お知らせ

第7回サイエンス・コ・ラボ

ES細胞を体内の環境に近い“三次元”で培養してみよう!

『三次元培養法』

日時 2017年12月16日(土)
場所 宮城野校舎 化学実験室
参加生徒 特別進学コース1・3年生、秀光4年生(希望者)
講師 東北大学大学院工学研究科
珠玖仁 教授
大学院生の皆さん

 
 仙台育英 特別進学コースと秀光の生徒が一緒に参加し、東北大学をはじめとする先生方からの指導を受けることができる理科の実験講座「サイエンス・コ・ラボ」。
 1年間で全7回開催され、いよいよ2017年度最後となるテーマは『三次元培養法』。未来に大きな可能性を秘めている“ES細胞”について、 東北大学大学院工学研究科の教授である珠玖仁先生と大学院生の皆さんに、実験を通して教えていただきました。

実験の様子

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  • ▲今回の実験で使うマイクロピペットは、使い方にちょっとコツが必要。珠玖先生、大学院生の皆さんが丁寧に指導してくださいました。
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  • ▲アルギン酸と細胞懸濁液を混ぜ、マイクロピペットを使ってドロップを作ります。ハンギングドロップ法という三次元での培養法を使って、反応を確かめます。
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  • ▲ペトリ皿をひっくり返して、細胞がドロップの中心に集まるようにしてから、取り出して、観察します。
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  • ▲細胞を顕微鏡で観察します。さらに、液体に電流を流すことでゲル化する様子などを実演していただき、目の前で観察させてもらいました。
   

 胚性幹(ES)細胞について、「受精卵が分裂し胎児になるまでの段階の、胚の中にある細胞を取り出して培養したものがES細胞です。つまりまだ分化していない、何にでもなれる状態なのです」とお話してくださった珠玖先生。また今回の実験を「普通は細胞を二次元(ペトリ皿)で増やしますが、今回のハンギングドロップのように三次元で増やすことによって、体内と似たような環境でできる」と説明してくださいました。

今回の実験のポイント

第7回『三次元培養法』

 再生医療という新しい医学の治療法には、ES細胞と呼ばれる受精卵から取り出されたまだ未分化の多能性細胞や、2012 年にノーベル生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥先生の発見となる、人の体細胞から誘導されたiPS細胞(人工多能性幹細胞)が用いられ、これらを培養し分化させて、患者の治療に必要とされる組織や器官などの構造を造り上げ移植することが再生医療の目的となります。
 今回の講座は、この細胞の培養法が、これまでは一般にはシャーレの中で行う二次元的なものであったのを、最終的には器官や臓器という構造体をつくるためには三次元で行うことが要求されるために、研究・工夫された培養方法の一つで、あるハンギングドロップ法を用いて培養を各自・各班で実習するものでした。
 シャーレに滴下された細胞懸濁液ドロップ中のアルギン酸の繊維は、カルシウム溶液に浸されることにより、カルシウムイオンと反応して互いにまとわりつきながらゲル化し、細胞の三次元培養の足場となってゆきます。この方法によると、サイズの大きな細胞集合体をつくることが可能となり、また種類の異なる細胞を編み込むこともできるとのことでした。
 

 
 

生徒たちのレポート

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  • ▲レポート01
  • ▲レポート02
  • ▲レポート03
  • ▲レポート04
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【2017 サイエンス・コ・ラボ】