お知らせ

令和元年度 仙台育英学園高等学校 全日制課程 卒業証書授与式

今こそ“逆転の仙台育英”の精神で
新しいステージに向かって

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 第72回全日制課程 卒業証書授与式が、2月29日(土)に行われました。今回新型コロナウイルスの感染予防措置として形態を変更し、宮城野校舎・多賀城校舎の各学級単位での授与式となりました。教室で担任の先生から卒業生一人ひとりに卒業証書が手渡され、その後精励賞など各賞の表彰が行われました。式の後に担任の先生にサプライズで感謝の花束を贈呈したり、みんなへの一言を発表し合うなど、各クラス笑いあり涙ありの密度の濃い時間を過ごしたようです。3年間一緒に過ごした仲間との思い出を胸に、それぞれ新しいステージに羽ばたいて行きます。  

 卒業生による答辞は残念ながら当日は読み上げられませんでしたが、特別進学コース代表生徒による答辞全文をここにご紹介します。

答辞


 頬に触れる風は柔らかさを増し、麗らかな日差しに春の訪れが感じられる今日この頃となりました。本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止という大きな責務のため、後来通りの卒業式は出来なくなりましたが、私たちの大切な節目であり、高校生活最後の思い出となる卒業式 を、各教室において挙行していただき、誠にありがとうございます。ご多忙の中、我々のお祝いの言葉を賜りました皆様方、式にあたり準備をしていただいた先生方、在校生の皆さん、並びに保護者の皆様方に、卒業生を代表して心から御礼申し上げます。 

 今、こうして卒業という節目に立って三年間を振り返ると、数々の笑顔や涙が溢れ出た様々な思い出に満ちていることに気が付きます。着慣れない制服を身に纏い、期待と不安で胸を膨らませた入学式。新しい友人に出会い、自分の世界が広がる心のときめきを感じました。スプリングチャレンジや合唱コンクールなどの学校行事では、同じ目標に向けて協力することで、クラスの絆が深まるのを実感しました。特に育英祭では、三千名を超える全校生徒が多賀城校舎に集結し、一人ひとりが個性溢れる日頃の活動の成果を十分に発揮することに感激し、研修旅行では、悠久の歴史や文化に触れることが出来、貴重な体験を得たことに加えて、仲間とともに過ごす時間に満ち足りた喜びを覚えました。
 
 毎日夜遅くまで仲間たちと部活動に励んだことは、かけがえのない思い出となっております。新たな挑戦に、震える手に力を込めて部室の扉を開けたこと。個性豊かな先輩方に導かれ、 一気に活動にのめり込んで行きました。部室のにおいや毎日の挨拶、掛け声まで、今となっては一つひとつが輝いているように感じます。一般生徒も、部員・選手が日頃の練習の成果を惜しみなく発揮した場面では、皆の想いが一つになることによって、奇跡と呼んでも過言ではない感動的な結果を生み出すことを知り、心を込めた応援の大切さや素晴らしさを学びました。 
 三年間、楽しい瞬間も辛い瞬間も、すべての時間をともに過ごしてきた仲間たち。入学当初は自己紹介するだけで精一杯だったのに、いつのまにか誰にも言えないような悩み事も相談できるほど大きな信頼感を互いに抱くようになりました。勉強の面でも時には助け合い、時には良きライバルとして鼓舞しあえる存在は簡単に手に入るものではありません。一人ひとりの青春という真っ白な心のキャンバスに鮮やかな色をつけてくれたのは、紛れもなくこの場にいる仲間たちです。
 
 後輩の皆さん。皆さんに、私たちのアイライオンスピリッツはどれだけ伝わったでしょうか。 皆さんが真剣な表情で活動の悩みを相談してくれたときや、勇気を出してアイデアを提案してくれたとき、私たちは皆さんに対して、心からの頼もしさを持ちました。皆さんならきっと大丈夫です。本校の優れた伝統を一層より良いものにして受け継いでいってください。 

 そして、日々愛情をもって接してくださった、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方。一人ひとりに手を抜くことなく寄り添ってくださるその姿に、畏敬の念を強く抱きました。優しさだけでなく、ときには厳しい言葉もかけていただき、最後まで親身になって励ましてくださったことは感謝してもしきれません。 

 また、どんなときも私たちを身近で見守ってくれたお父さん、お母さん。将来のことを話し合う中で、何度もぶつかることがありましたが、それでもいつも最後は私たちの味方でいてくれました。私たちはまだまだ未熟ですが、これからもその背中を追い続け、いつか必ず親孝行できるようになりたいと考えています。

 さて、いよいよ大人へと踏み出すこれからの私たちには、今まで以上に険しい道が待っていることでしょう。現代の激動する社会情勢の中では、数年先の予測さえ困難です。突然大きな暗闇の中に迷い込み、自分がどこにいるのか、どこに進めば道があるのか分からなくなってしまうことがあるかもしれません。そんなときこそ私たちは笑顔を忘れず、少しでも前向きな気持ちでいたいと思います。暗闇の中にいるときこそ自分を光らせて周りを照らすことで、自分の居場所が分かり、進むべき道が見えてくるのではないでしょうか。それだけでなく、私たちが落ち込んでいたときに、とびきりの笑顔で何度も救ってくれた友人がいたように、私たちは暗闇の中にいる人を照らすことができる人間になりたいと思います。そのために本校で得た心と体の財産を糧に、力強く歩んでいきたいと考えています。 
 
 結びに、本校の更なる発展と、輝かしい青春をともに過ごした仲間たち、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方、並びにご助力賜りました皆様方のご活躍とご健勝を祈念して、答辞といたします。
 
令和二年二月二十九日
 卒業生代表 特別進学コース 楯