お知らせ

令和4年度 仙台育英学園高等学校 全日制課程 卒業証書授与式

未来を照らす光となれるよう、
堂々とそれぞれの道を歩んでいこう

 3月1日(水)、第75回全日制課程卒業証書授与式が多賀城校舎グローリーホールで行われました。この日、卒業証書を手にしたのは、計1125名の卒業生。午前の部は特別進学・外国語・英進進学・情報科学コース、午後の部はフレックス・技能開発コースの卒業生が、3年ぶりに従来どおり家族や来賓の方々に見守られながら、卒業式に臨むことができました。卒業証書授与および留学生への名誉卒業証書授与のあとには、優等賞、精励賞、生徒会功労賞、特別功労賞などの表彰が行われ、校長先生の式辞へと続きました。

校長先生からの式辞【一部抜粋】

 3年前、密を避ける等、たくさんの規制がありました。入学式はままならない状況で、それを心苦しく思いながら皆さんの様子を見ていました。けれども皆さんはそういう制約下にあったにもかかわらず、落ち着いてそしてそれぞれのペースで仙台育英での生活を送っていました。特にオンライン授業やハイブリット授業、部活動の制限などさまざまなお願いをしましたが、皆さんは誰一人としてそのことに異を唱えず、一緒になって学びを継続してくれました。その結果としてさまざまな形で111回生として誇りを持ちながら立派に3年間を過ごしてくれたと思います。皆さんに、心から敬意を表するとともに感謝申し上げたいと思います。
 本学園の校歌の歌詞には、逆転の仙台育英、建学の精神である至誠、質実剛健、自治進取、そして世界平和という学園創立者加藤利吉先生の究極的な理想が込められています。皆さんは3年間、新型コロナウィルスと共存しながら生活を送ってきたと思いますが、誰一人としてへこたれることなくここまできたのは、3年間まさにこれを実践してきたからではないかと思います。これからそれぞれの道に歩んでいく中で、117年の歴史と78,000人の卒業生を擁するこの学園の卒業生として、堂々とそれぞれの道を歩んでいかれますことを祈念します。

  • ▲午前の様子

在校生からの送辞(午前の部)【一部抜粋】


在校生代表 春成さん(特別進学コース2年 鶴谷中出身)

 先輩方はこの3年間で数多くの人と出会い、数多くのことを学び体験し一人ひとりがかけがえのないものを築いて来られたと思います。部活動では今年も多くの部が全国大会へ進出し、とりわけ全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会女子団体優勝、全国高校女子駅伝準優勝、第30回国際高校生選抜書展優勝、そして硬式野球部が第104回全国高等学校野球選手権大会で優勝し、優勝旗が白河の関を超えるなど目覚ましい偉業を成し遂げ、長年にわたる本校の歴史にとっても大変名誉ある一年となりました。卒業生の皆さん、宮城野校舎の入り口に掲げてある4つの言葉「Sincerity, Confidence, Responsibility, Determination」を胸に、これからも仙台育英学園の卒業生として新しい世界へ羽ばたいていってください。今日まで私たちにたくさんのことをご教授いただいたこととても感謝しています。ありがとうございました。
 

卒業生からの答辞(午前の部)【全文】


卒業生代表 安倍さん(特別進学コース3年 台原中出身)
 
 積もっていた雪も少しずつ解け始め、春を待つ桜の木には蕾が実る、暖かく心地の良い季節となりました。私達卒業生は今日、この仙台育英学園高等学校を旅立っていきます。本日はここに多数のご来賓の方々のご臨席を賜り、私たちの為にこのような素晴らしい卒業証書授与式を用意してくださった、校長先生をはじめ先生方に、卒業生一同、心より感謝申し上げます。
 
 大勢の方から祝福の言葉をいただき、未来への第一歩を踏み出す喜びを噛み締めると同時に、身の引き締まる思いです。
 
 思えばこの三年間、沢山のことがありました。特に私達の学年は、新型コロナウイルスの流行が一段と影響し、思うような高校生活を送ることができませんでした。楽しみにしていた学校行事には変更や中止を余儀なくされたものもありました。また、不慣れなオンライン授業や分散登校が続き、当たり前の高校生活が送れないことで、不安と苛立ちに押し潰されそうになりました。
 
 しかし、そんな事態だからこそ、私達は大きな財産を得ることができました。この困難な境遇を分かち合い、未曾有の事態の中で共に切磋琢磨してきた仲間は、きっと生涯を通じても簡単に手に入れられるものではありません。何気ない一日を彩るように、どんな時も、笑い合い励まし合った友との日々を、私達は一生忘れません。そのような貴重な出会いを得ることができた私達は、この上なく幸せ者だと思っています。
 
 校長先生をはじめ、先生方には大変お世話になりました。加藤雄彦校長先生には、「最良の教育環境で最高の教育活動ができるように」と日々、心をくだいていただきました。そのご配慮のもと、私達は入学以来、健康と安全を気遣っていただきながら、どのコースにおいても恵まれた学習環境で集中して学業に励むことができました。そして、仙台育英学園高等学校の生徒として、建学精神を体(たい)した生活信条七箇条が精神のよりどころとなり、私達自身の成長へとつなげることができたと考えています。
 
 諸先生方には、勉学や進路、そして学校生活に至るまで、本当に様々なことを相談してきました。その全てに対して先生方が親身になって応えてくださったおかげで、今日卒業する者は皆、高い志を掲げつつ夢へと突き進むことができます。先生方からの学びを胸に、私達は羽ばたいていきます。本当にありがとうございました。
 
 後輩の皆さん、高校での三年間はあっという間に過ぎていきます。その間、辛いことや苦しいことも数多くあるでしょう。でも、決して負けないで下さい。折角の高校生活です、一日一日を大切にして、青春を謳歌して欲しいと思います。そして願わくば、この伝統ある学園で「I-Lionスピリッツ」を遺憾無く発揮し、この学校を背負って欲しいと思います。
 
 そして、どんな時も私達を見守り、支えてくれた両親。この世で最も偉大で、私達の誇れる存在です。夢を追いかける私達の背中を押し、時に共に戦う矛となり、時に私達を守る盾となってくれました。確かに迷惑も沢山かけましたし、衝突することも度々ありました。それでも、ここまで育ててくれたこと、本当に感謝しています。巣立ちとは寂しいものですが、父の教えと母の愛を胸に、きっと立派になってみせます。
 
 さて、今日卒業を迎える私達に待っている未来は、高い壁や険しい道で満ち溢れているのかもしれません。従来の常識が次々と変容する現在の社会に出れば、立て続けに起こる理不尽や苦難に挫けそうになったり、時に生きていることすら苦しく感じることがあったりするのかもしれません。しかし私達には、この仙台育英学園高等学校で得ることができた仲間がいます。沢山の学びがあります。そして高校生活で培った強く逞しい心があります。数多の試練を乗り越え、今日という日を迎えた私達なら、きっとどんな壁も乗り越え、どんな道も切り拓き、自身が思い描く夢を手にすることができるはずです。そして、私達はいついかなる時も、「至誠」「質実剛健」「自治進取」の精神を胸に、未来を照らす光となれるよう、日々邁進して参ります。
 
 最後になりましたが、仙台育英学園高等学校のますますの発展と、校長先生はじめ諸先生方のご清祥とご健勝を祈念し、答辞といたします。
 
  • ▲午後の様子