お知らせ

本学園留学生 2021年度大学入試 合格者からのメッセージ

 2021年度入試では、世界各国から本学園に留学した生徒たちも数多くの大学に合格し、素晴らしい結果を残してくれました。2021年3月に卒業した2人の留学生から合格メッセージを紹介しましょう。

 
ジョルダン・パンゲストゥさん
インドネシアからの留学生 秀光コース2021年3月卒
 

静岡大学 理学部化学科に特別入試で合格

研究施設が整った
国立大学で学び、将来は
生命化学の研究者に

宮城県にある仙台育英は
勉強に没頭できる環境にあると思い

 より高い水準の教育制度に触れられるよう小さい頃から海外に留学したいと考えていました。中学3年生になってインターネットで情報を収集してみて、私が生まれ育った環境と文化的衝突が比較的少なく、かつ理工系に強い日本が最適だと思うようになりました。宮城県の仙台にある仙台育英は勉強に没頭できる環境にありそうと思い留学先に選びました。

 

受験勉強はとてもつらい、
でもその分、大きな成長が

 日本の大学への進学は仙台育英に来た時から決めていましたので、1年生時から勉強する習慣をつけるよう心掛けました。メリハリをつけながら進め、上手に休憩を取る。そんなやりかたで、体と精神を疲れさせないようにしました。
 勉強を続けていて感じたのは、受験勉強はとてもつらいものだと言うことです。体だけでなく、ときには精神や自分自身のアイデンティティさえも喪失してしまうくらいに不安をおぼえたこともあります。しかし、受験勉強というのは、たんに志望大学に進学する道だけではなく、精神や性格などをアップグレードさせる、人生においても大事な一歩だと思います。受験が終わった時の自分と過去の自分を比べてみると、大きく成長してきたことに気付きます。みなさんも、大学の楽しい生活を思い浮かべながら頑張りましょう。

 

価値観・世界観の違いから
ときには小さな衝突も

 大学の受験先を選ぶにあたっては、小さい頃からの夢である研究者に近づけるため、研究施設が十分に整っている国立大学をめざそうと思いました。国立大学の中でも多くの選択肢がありましたが、自分の状態に合う入試形式(特別入試)があることに加え、トヨタの未来都市ウーブン・シティなどにも興味があったので、静岡の大学にしました。将来は生命化学系の研究職に活きたいと考えています。
 仙台育英での3年間では、個性が豊かでバックグラウンドが全く異なったクラスメイトに自分の価値観や世界観を説明するときの相手の反応が印象に残ります。これまでずっと同じバックグラウンドの人たちと交流してきたので、そういった衝突をあまり感じたことがありませんでした。驚きであり、私自身にとって良い体験になったと思います。


 
賈 欣怡さん
中国からの留学生 外国語コース2021年3月卒
 

慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 心理学専攻に自主応募制推薦入試で合格

日本語で大切なのは
会話から相手の心を
推し量ること

生活に必要なマナーも
先生に教わりました

 上海にいる間、福澤諭吉先生を尊敬する父からいつも日本の話を聞かされて育ちました。私も父の影響で芥川龍之介、宮沢賢治などの作品を読み、日本文学が好きになりました。どうしても日本の学校で勉強したくて、高校2年のとき両親の許可を得て留学しました。仙台育英には中国以外にもさまざまな国籍の留学生がいて、一緒に日本語を練習しているうちにすぐ仲良くなりました。
 寮に入ったため食事やセキュリティ面は心配なかったのですが、日本で生活するには挨拶の仕方、ゴミの捨て方、制服の着方など細かいルールを守らなくてはいけません。授業では習わない暮らしのマナーまで、先生方が一つひとつ丁寧に教えてくださいました。

 

相手の本当の気持ちを理解するのに
苦労しました

 授業では先生方が私たちにもわかるように易しい言葉や表現を使って説明してくださるので、とても勉強しやすいです。それに、日本語の文章には中国でも使う漢字がいっぱい入っているでしょう。長文が読めなくても漢字だけ抜き出すと、全体の意味が何となくつかめるんです。
 苦労したのは感情表現の違いで、日本は言いたいことをストレートに口にせず、相手を気遣って控えめに、曖昧に表現します。友達が私に遠慮して言ってくれたのに、言葉をそのまま受け取ってしまい何度か失敗しました。いまは注意深く会話して相手の本当の気持ちを汲み取れるようになり、そこが日本に来てから最も成長した部分です。大学では心理学を学び、臨床心理士の資格を取って生徒の心に寄り添えるスクールカウンセラーを目指します。

 

臆病にならず、勇気を持って
話かけてみてください

 学校生活で忘れられない思い出は、夏休みが終わってからバスで遠足に行ったことです。職人がそばを打つところを見学して打ち立ての美味しいそばを食べ、山道をハイキング。道のそばにきれいな小川を見つけ、みんなで裸足になり川に入って水遊びをしました。故郷の上海は近くに豊かな自然がなかったので、何もかも初めての楽しい体験でした。
 仙台育英に留学してくる後輩の皆さん、臆病にならないで自分からコミュニケーションを取ってください。先生方もクラスメイトも親切で、たとえ間違いだらけの日本語でもちゃんと耳を傾けてくれます。勇気を持って話しかける、その一歩が日本語の上達と理解につながるのです。