仙台育英学園高等学校 秀光コース 第21期生 卒業証書授与式
変化の多い6年間を乗り超えたことに
誇りを持ち、明るい道を歩んでいこう
仙台育英学園高等学校 秀光コース第21期生の卒業証書授与式が2月27日(日)に行われました。今年度も、感染症対策の特別措置で人数を制限し短時間で行われました。
式では、加藤雄彦校長先生から卒業生に卒業証書が手渡され、続いて『秀光グランプリ』の表彰が行われました。6年間の功績を讃える『秀光グランプリ』には奥村さんと久道さんが選ばれ、校長先生から賞状と楯が贈られました。
卒業式のあとは教室で最後のホームルームが行われ、その様子は保護者の方に向けてもオンライン中継されました。卒業生は、時に涙ぐみながら仲間や先生方と秀光での思い出を振り返り、両親への感謝の言葉を伝えていました。21期生と秀光との深い絆はこれからも変わらず続いていきます。
式では、加藤雄彦校長先生から卒業生に卒業証書が手渡され、続いて『秀光グランプリ』の表彰が行われました。6年間の功績を讃える『秀光グランプリ』には奥村さんと久道さんが選ばれ、校長先生から賞状と楯が贈られました。
卒業式のあとは教室で最後のホームルームが行われ、その様子は保護者の方に向けてもオンライン中継されました。卒業生は、時に涙ぐみながら仲間や先生方と秀光での思い出を振り返り、両親への感謝の言葉を伝えていました。21期生と秀光との深い絆はこれからも変わらず続いていきます。
秀光グランプリ 受賞者 表彰内容
『Outstanding Team Leader Award』 奥村さん(山形第一小出身)
あなたは、秀光在学6年間、山形市から通学し、学業と部活動の両立を目指してひたむきに取り組みました。特に本年度は1日も欠席せず、目標の達成に向けて努力を重ねてきました。
中学校1年生からオーケストラ部でヴァイオリンの練習に熱心に励み、高校1年生ではコンサートミストレス・副部長・パートリーダーを兼任。高校2年生では部長として優れたリーダーシップを発揮しました。常に信念と責任を持って取り組む前向きな姿勢と、思いやりにあふれ、朗らかな人柄は、学年を超えて多くの生徒から信頼を集めました。
厳しい状況下にあっても、持ち前の向上心と行動力で打開していく強さは賞賛に値します。仙台育英学園の建学の精神と生活信条7か条を体現したあなたの功績を讃えるとともに、今後もグローバルな社会で活躍することを期待して「Outstanding Team Leader Award」を授与します。
厳しい状況下にあっても、持ち前の向上心と行動力で打開していく強さは賞賛に値します。仙台育英学園の建学の精神と生活信条7か条を体現したあなたの功績を讃えるとともに、今後もグローバルな社会で活躍することを期待して「Outstanding Team Leader Award」を授与します。
『Sincere and Diligent Learner Award』 久道さん(下増田小出身)
あなたは穏やかな佇まいの中にも芯の強さを秘め、様々な活動に前向きに取り組んできました。
秀光在学6年間、高い志のもとに学業に精進した結果、加藤利吉成績優等賞を2度受賞するなど、常に優れた成績を収めてきました。
部活動においては合唱部で部長を務め、中学2年生から所属したオーケストラ部ではコントラバスを担当し、日々研鑽を積みました。また、中学1年生から高校2年生まで生徒会幹事・学級委員として学年やクラスを献身的に支え続けました。
困難な状況下にあっても、学業・部活動・生徒会活動の全てにおいて真摯に取り組む誠実な姿勢は、学年を超えて多くの生徒から尊敬を集めました。
仙台育英学園の建学の精神と生活信条7か条を体現したあなたの功績を讃えるとともに、今後の更なる飛躍を期待して「Sincere and Diligent Learner Award」を授与します。
校長先生からの式辞【一部抜粋】
秀光21期生が当時の秀光中等教育学校に入学された年は、新しい宮城野校舎を建設し、新たな道を歩み始めた時期でした。その一環として、国際バカロレア教育を中高一貫で行えればと考え、2018年度から秀光中等教育学校後期課程への進級を仙台育英学園高等学校秀光コースへの進級に改編して、昨年春の秀光中学校の復活にこぎつけてきました。加えて、秀光コース第1年次が修了しようとした3月から、このたびの卒業証書授与式当日になっても、皆さんの高校生活は新型コロナウィルスの影響が続いたまま翻弄されてきました。このような混乱期にあっても、仲間と共に力を合わせて学習、行事、部活に励まれてきたことはとても立派であり、敬意を表したいと思います。みなさんが幸せな人生を歩まれることを祈念いたします。
送辞【一部抜粋】
在校生代表 秀光コース2年 清水さん(長町小出身)
先輩方はいよいよ秀光における6年間の生活を終え、社会に出るときを迎えられました。未だ新型コロナウィルスという終わりの見えない状況が私たちを取り巻く中、飲み薬が開発・導入されるなど明るいニュースも耳にするようになりました。期待と不安が入り混じるこの社会で秀光で培った力を大きな支えとして次の世代の先陣を切り、どんな困難も乗り越えてご活躍されることを心より期待しています。
本日晴れて卒業を迎えられる秀光第21期生の皆さん、今日まで私たち後輩一同を導いてくださり本当にありがとうございました。
答辞
卒業生代表 冨士原さん(釜小出身)
秀光で過ごした6年間の思い出を噛みしめながら、正門をくぐり抜けた今日。私たちを照らす暖かい日差しに、「卒業」という春の訪れを感じました。
本日は、新型コロナウィルスの流行という大変な状況の中、私たちのために、厳粛な中にも心温まる卒業証書授与式を挙行していただき、卒業生一同、心より御礼申し上げます。
先程は加藤雄彦校長先生のご式辞をはじめ、父母教師会副会長様からのご祝辞、在校生代表の送辞の中で、たくさんの激励のお言葉を頂戴しました。本当にありがとうございます。
思い起こせば6年前。真新しい制服に袖を通し、大きな希望を胸に家族と正門をくぐり抜け、入学式を迎えたあの日。このゼルコバホールで21期生の仲間と出会い、秀光での学校生活に始まりの鐘が鳴りました。小学校の同級生とはまた違った感性や価値観を持つ人たちに囲まれ、当時は友達ができるか、授業についていくことができるか、とても不安でした。しかし、皆と仲良くなるまでに時間はかからず、気付けば教室で笑いあっていました。お互いのことを認めあい、刺激しあいながら学業に励むことができる。学年全員が自分の意見や感じたことを素直に言いあえる関係を築くことは、決して容易ではありません。そう考えると、21期生の和やかで明るい雰囲気や、確固たる信頼関係こそ、私たちの強みであり、最も象徴的なものだったのではないかと思います。先生方との思い出深い授業の数々。部活動や課外講習に励んだ放課後。友達とたわいない会話で盛り上がった帰り道。どれも本当に充実していました。そんな日々を送るうちに、あっという間に6年という月日が過ぎ、卒業を実感するようになりました。
いつか終わりが来る。そう考えると、自然と涙が出てしまうこともありました。それはきっと、仲間や先生方とともに、かけがえのない青春を過ごすことができたからなのだと、心から思います。
大切な仲間や先生方との結束を強めてくれたのは、学校行事でした。特に、皆で最高のものを築き上げることができたのは、合唱だと思います。中学3年生時の合唱コンクールでは、「虹」「未来へ」を歌いました。当時は各クラスが賞の獲得を目指し、闘志を燃やしていました。また、3年間苦楽を共にしてきた仲間との別れが刻一刻と迫る中、皆で一つのものを作り上げる最後の機会でもありました。結果として、優秀賞・朗読者賞を受賞し、努力した先に見える景色を全員で共有することができました。そして、高校1年生になった私たちは、今の21期生にしか成しえない一つの音楽を作り上げたいという思いから、秀光祭で「言葉にすれば」の合唱を披露することに決めました。伴奏には担任である石川先生を迎え、16人全員で一つの音楽を、世界で一つしかない私たちの合唱を、思いを乗せて届けることができました。この合唱をとおして、私たちの間に、今までよりももっと強く、深い心のつながりが生まれたと言っても過言ではありません。
さらに、カナダ研修や地域探究研修も、私たちを大きく成長させてくれました。中学3年生時のカナダ研修では、雄大な自然の中で海外の文化を体験しました。どんなに拙い英語でも、必死に聞き取ろうとしてくれる現地の方々の優しさに触れ、感動したことを今でも記憶しています。また、高校2年時には、先生方をはじめとする多くの方のご協力により、宮城県内の歴史や文化、町おこしについて学ぶ地域探究研修に参加することができました。これらの研修を通じて、私たちは、ローカルとグローバルという両方の視点を身につけるだけでなく、人の心の温かさや優しさというものを改めて認識することになりました。これらがあって初めて、人は他者を思いやり、誰かを救うことができるのだと思います。私たちはこの6年間、たくさんの人との関わり、その温かさや優しさに支えられながら、ここまで頑張ることができました。これから先、どんなに厳しい世界が待ち受けていたとしても、この経験を忘れず、真摯に向き合っていきたいと思います。
何物にも代えがたい、貴重な経験を重ね、ついに受験学年を迎えた私たちですが、高校生活最後の砦である大学受験との向き合い方に、最初は苦労しました。個々の勉強に対する姿勢が異なり、教室での雰囲気作りがうまくいかず、毎日のように先生方から釘を刺されていました。しかし私たちには、他者のよい行いを見て、自らも実践することのできる力がありました。クラスの中で、ある一人が机に向かい始めると、その姿を見た皆が自然と学習に励むようになりました。志望校や受験方法は違えど、目指すべき場所は一緒。輝かしい未来に手を伸ばすべく、自分のやるべきことに黙々と取り組む皆の姿は、お互いの心の支えとなりました。そして先生方も、私たち一人ひとりに寄り添いながら、誠心誠意サポートしてくださいました。現役生は最後の最後まで伸びる。いつも先生方が私たちにかけてくださった言葉です。模擬試験で思うような判定や点数を取ることができず、悩んだ時期もありました。そんなときにこの言葉を思い出すことで、自分自身を奮い立たせることができました。私たちと同じくらい、いや、それ以上の熱量と深い愛情を持って導いてくださった先生方、本当にありがとうございました。
それから、両親にも、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。入学から卒業までの6年間、秀光という素晴らしい学び舎で学習に励むことができたのは、両親の支えがあったからです。私はそんな両親に対して、日頃から感謝の思いを述べることができていませんでした。むしろ反抗ばかりしていました。今となってはそのことを非常に後悔しています。いつ、どんなときもそばにいて、誰よりも心配してくれたのは、陰からずっと応援してくれていたのは両親なのに。そう考えると、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになります。改めて、お父さん、お母さん、こんな私を18年間育ててくれて、本当にありがとう。
昨今、世界では、北京オリンピックにおいて、各国の選手が素晴らしい活躍を見せました。その一方で、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や、ロシアによるウクライナ軍事侵攻など、世界情勢は予断を許さない状況が続いています。国内においても、新型コロナウィルスのオミクロン株が猛威を振るい、全国規模で未だ終息への兆しが見えていません。私たちは、この秀光で得た経験や学びを活かし、困難な状況を打開すべく行動していきたいと思います。どんな答えもどんな道も正解になるように、辿り着いた場所が光になるように、これからの日々も全力で駆け抜けていきます。
結びになりますが、仙台育英学園の一層の飛躍と、加藤雄彦校長先生をはじめとする皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。