第3回サイエンス・コ・ラボ 2019
東北大で特許を取得した最新の製造法で
“バイオ燃料”を合成しました
『大学発の最先端技術を用いたバイオ燃料の合成実験』
日時 | 2019年7月13日(土) |
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場所 | 宮城野校舎 化学実験室 |
参加生徒 | 仙台育英 特別進学コースおよび秀光コース1・2年生(希望者) |
講師 | 東北大学大学院工学研究科 北川尚美 教授 TA(ティーチングアシスタント)の皆さん |
東北大学をはじめとする専門の先生方からの指導を受けることができる、全7回の理科実験講座「サイエンス・コ・ラボ」。第3回目となる今回は、教授である北川尚美先生から東北大で特許を取得した最新の製造法を教えていただきながら、バイオ燃料の合成実験について指導していただきました。廃棄用の油を使用して『バイオディーゼル』を作り、新たなエネルギーとして利用できるというもの。しかも東北大で特許を取得した製造法は、従来の方法と比べてエネルギーを使わず簡単に作れるとのこと。仕組みを理解しながら、自分たちで実験に挑戦しました。
実験の様子
第3回「酵素でバイオ発電」
「バイオ燃料」 とは、生物体(バイオマス)から取り出したアルコール燃料などのことです。光合成で植物が取り込んだ二酸化炭素に由来するアルコールを、植物油やチップなどから取り出し、それを燃料に使うもので、トータルとして地球大気中の二酸化炭素量を変化させないこと(カーボンフリー)になり、地球温暖化対策にもなるわけです。
今回は、東北大学の大学院工学研究科で北川先生が開発された手法─すでに開発されている「イオン交換樹脂」を用いて、バイオマスの1種といえる食用油、また揚げ物などで一度使用した廃食油から、バイオ燃料(バイオディーゼル)を取り出す実験にチャレンジしてみました。
この技術においては、これまでなされてきた水酸化ナトリウムを触媒として用いるよりも、イオン交換樹脂を触媒として分離し取り出す方法が、繰り返し使用でき、燃料を抽出しやすく、かつ効率においても優れていることがこの実験を通してよくわかります。ドロッとした食油が反応後、さらさらした透明度の高いディーゼル燃料に変化する様子は、化学反応・変化の面白さを十分に知ることのできるものでした。
また、「工学」 という学問が、「理学」とどのように違うスタンスで自然界にアプローチし、研究を行い、その成果を人間生活にどんな発想で活用しようとしているのかについても、とてもわかりやすく解説していただけました。
生徒たちのレポート
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