お知らせ

第1回サイエンス・コ・ラボ

カーボンナノチューブを使って、
驚きの発電方法を試してみよう!

『酵素でバイオ発電』

日時 2017年 6月24日(土)
場所 宮城野校舎 化学実験室
参加生徒 特別進学コース1・2年生、秀光4・5年生(希望者)
講師 東北大学大学院工学研究科
西澤松彦 教授
特任助教 甲斐 洋行先生
TA(ティーチング・アシスタント)の方々

 
 仙台育英 特別進学コースと秀光の生徒が参加する理科の共同実験講座「サイエンス・コ・ラボ」が今年度もおこなわれました。毎年全7回、東北大学教授をはじめとする先生方や大学院生などティーチング・アシスタントの皆さんに、大学で研究中の最先端技術など毎回異なるテーマで指導していただきます。生徒たちは高校のレベルを超えた本格的な実験を体験することができます。
 
 第1回は「酵素でバイオ発電」がテーマ。はじめに酵素について「食べ物をエネルギーにしたり、空気から酸素を取り込むとき人間の体内でミトコンドリアが働いています」「そのミトコンドリアのような働きをしてくれる生体内の触媒が酵素です」と説明をしていただきました。生徒たちの実験の様子を紹介いたします。

実験の様子

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  • ▲今日の内容について、実験の前にわかりやすく説明をしていただきました
  • ▲「テスター」という計器を使うと、ナノ墨汁を塗ったところだけに電気が通ることが分かります
  • ▲「仙台育英」「夏休み」など…貴重なナノ墨汁を使って、生徒のアイディアで自由に描かせてもらいました
  • ▲カーボンナノチューブ入りの“ナノ墨汁”を使って、好きな文字や絵を書きました
  • ▲測定回路を使って、電気が通っているのかを確かめます。赤色のLEDが点灯すれば電気が通っている証拠です
  • ▲小さな和紙1つひとつにナノ墨汁を浸して乾燥させ、たくさんの酵素電極を作成します
  • ▲酵素発電に使ったのはなんとジュースと、どらやきにゼリー! 電極を当ててみると、確かに光るのを確認できます
  • ▲電極を丁寧に作れば、発電性能が上がって、当日班ごとに対抗した「発電コンテスト」で優勝できるかも…!

 最後に全9班で発電性能の数値を競った「発電コンテスト」の結果が発表されました。一番は9班の最大電力11.9μW! 他の班も大健闘となり、楽しみながらも“酵素の魅力”についてますます興味を抱かせてくれる内容でした。

第1回「酵素でバイオ発電」

 生物の体を構成する単位である細胞には、ミトコンドリアという「有機物からのエネルギー取り出し工場」が存在しています。そこでは、幾種類もの酵素が、細胞内に取り込まれた有機物をより小さな分子に分解する過程で、いろいろな物質に電子を受け渡しさせながら、ATP というエネルギー物質を合成しています。すなわちミトコンドリアは、いわば細胞内の発電所とも言えるでしょう。
 そこで、その酵素が電子を流す(ある物質から電子を取り出したり、別な物質にそれを渡したりする)ことができるならば、酵素で電流を作り出し発電することもできるにちがいないという考えが生まれます。
 今回の実験では、導電性を持つカーボンナノチューブを含んだ墨汁をろ紙にしみこませ、これを電極に使用しています。まずそれがしっかり電極として作動するかを確かめ、つぎにこれを酵素溶液に浸して、市販の飲料水ジュース、コーラ、カルピスやコーヒー、またどら焼きなども材料にして、発電ができるかを測定しています。そして、それが実際の人聞社会の中でどんなものに応用されて製品化されているのか、という内容まで話は広がっていきました。
 とても緻密に考えられている実験で、やっていて面白く、途中の成果も評価することができる工夫された実験計画(実験プロトコル)になっています。


 

生徒たちのレポート

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  • ▲レポート01
  • ▲レポート02
  • ▲レポート03
  • ▲レポート04
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【2017 サイエンス・コ・ラボ】