お知らせ

第70回 全日制課程卒業証書授与式 答辞全文

 月日の流れとともに、柔らかな春の兆しを感じる季節となりました。

 本日は私たち卒業生のために、このような盛大な卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、ご多忙の中ご臨席賜りました、ご来賓の皆様、式にあたり準備をしていただいた先生方・在校生の皆さん、並びに列席いただいた保護者の皆様に、卒業生を代表して心から御礼申し上げます。

 今、こうして卒業という節目に立つと、これまで過ごしてきた日々の情景が、走馬灯のように脳裏を駆け巡っていきます。まだ着慣れない制服を身に纏い、期待と不安で胸を膨らませていた入学式。何もかも新しい環境に、はじめは動揺の色を隠せずにいましたが、徐々に打ち解けていく仲間が増え、高校生活への期待に胸が弾む思いでした。友人の輪が広がるにつれ夜遅くまで部活動や勉強に打ち込む日々を送るようになりました。また多くの行事を通して仲間との時間を共有してきました。「スポーツチャレンジ」や「合唱コンクール」では、一意団結して物事に取り組む楽しさと、月日を経るごとに深まっていく絆の強さを感じました。十月は一大イベントとも言える「育英祭」。生徒主体で作り上げる難しさや運営の大変さを痛感しましたが、多くの方々の協力があって無事終えられたことは、大きな達成感を感じました。雨にも負けずそれぞれの個性に溢れた育英祭は、三年間の高校生活の中で最も印象深く残っています。「研修旅行」では普段は出来ない貴重な経験を通して、多くの歴史や文化に触れ、仲間とともに過ごす時間の喜びを感じました。また、国外での「語学研修」では異国の文化に触れ、仲間との協調性を築くことが出来ました。五月二十二日は命の尊さを改めて感じる「I Lion Day」。県民大会でメッセージを朗読させて頂き、飲酒運転の根絶を訴え続けてきました。多くの行事を通して仲間との時間を共有し、学びを得られたと思います。仙台育英学園は志さえあれば、どんな生徒にでも門戸を開いてくれる学園です。こうした恵まれた環境だったからこそ、あらゆる経験の場を通して幅広い視野を確保し、一回りも二回りも成長を遂げられたと感じています。こうして三年間を振りかえれば、長いようであっという間な、充実した三年間であったことを改めて実感します。

 三年間、楽しい瞬間も辛い瞬間も、すべての時間をともに過ごしてきた仲間たち。初めて顔を合わせた入学式の日から三年。ともに過ごす時間が長くなり、いつの間にか大きな信頼感を抱いていました。充実した青春の日々を経て、ただの友人ではなく、かけがえのない存在になった仲間。時には助け合い、時には良きライバルとして、支えあい鼓舞しあえる存在は決して当たり前にいる訳ではありません。私が今こうしてこの場に立つことが出来ているのも、仲間の支えがあったからです。毎日のように交わした何気ない会話。ともに汗を流し真剣に向き合った日々。ありきたりな毎日に鮮やかな色をつけてくれたのは、紛れもなくこの場にいる仲間たちです。私はこの学園で最高の仲間に巡り会いました。本当にありがとう。

 在校生の皆さん。皆さんの目には、私たちの背中はどのように映っていたのでしょう。時には頼りなく不甲斐ない姿を見せたこともありましたが、私達はみなさんの手本になれるよう必死に前を走り続けました。どんな時も明るく優しく振舞ってくれたこと。まるで兄や姉のように私たちを慕ってくれたこと。先輩後輩という垣根を越えて励ましてくれたこと。本当にありがとう。みなさんは私達にも負けず劣らない、強い心と実力を持っています。自分に自信を持ち、これからは仙台育英学園を引っ張っていく立場として、全力で高校生活を駆け抜けて下さい。いつの日か、みなさんがこの学園の顔として活躍している姿を目にするのを心待ちにしています。

 日々愛情をもって接していただいた、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方。一人ひとりに手を抜くことなく寄り添ってくれるその姿に、畏敬の念を強く抱きました。また、優しさだけでなく厳しい言葉もかけていただき、最後まで手を差し伸べて頂いたことは感謝してもしきれません。未熟な自分が大勢の人の前で話し、仙台育英学園の生徒会長を務めることができ、非常に光栄なことでした。他にもこの学園でしか経験できないことに挑戦する機会を与えて頂き、誰よりも有意義な三年間を送れたと思います。今こうして卒業生代表の挨拶を述べるに至ったのは、先生方のおかげです。三年間かけて先生方から御教授頂いたことを決して無駄にすることなく、新たなステージでこれからも邁進していきます。三年間、ありがとうございました。

 毎日朝早くからお弁当を作ってくれたお母さん。進路や学校での悩みを打ち明ける中で、何度もぶつかることがありました。それでも自分を見捨てずに支えてくれて、一緒になって悩んでくれてありがとう。いざという時に励ましてくれたお父さん。普段は静かに見守りながらも、くじけそうなときには力強く背中を押してくれたこと、とても感謝しています。これからは大きな父の背中を追いかけ、さらに立派な大人になれるよう、精一杯努力していきます。自分の気持ちをよく理解してくれた兄弟。喧嘩をすることも多くありましたが、その分親身になって話を聞いてくれてありがとう。何気なく声をかけてくれる優しさに何度も助けられました。十八年間、いつも優しく見守ってくれた家族、私は今日また一つ大人への階段を上ります。これまで立派に育ててくれてありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。

 私たちは今日卒業とともに、それぞれの道に向けて新たな一歩を踏み出します。おそらくこれから歩む道には、私たちが経験したこともないほどの困難や試練が立ちはだかる事でしょう。そんな時こそ、三年間「逆転の仙台育英」で培った力を信じ、日々前進し続けることが重要になります。校舎の一角に掲げられた建学の精神。「至誠力行」「質実剛健」「自治進取」誠実さを持ち、他に劣らない強さを持ち、自らを省みて積極的に行動する。社会に出る上で強い支えになるこの言葉を胸に刻み、これから更なる飛躍に向けて、我々卒業生一同邁進していきます。

 最後になりますが、加藤雄彦校長先生はじめ諸先生方、並びにご臨席賜りましたご来賓の皆様の御多幸と御健勝、学び舎を共にした同期の更なる活躍と仙台育英学園のますますの飛躍を祈念申し上げ、卒業生代表の挨拶とさせていただきます。

平成30年3月1日
卒業生代表 特別進学コース3年 大竹 祐太朗