ヨーロッパの地から仙台を訪ね
吹奏楽を愛する仲間同士
同じステージの上で
11月7日(火)、仙台市泉区の仙台銀行ホール イズミティ21【仙台市泉文化創造センター】を会場に、ドイツ・ケルン市音楽学校の吹奏楽団と本校吹奏楽部によるジョイントコンサートが開催されました。
ケルン市音楽学校吹奏楽団の正式な名称は『ケルン市音楽学校ユース・シンフォニック・ウインドオーケストラ』。団員60名を超え、1964年の創立以来、ドイツ・ケルン市音楽学校を拠点に欧州を中心としたさまざまな都市でのフェスティバル出演等の実績を持つ楽団です。
本校吹奏楽部は総勢43名。平成24年から顧問として指導に当たられている佐藤潔先生によって鍛え上げられてきただけあって、両校互角の素晴らしい演奏が繰り広げられました。
午後6時30分からスタートしたステージは3部で構成され、1st ステージは本校吹奏楽部による「仙台育英ステージ」。2ndステージは「ケルンステージ」。そして休憩を挟んでの3rd ステージは両校合同での演奏(合同ステージ)が行われ、ステージ上の両校合わせて100名を超える演奏者の迫力のある金管楽器による響きが会場を揺るがすほどに鳴り渡りました。
客演指揮者として本校吹奏楽部の指揮を担当されたのは、仙台市出身で、現在、宮城県加美町に設立された国立音楽院宮城キャンパスの学院長でもある佐藤寿一先生。ドイツのオーケストラ指揮者はケルン市音楽学校で教育者として指導にもあたっているミカエル・ロジナス先生。コンサートの合間には、ロジナス先生によるご挨拶があり、「ヨーロッパからこの地、仙台を訪ねて演奏できて、とても嬉しい。これを機会に両校一緒に活動できる機会をまた持ちたい。次はケルンに仙台育英吹奏楽部をご招待する機会をぜひつくりたい」とのメッセージをいただきました。
各ステージで演奏された曲目は下のとおり。
なお、この日の午前中には宮城野校舎ゼルコバホールを会場に、宮城野校舎で学ぶ特別進学コースの生徒を対象にケルン市音楽学校ユース・シンフォニック・ウインドオーケストラのみによるミニコンサートが開催されました。
- ▲午後6時30分スタートの『イズミティ21』でのジョイントコンサートを前にして、同日午前中、宮城野校舎ゼルコバホールを会場にケルンからのオーケストラのみのコンサートが開催されました。
PROGRAM国際交流ジョイントコンサート
プログラム1st Stage 仙台育英ステージ
・風紋(原典版)
/作曲 保科 洋
・三つのジャポニスム
/作曲 真島 俊夫
・アルメニアン・ダンス パート1
/作曲 アルフレッド・リード
2nd Stage ケルンステージ
・フリードラント組曲より アンドゥルカ・サファロバ
/作曲 パベル・スタニェク
Frydlant Suite/by Pavel Stanek
・クロービス王,剣と十字架
/作曲 ブノワ・シャントリー
Clovis, the sword and the cross/ by Benoit Chantry
・メルヘンオペラ『ヘンゼルとグレーテル』より情景
/作曲 E.フンパーディンク 編曲 M.ホフェート
Scenes from the fairytale opera ”Hansel und Gretel”
/ by E. Humperdinck arr. M. Hofert
・ダンソン2番
/作曲 アルトゥロ・マルケス
Danzon No2/ by Arturo Marquez
3rd Stage 合同ステージ
・ハイデックスブルグ万歳
/作曲 ルドルフ・ヘルツァー
・もののけ姫セレクション
/作曲 久石 譲 編曲 森田 一浩
・サンチェスの子供たち
/作曲 チャック・マンジョーネ 編曲 岩井 直溥
アンコール
佐藤潔先生による指揮で合同演奏により「花は咲く」を会場全員で合唱
プロフィール
ケルン市音楽学校 ユース・シンフォニック・ウインドオーケストラ
1964年、ケルン・シンフォニーオーケストラのトロンボーン首席奏者ヘルムト・シュミットにより創立。のちにH.P.ブロイアー、J.ワイゲルト、A.F.ウィットマンが指揮者を務めました。 2015年にミカエル・ロジナスがオーケストラの指導を始め、団員60名を超える現在の高いレベルの青少年ウインドオーケストラに仕上げました。
団員は13歳から27歳の学生たちで構成されており、平均年齢は18歳。ケルンおよびその近隣の都市から参加しています。
レパートリーはウインドオーケストラ向けのオリジナル曲、クラシック曲を編曲したもの、チャック・マンジョーネがグラミー賞を取った1978年のアルバム「サンチェスの子供たち」のような曲が含まれます。
オーケストラは年に8回ほどコンサートを開催。2016年5月には欧州文化首都となったスペインのサン・セバスティアンで開催されたEMUSIKフェスティバルに招かれ、さまざまな都市でコンサートをしてきました。来年7月には大きな合唱団とともに大規模なカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」の野外演奏会を計画しています。
指揮者 ミカエル・ロジナス
1979年ドイツ・バイエルン州北部のシュヴァインフルトに生まれる。地元の音楽団体に所属後、音楽学校でトランペットおよび指揮について、プロとなるべく学ぶ。彼の教師のアーネスト・オエストライヒャーはヴュルツブルク音楽大学で吹奏楽指揮を教授。その後、ワイマール、バーゼル、ベルリンそしてマンハイムの音楽大学で学ぶ。"Junge Österreichische Philharmonie" 、"Internationale Bachakademie Stuttgart"、"Junge Deutsche Philharmonie"といった有名なユースオーケストラで演奏。ドイツのシンフォニーオーケストラでの契約を済ませた後、教育者としてのキャリアを始め、トランペット教師、そしてブラス・アンサンブルおよびウインドオーケストラの指揮者として現在活動中。彼の生徒の多くはコンペティションで賞を獲得し、各地の音楽大学で学んでいる。
客演指揮者 佐藤 寿一(さとう じゅいち)
仙台市生まれ。五橋中、仙台一高を経て埼玉大学教養学部卒業。哲学コースで音楽美学を専攻したが指揮に転向。指揮を小松一彦、高階正光、前田幸市郎の各氏に師事。これまでに、山形交響楽団、仙台フィル、千葉交響楽団、東京フィル、東京都交響楽団、サヴァリア交響楽団(ハンガリー)、カンナム交響楽団(韓国)などのオーケストラを指揮。2013年にはニューヨーク・カーネギーホールで『第九』そのほかを指揮し成功を収める。1998年から2004年まで山形交響楽団指揮者を務めた。2017年加美町が誘致した(株)国立音楽院宮城キャンパスの学院長に就任し、同町が推進する音楽による町おこしに参画している。