お知らせ

ILC青森 令和元年度 第17回前期卒業式

通信制の高校だからこそ
今まで以上に多くの学びを得ることができました

 9月29日(日)、仙台育英学園高等学校 広域通信制課程ILC青森の令和元年度 第17回前期卒業式が、ILC青森校舎を会場に行われました。式では、加藤雄彦校長先生から21名の卒業生一人一人に卒業証書が手渡されました。高校卒業資格を得て卒業生たちはそれぞれの決意を胸に、新たな第一歩を踏み出します。

 

卒業生代表答辞【全文】

 昨晩の日本ラグビーの大金星。選手の逆転プレーに私たちも勇気をもらいました。

 私は以前、全日制の高校に通っていました。ソフトボールの特待で入学したのです。大好きなソフトボールをしながら友人達とも楽しく高校生活を過ごしていました。しかし高校2年生に上がった頃から体調不良が増え、入退院や学校を休む日々を繰り返していきました。その為単位取得も難しくなり、大好きなソフトボールを満足にできなくなったことから私は学校へ通う意味を無くし、自主退学を決めました。その頃の私は学校を辞めた事の深刻さを全く感じておらず、周囲の人の声に耳も貸さずただ働けばいいと思っていました。

 仕事をするようになってそれなりに充実感はあったのですが、高校の同級生がどんどん卒業へ向かって行く姿を見て、高校を辞めた事による後悔がでてきました。そして同級生だった人達が高校を卒業した姿を見て、私ももう一度学校へ通い直し、卒業したいと思うようになりました。どうすればいいのか悩んでいたとき、中学の時の友人が、在学していた仙台育英学園高等学校ILC青森の存在を教えてくれました。週に何回かのスクーリング、それ以外はレポートを書いて送る事も出来ると説明を受けました。これから仕事をしながらもう一度高校へ通うことができると思い、入学を決めました。

 入学して最初の頃は仕事との両立が大変でしたが、仙台育英学園高等学校で配信しているLネットスクーリングで授業を受けたり、仕事の間に学校へ行くことで順調に単位を取得していくことができました。

 そんな中で私は新しい目標を見つけることができました。それは実家のあとを継ぎたいという目標です。実家の会社は消防用設備の保守点検業務や工事をしています。以前の高校を辞める前まではあとを継ぐということは全く意識していませんでした。しかし、学校へ通いながら仕事をしていくなかで実家の仕事に関心が湧くようになっていきました。

 仕事を始めた頃は仕事に対してのとらえ方を軽く考えており、真剣に向き合わず、無責任に過ごす日々を送っていました。周りから注意や指摘を受けても関係ないとやり過ごしていました。他にも、点検をする為には資格の取得も必要なのですが、私は試験に落ちてもあまり深く考えず仕方ない、次があると思うだけでした。周りとの仕事に対する考え方の温度差もあり、特に社長である祖父とは毎日のように口論をしていました。あの頃の自分は働かせてもらっているにもかかわらず、自分本位に仕事をしていました。そんななか、ずっとこのままここだけで働いていていいのかと思い、もっと他の仕事を体験したいと思うようになりました。一度会社を辞め、色々なアルバイトを経験しました。これも通信制の高校だからこそできたことです。他の職場を経験することで今まで以上に多くの学びを得ることもできました。

 そして私はもう一度会社に戻り、今度はちゃんと真剣に後を継げたらと思うようになりました。何も経験してこなかった前に比べ、他のバイトで学んだことを今の仕事に活かせたり、積極的に仕事に取り組めるようになりました。祖父への態度や周りの接し方も改善し、以前より良い仕事の環境にすることができました。資格取得への勉強も再開し、冬の試験では合格できるよう日々勉強しています。1つの資格だけでなく、これからもっと多くの資格を取得できたらと思っています。

 今、私は高校を卒業しようとしています。高校を辞めた事によってたくさん後悔もしました。迷いや紆余曲折があり、多くの新しい出会いや学びを経験することができました。
 高校生活のなかでは分からない教科があると先生方には時間を延長して教えていただきました。また、テストの時に単位取得が難しくなると特別に課題を出していただけたりもしました。

 多くのアドバイスもいただき、充実した高校生活を過ごすことができました。

 以前の高校の友人達も自分のことのように私の卒業を喜んでくれました。最高の出会いや仲間達に支えられたと思っています。

 一年半という短い期間でしたがこの学校での出会いや多くの学びを私はずっと忘れません。学校を辞めて味わった挫折、支えてくれた人々の事を心に刻み、これからの人生を1歩ずつ歩んでいこうと思います。心配をかけた家族が安心して私に後を継がせてくれるよう、一生懸命がんばります。

 最後に学校の先生方、家族、支えてくれた友人たちに感謝します。
 本当にありがとうございました。


令和元年9月29日
卒業生代表 E.A