスタートする大学での新しい生活が楽しみです。

 

※モナシュ大学は、『世界大学ランキング 2019』では世界第59位にランキングされている。オーストラリア・メルボルン近郊に本部を持つビクトリア州の州立大学。

 
 
内丸 理香子さん
みどり台中出身  
 

2年間を振り返り、
IBのクラスの仲間たちと
「やっていてよかった」と言い合っています

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発言中心の授業に魅力を感じて、
IBDPを選択

 高校入学を考えたとき、将来国際関係に関わりたいとは思いましたが、具体的には決めていませんでした。仙台育英 外国語コースはIBDPもしくは留学の選択肢があるのを魅力的に感じ、推薦で受験しました。
 国際関係への憧れが生まれたのは、小学校5年生の時に父の仕事の関係で1年半アメリカに行ったからです。現地の学校に通いましたが、英語も全然わからず最初は不安だらけ。ちょうど楽しくなってきた頃に帰国してしまったので、もう一度アメリカに行きたいと思うようになりました。
 入学後は長期留学とIB、どちらにしようかギリギリまで迷いましたが、アメリカの授業に似た懐かしさを感じたこと、しゃべることが好きなのでIBの授業が発言中心であることで、受けてみようと決めました。

 

先生は勉強だけではなく
精神的な支えにもなってくださいました

 実際にスタートすると宿題のレポートに慣れるまでが一苦労でした。IBはあくまで自分主体で、先生方もレポートの締め切りを厳しくは言いません。出さないときは自己責任になるのです。でもそれは先生方が生徒を放っておくということではありません。IBは本当に先生方のサポートがあってこそのものでした。不安な部分は手厚くサポートしていただき、分からないことを聞けば何でも答えてくださいました。私があれもこれもやらなきゃ、と行き詰まったときは先生が親身になって相談に乗ってくれました。勉強だけではなく精神的にも心強かったと感じています。

 

CASの活動では仲間との絆を
感じることができました

 CASは一番やってよかったと思える教科の一つです。まず世界のために何ができるか考え、1から企画します。できることを探すうち「資源を集めて届けてもらうことで、再生紙を作ったり発展途上国のワクチンの資金にします」という企業を見つけました。さっそく自分たちでペットボトルキャップとわりばしの回収用ボックスを作って、多賀城校舎の各教室に回収をお願いしました。
 他にも、IBで培った英語力を活かせればと、幼稚園に行って英語に触れました。また老人ホームも訪問していたので2名でイベントを計画し、さらに何名かを誘ってソーラン節を披露しました。みんな勉強も忙しいのに、夏期講習が終わったあと毎日練習に付き合ってくれました。仲間同士の結びつきが強いのもIBならではだと思います。授業では、視点が違えば考えも違う自分の意見をハッキリとぶつけるので、時には本気の言い合いに…。それでも授業が終われば普通におしゃべりが始まります。

 

「誰かが喜んで、笑顔になってもらう」
そのために行動したいと思えるようになりました

 私はマレーシアの大学への入学を希望しています。マレーシアの大学は、海外の大学と提携を取っていることが多く、イギリスやアメリカの講義も受けることができるのです。大学を目指すにあたって一度マレーシアを訪れました。英語、中国語、韓国語、日本語…現地でいろいろな国の言語が聞こえてきたのが印象に残っています。世界各国の文化についてもIBの授業で学びました。現地での新しい人との出会いを今からとても楽しみにしています。
 IBDPは、実際にやってみなければ分からないことばかり。2年間を振り返って、IBのクラスの子たちと「やっていてよかったね」、「こんな体験普通できないよね」と言い合えるので、少しでも興味がある人は、ぜひ挑戦してみて欲しいです。IBを学んで、一つの物事に対して多角的な視点で気づけるようになりました。そして何より人に喜んでもらう、笑顔になってもらいたい、という考えから率先して行動できるようになったと思っています。

 
 
髙橋 蓮くん
不動堂中出身
 

中央大学 国際経営学部 国際経営学科および国際情報学部 国際情報学科に一般入試で合格

 

CASで支援活動をした
発展途上国の貧困問題に
今後も取り組みます

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型にはまらない授業は
驚きの連続でした

 入学したのは英進進学コースで、2年からIBクラスがある外国語コースに転コースしました。IBの特殊なプログラムを知り、好きな英語の成績をもっと伸ばしたい、他ではできない体験をしたいと考えたからです。最初はTOK、プレゼンテーション、ディスカッションなど特殊な用語がポンポン出るのに戸惑いました。先生から一方的に教わる授業に慣れているせいで、「自分で学習テーマを決める」「自分で調べる」「全員の前で発表する」形式は難易度が高く感じられました。
 私が選んだプレゼンテーションのテーマは『プラシーボ効果』。これは偽薬を意味する医療用語で、本来化学的に表れるはずの薬剤の効き方が医師と患者の信頼関係によって変化する現象を指します。知識が生まれた背景を調べ、わかりやすく他人に伝えながら議論を提起するのもTOKの目的のひとつなので、プラシーボの具体例と問題点を挙げて発表しました。
 プレゼンを通して、情報を的確にまとめる力や堂々と発言する積極性が養われます。また、各教科の論文を提出するたび先生方に添削していただき、文章の構成や相手を納得させる意見の述べ方がわかってきました。IBDPの授業は国際社会で必要な自主性とコミュニケーション能力を伸ばすものです。

 

ミャンマーの子供たちに
教育費と飲み水を

 高1のとき、地元で所属している和太鼓チームのメンバーとウガンダへ行き、現地の子供たちとコンサートをおこないました。ウガンダの都市部はビルが建ち人々が豊かに暮らしているのに比べ、郊外では電気も水道もなく清潔な飲み水さえ手に入らないありさまで、生活レベルの格差に愕然としました。CASのプロジェクトで真っ先に頭に浮かんだのは、発展途上国で貧困にあえぎ、教育も受けられない子供たちの存在です。そこでアジアで最も地域格差が大きいミャンマーの子供たちへ、学校の教材費や飲み水の提供を目的とした募金を計画しました。まずユニセフと現地支援のNGOに連絡、街頭募金・設置募金の許可を取るため自治体や土地の管理者に申請書を提出し、募金箱を製作……。事前手続きが複雑で街頭に立つまで4ヶ月もかかりましたが、たくさんの方々に協力していただいたおかげで11万円をミャンマーへ送金できました。募金がどんなことに使われたか、現地からの報告を待っているところです。CASは自分の視点で国際協力を考える良い機会になりました。

 

IBの資格を得れば
海外への進学も選べます

 IBの最終試験に合格して海外への進学も選択肢に入り、未来のビジョンが世界規模に広がりました。国内でもIB入試を導入する大学が増えているので、後輩の皆さんもぜひ挑戦してほしいと思っています。たとえIB受験をしなくても、一般教養としてプレゼンテーション能力や論文の書き方を身につけることは決して無駄になりません。自主的にテーマを探し、仲間と議論しながら解決策を探り、実行する。その積み重ねがスキルアップにつながるのです。
 大学では経済学を選択し、ビジネス面から発展途上国の復興を支援するノウハウを学ぶつもりです。たとえば、住民が現地の特産物を売って外貨を稼ぐとか、住民に技術を教えて産業を興し、普遍的な地元雇用を確保するなど経済的に自立する手助けをしたい。国際社会に貢献できるよう、これからも頑張ります。 

 
 
管 琳琳さん
中国からの留学生
 

University for the Creative Arts、University of SouthamptonにIB入試で合格

 

ビジュアルアーツの授業で
世界へ通じる
扉が開きました

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漫画家になりたくて
日本留学を決意

 出身は中国の江蘇省です。幼い頃から絵を描くのが得意で、大好きな日本の漫画を読みながら、いつか漫画家になりたいと思っていました。仙台育英の外国語コースは英語の他にスペイン語、韓国語など複数の言語を選択できて、茶道と華道の授業もあると聞き、漫画でしか知らない日本の伝統文化に触れるチャンスと期待していました。
 入学時の私の語学力は、日本語が基礎会話程度で英語はほとんど話せないレベル。第二外国語に韓国語を選んだため、日本語・英語・韓国語を同時進行で学んだわけです。授業の復習をするだけでも大変でしたが、中国人の先生や留学生がいて相談に乗ってくれるし、クラスメートも親切でコミュニケーションに困ることはありません。1年で日本語能力試験N2に合格したのが大きな自信となり、さらに上級の資格を目指して2年からIBクラスに入りました。
 

授業で作った作品が
大学受験の武器になります

 IBでこれまでの世界観が変わるほどショックを受けたのが、ビジュアルアーツという英語の授業です。ビジュアルアーツでは毎回テーマが与えられ、自分の個性や趣味に合わせて自由に作品を創造します。ずっと憧れてきたのは二次元アートの漫画なのに、授業を受けてから立体的なアートの迫力、特に女性が装うデザイン性豊かなファッションの世界に心を奪われてしまったのです。日本にはヨウジ・ヤマモトをはじめ一流ブランドがたくさんあって、街を歩く女性たちもカッコいい服を着ている……考えた末、芸術系大学でデザイナーになる勉強をしようと進路変更。2年間でデッサン画を描きため、ドレスを縫い、作品の画像と制作の趣旨、制作過程をポートフォリオ※にまとめて大学受験の出願書と一緒に提出しました。一人ひとりの個性を引き出し、伸ばしていくIBの授業を受けられたのは、人生の転機であり幸運でもあります。
 仙台育英の学園祭では、アート・エキシビションに私がデザイン、縫製したブルーのチャイナドレスを展示しました。ドレスは繊細な刺繍を施して袖をレースとパールで縁取り、全体にビーズを散りばめて華やかに仕上げた自信の一枚。見に来た友人たちが「なんてキレイなの!」「全部自分で縫ったなんてすごいね」と褒めてくれました。思い出の詰まったこのドレスは、私のコレクションの代表作です。

 

海を越えた交流で学んだ
相手を理解することの大切さ

 CAS(創造性・活動・奉仕)プロジェクトで、中国の病院に入院しているうつ病の患者さんたちと1年間メール交流をしました。相手が送ってくれる日記や日常の画像を見て、身の上話を聞いたり励ましたりする小さなボランティアです。里帰りしたときに病院で患者さんたちと面会すると、「親でさえ私の病気の苦しみをわかってくれなかった。でも、あなたのメールを読んだら心が軽くなった」と感謝され、「海の向こうからでも誰かの救いになれるんだ」と胸がいっぱいになりました。まず相手を受け入れてあげること、そうすれば相手も心を開いてくれる。この貴重な体験を私は一生忘れないでしょう。
 仙台育英では部活も経験しました。日本語が上達するだろうと軽い気持で演劇部に入部したら「武子」という日本人の女の子の役をいただいたのです! セリフを覚えた後、発声や表情、身体の動きまで先輩に細かく直され、中国と日本での感情を表現するパフォーマンスの違いを体感しました。本番ではドキドキしっぱなしで、自分がうまく出来たかどうか覚えていませんが…。

 

自分の殻を破れたのは
IBでの豊かな経験があったから

 語学が上達するまでは、予習復習に時間がかかります。特にテスト前は午前2~3時で終わらないことも。学校なら先生に質問して何でも教えていただけますが、寮では自分で調べて勉強するしかありません。効率を重視し、宿題が出たら後回しにせず、学校にいるうちに解く習慣をつけました。IBクラスに入って最も成長したのは、物事への取り組み方です。日本に来るまでは引っ込み思案で人と一緒にいるのがつらかったのに、今は率先して行動、議論の場でも積極的に意見を言えるようになりました。デュアルランゲージプログラムのおかげで日本語も英語も上達し、友達とおしゃべりするのが楽しいです。
 IB資格に合格した後は、日本だけでなく海外への進学も視野に入れてデザイナーの勉強に最適な大学を探しました。IB受験の結果、ロンドンにある複数の芸術大学からオファーが来ました。将来、ファッションに敏感な日本の女性たちに私のデザインした服を着てもらう日を夢見ています。

 

※ポートフォリオ
デザイナーが自分の作品をファイルして、制作のコンセプトとこれまでの実績、スキルをアピールするためのアルバム