現役大学進学者による大学合格体験記
一般入試
 

 

東京大学
文科I類1年

平成18年3月特別進学コース卒
唐桑中出身

東京大学で会える日を
楽しみにしています!


■素晴らしい環境の中で
 受験勉強に取り組める幸せ


 念願だった東京大学文科I類に合格して思うことは,今やっと広大な知の世界の入口に立てたことへの喜びと,ここに到着するまでの長い道のり,ずっと私を支えてくれた家族,友人そして先生方への心からの感謝の念である。
 受験勉強は辛いものだ。しかし,振り返って考えるとき,一つの大きな目標に向かってひたすら努力を積み重ねたこの3年間は,とても充実していたように思う。もちろんこれは,私の周囲の環境が素晴らしく整っていたということであり,その中で受験勉強に取り組めた私は幸せとさえいえるかもしれない。

■受験勉強のヒントは
 自分のごく身近に転がっている


 私がこれからアドバイスできることがあるとすれば,それはこういった周囲の環境に目を向ける心のゆとりが必要だということである。私は「必死で」勉強するという表現が好きではない。もちろん,一度東京大学合格を目指したならば,その熱意を失うことなく,覚悟を決めて大変な量の勉強に取り組まなければならない。しかし,情熱はえてして人を盲目にするのであって,「必死に」何も考えず勉強してしまうと,現在の自分の状況を冷静に見つめ直すことができず,有益な情報も耳に届かなくなるのではないか。先生方や友人からのアドバイス,参考書の何気ない記述など,受験勉強のヒントは意外と自分のごく身近なところに転がっているものである。受験勉強は一人でやるものだが,孤独にやるものではないということを特に最後の1年は強く感じた。
 東京大学には誰でも合格できるわけではないが,東京大学は誰にでもその門を開いている。首都圏で私立小中に通った人でも,私のような郡部の公立小中出身者でも,高校生活のスタートをきるにあたり,その学力の差は大した問題ではない。だから,ぜひ自信を持って東京大学を目指して欲しいと思う。仙台育英の後輩の皆さん,東京大学で会える日を楽しみにしています!!



 

東京大学
文科III類1年

平成18年3月特別進学コース卒
船迫中出身

受験生は大学という
山の頂を目指す“登山家”である


■道具を持っている人はそれを最大限に利用し
 持っていない人は強い精神力を維持して挑戦


 大学受験を終えた今,受験に対する僕なりの考察を書きたいと思います。まずは受験というものに対する認識についてですが,受験生というものは総じて“登山家”であると言えます。彼らは目前にそびえ立つ大学という山の頂を目指し歩き続けます。その際,彼らの前には何本かの道ができます。あるものはしばらくは平坦だが,後半は急峻な崖が続く道で,あるものは緩やかだがひたすら坂道が続く道かもしれません。どれを選ぶかは個人の自由,頂上に辿り着ければよいのですから。
 しかし,ここで気をつけなければならないのは,必ずしもスタートラインの位置が同じではないということです。小さいころから塾に通い,その後中高一貫校に駒を進めた人たちはスタートラインが山の中腹かもしれませんし,中高一貫校でなくても,環境面で恵まれた家の子供は,ロープや登山靴といった有利な道具を持っていると例えられるかもしれません。難関校を目指すにあたっては,こういったライバルと同じ土俵に立たねばならぬという自覚が特に必要になってきます。
 つらつらと厳しいことを書いてきましたが,当の僕も裸一貫で山を登った身でありますので,何も臆することはありません。道具を持っている人はそれを最大限利用し,持っていない人は強い精神力(努力と言ってもよい)を維持すればよいだけの話です。高水準に保たれた精神力は,時には陳腐な道具にも勝るものです。

■与えられた問題を解くだけでなく
 自分なりに試行錯誤して問題に取り組む


 次に,抽象的になるかもしれませんが,僕の勉強に対する意識として常に念頭に置いていたことを書きます。それは,“a+c=b+cならばa=b“ということではなく“a=bならばa+c=b+c“という着想です。5+7=12という式は小学生でも答えられます。当然大学入試では誰もが解ける問題は聞いてきませんから,一般的に結論とされているものの方へ向かう流れを把握しているだけでは,とても太刀打ちできるものではありません。ただ行き詰まった時に12という数を分割したり,あるいは分数にしたりすることで解決の糸口がつかめるかもしれません。そういう選択肢を増やすという意味で,心掛けていて損はないと思います。
 またこれは数学に限ったことではなく,国語においても応用できます。すなわち,与えられた問題を解くだけでなく,解答を見て問題を作ったりするなどの作業は,自らの思考を深めるのに効果を発揮します。僕は人と同じやり方に安住してしまうのが好きではなかったので,いつも自分なりに試行錯誤した方法で問題に取り組んでいました。今思うと,それが逆に良かったのかもしれません。
 以上,僕の受験に対する総観のようなものを書きましたが,頭の隅にでも置いてくれればうれしいです。最後に,勉強の王道は“自分なり”だということを意識してがんばって下さい。みなさんの成功を祈っています。



 

東京大学
理科II類1年

平成18年3月特別進学コース卒
小牛田中出身

受験を乗り切るには最後まで
自分を信じることが大切


■朝と放課後も学校に残って勉強
 家で集中できないなら勉強は全て学校でやろう


 僕にとって仙台育英での高校生活は,とても短く,一日一日が深い意味を持った3年間であったと思います。
 僕が3年間受験勉強を続けるにあたって,特進の先生方や学校の環境は僕にとって大きなプラスになりました。学校の授業はとても難しく,その上宿題の量も多いので,初めのうちは予習と復習をこなすだけで精いっぱいでした。2年生になると理科も本格的な授業に入りましたが,先生から「2年生の間は3教科を完璧にしろ」と教わっていたので,理科の応用に手をつけたのは3年生になってからでした。今思えば本当に良い選択でした。3年生になってからは,3教科は授業でやるぐらいで,理科に全力を注ぐことができたからです。
 また,僕は家で集中できないタイプだったので,図書館を利用して勉強していました。毎朝8時に学校につき,1時間ほど授業前に勉強して,放課後も3時間ぐらい残って勉強しました。家に帰ると自分のしたいことをして,翌朝6時半の電車で学校に行くという毎日で,勉強は全て学校でやると割り切って生活していました。睡眠時間は6時間でした。寝ないで頑張っても頭に入らないので,睡眠時間はしっかりとったほうがいいです。

■ハードな授業のおかげで
 気付いたら英語が得意科目になっていた


 僕には特に感謝している先生が2人います。1人は英語の加藤先生です。加藤先生の授業は英語を英語として読むためのもので,科学専門書の原本をあたりまえのように授業で読んだり,習った文章を3回書き写したりと,とてもハードな内容でした。そのおかげで,気付いたら自然に英語が得意科目になっていました。
 もう一人の先生は数学の渡部先生です。1,2年生の時は授業のたびに宿題が出され,毎日予習と宿題で手いっぱいでした。3年生になると補講で物理も教えていただき,最後の最後まで試験対策をしてくださいました。特進の先生方の中でも特にこの2人の先生には心から感謝しています。どうもありがとうございました。
 最後に後輩のみなさんへ。受験を乗り切るには,最後まで自分を信じることが大切だと思います。周囲の言葉に振り回されることなく,自分が納得できる道を歩み続けて下さい。



 

東北大学
経済学部経済・経営学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
条南中出身

1,2年で基礎固めができていたから
東北大に合格できた


■何といっても力を入れたのは予習
 授業中に全てを理解しようという気持ちで


 私は入学当初から国立大合格を目標に勉強を続け,予備校に通うことなく東北大学に合格することができました。
 特進の授業は1年の時からハードで,私は授業についていくのが精いっぱいでした。加えて,当時は書道部に所属し,夜10時過ぎまで練習という日もあって,時間的な余裕もほとんどありませんでした。そこで,私は授業の予習に力を入れ,授業にはこの時間内に全てを理解してしまおうという気持ちで臨み,復習で授業内容をしっかり自分のものにできるようにしました。そして,疑問点は自力で解決し,どうしても分からないことだけを人に聞くという勉強を続けました。この勉強法のおかげで基礎力が固まり,模試での偏差値もはね上がりました。

■スランプは得意科目を解いたり
 模試で力試しをして乗り切った


 しかし,2年の冬から精神的に辛くなり体調も崩れ,勉強がままならない状態になってしまいました。机に向かうのが苦痛で,クラスでの順位も落ちていく一方でした。この状態は受験まで続きました。何もせず過ごす日も多々ありましたが,このままでは終れないという気持ちもあり,2,3日に一度くらいのペースで得意科目である数学や化学の問題を解き,自分はやればできるはずだから少しずつでも頑張ろう,と自分に言い聞かせ続けました。また,模試はいい力試しになるし,受けなければ自分は完全に潰れてしまうと思い,必ず受けに行きました。
 こうしてこの3年間を振り返ると,東北大に無事合格できたのは1,2年で基礎力が固まっていたこと,そして何よりも陰で支えてくれた友達や先生方のお陰だと思いました。本当にありがとうございました。



 

東北大学
経済学部経済・経営学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
矢本第二中出身

仙台育英は,勉強する上で
最高の環境です


 ようやく受験勉強を終え,目標であった東北大学に合格することができて,本当に嬉しく思っています。これも,毎日の授業や補講でお世話になった先生方,クラスの友人達,そして家族のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。

■朝補講や課題の添削を
 積極的に活用しました


 私の受験勉強についてですが,1年生の時は比較的のんびりと過ごしたので,本格的に受験勉強を開始したのは,2年生になってからでした。2年生時には主に,英語と数学の基礎を固めるのに,ほとんどの時間を費やしました。3年時には,英語,数学の応用力をつけることと,センター試験で必要な理科と社会,そして苦手の国語に取り組みました。このように,3年生になるとやらなければいけないことがたくさんでてくるので,2年生の間にある程度,英語と数学の基礎力はつけておいた方が良いと思います。また,3年生になってからは,渡部進先生の数学の朝補講に参加し,現代文は大内先生に毎週課題を出してもらい,それを添削していただきました。自分でも,参考書などを利用しながら,なるべく同じものを繰り返し使って,復習中心で勉強を続けていきました。

■気持ちを切り換えて
 次の試験に臨みました


 こんな調子で勉強を続けていき,前期試験に臨みましたが,見事に失敗してしまいました。不合格の結果を知った時はかなりショックだったのですが,二日後の後期の試験に気持ちを切り換えて,何とか後期で合格することができました。今考えると,この気持ちの切り換えが上手くいったことが合格できた要因だったと思います。また,例えば,模試などでも,点数や判定が悪くて,がっかりするということが誰でもあると思います(自分も何度となくありました)。そんな時も,できるだけ前向きに考えて本番に生かせるよう頑張って欲しいと思います。
 最後になりましたが,仙台育英は勉強する上で最高の環境が整えられていると思います。後輩の皆さんには,こうした環境を生かして,自分の夢や目標を高く持って,それに向かって邁進して欲しいと思います。



 

東北大学
工学部化学・バイオ工学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
古川北中出身

仙台育英の授業は大変濃密
これを中心軸に据えて勉強しよう


■カナダ語学研修で得た多くの財産
 皆さんも機会があれば参加を


 仙台育英学園で3年間過ごし卒業した今,改めてこの学校の素晴らしさを感じています。私が仙台育英で学んだこと,経験したことを以下に話しますが,後輩の皆さんの参考になれば幸いです。
 まず勉強についてですが,仙台育英の授業は大変濃密で,初めのうちはついていくのが精いっぱいです。ですから,予備校に通ったり,参考書を買いすぎると,どっちつかずになり,日々の勉強が疎かになる悪循環が生まれてしまいます。皆さんには,学校の勉強を中心とした予定を組むことをお勧めします。その際,自分の得意な,あるいは好きな科目を,全科目の中心軸に据えるとよいでしょう。私は尊敬する加藤欽子先生の英語の授業を中心軸に据えていました。先生の授業はハイレベルかつ話題が豊富で,私たちの人生に直結することをたくさん教わりました。
 次に課外授業についてです。私は2年生の時,カナダ語学研修に参加しました。この研修旅行では,現地の人々とふれあい,雄大な自然を堪能することができました。研修によって得られた財産は,計り知れません。英語を学んだだけではなく,現地の人々の考え方,価値観を,同じ言語を話すことによって,文字通り体感することができ,あらゆる点において哲学的な旅でした。皆さんも機会があれば,語学研修には参加することをお勧めします。

■仙台育英の先生方は「受験のプロ」
 進路の悩みは先生に相談しよう


 加えて,生活面について話したいと思います。仙台育英は進学校ですから,受験期は当然のこと,1,2年生の内でも,クラスの内部にはある種の緊張感が存在します。皆さんはどうか分かりませんが,私はのんびりとした性格なので,この雰囲気に慣れるのが大変でした。勉強そのものも大事ですが,自分の精神状況の管理にも気を配ってほしいと思います。
 また,進路に関して悩みがある場合は,仲間同士でもいいのですが,私は先生に相談する方が良いと思います。私の場合,担任の石山かおり先生に相談しました。先生は現実と理想の折り合いをいかにつけてゆくかを,親切にアドバイスしてくださいました。私は最初医学部を志望していたのですが,学力が伸び悩み,進路を見出せずにいたとき,先生のおかげで自分の納得いく進路を見出すことができました。仙台育英の先生方は「受験のプロ」ですから,自分の一生を決める進路について悩みがあるなら,先生に相談しましょう。
 最後になりますが,私の仙台育英での経験が,後輩の皆さんの良き参考となり,志望校合格への一助となりますことを重ねて祈願いたします。



 

山形大学
人文学部法経政策学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
名取第二中出身

短期での成績向上が難しい国数英は
1,2年で時間をかけて克服しよう


■理科,社会はたとえ出遅れても
 勉強すれば成績を伸ばせる


 私はなかなか進路が定まらず,山形大学に志望校を決めたのはオープンキャンパスに行った3年生の夏でした。受験勉強を本格的に始めたのも同じ頃だったと思います。受験勉強といっても予備校などには通わず,朝から晩までガリガリ勉強した訳でもなく,学校の授業を中心にいつも自分のペースでの勉強を心掛けていました。
 国語や英語は1,2年の時から学校の問題集を使用して勉強していましたが,社会や理科は授業中や定期テストの時以外は手をつけていなかったので,本格的に勉強し始めたのは3年の10月頃からでした。参考書を何回も書き写して覚えたり,授業のプリントを見直したり,放課後課外に出席するようにしました。また,3年の冬休みは講習になるべく休まず出席しました。その結果,短期間の勉強でも本番ではいつもの模試と比べて点数をだいぶ伸ばすことができました。一般的に,社会や理科は短期集中でも点数が伸びる教科だと言われているので,直前の頑張りもききます。始めるのが遅くてもあきらめずにやれば,十分に成績が伸ばせると思います。
 それとは逆に,国数英は短期で点数を伸ばすのは難しいと言われているので,国数英の中に苦手教科があるなら早めに対策をとった方がいいと思います。私は1年生の時から苦手だった数学を,3年生になってからやればいいという軽い気持ちで持ち越した結果,センター本番で5割をきり,それが足を引っ張ることになってしまいました。私の場合,たまたま他の教科で何とかカバーすることができましたが,1教科が足を引っ張り,合格を逃す人も少なくありません。国数英の苦手教科には1,2年の時に時間をかけ,遅くても3年の夏まで克服するようお勧めします。

■最も大切なのはとにかく
 あきらめずにやり通すこと


 二次試験の小論文に関しては,試験直前まで大内先生に細かい所まで丁寧にご指導していただき,「これは作文だ」と言われた小論文も,「合格小論に近づいた」と言っていただけるまでになりました。
 大学受験で最も大切なことは,最後までとにかくあきらめずにやり通すことです。結果は必ずついてくるはずです。これから受験する皆さんの幸運を祈っています。
 最後になりましたが,担任の庄司先生をはじめ,小論文でお世話になった大内先生,執務室でいろいろ相談にのってくださった先生,各教科でお世話になった先生方,本当にありがとうございました。



 

山形大学
医学部看護学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
宮城教育大学附属中出身

多くの人に支えられている
ことを忘れないで!


■大学受験を乗り切るためには
 体調管理や情報収集も必要


 私はあまり受験生らしい受験生ではなかったと思います。そのせいで苦労したことや終ってから後悔したこと,かえって良かったこともあります。残念ながら,私にはこの体験記を読む受験生がどんな受験生活を送っているのか分かりません。しかし,これを読んで一人でも多くの後輩が危機感とやる気を持ってくれたら嬉しく思います。
 まず,大学受験は相当辛いです。だから,体力は絶対必要です。規則正しい生活を送り,生活リズムを狂わせないことが体調管理の第一歩です。また,体調管理の一つとして予防接種や歯科治療は必須です。特に歯の痛みは受験生活の中で大きな障害になります。早めの治療をお勧めします。
 また,大学受験は情報収集なしでは何もできません。受験科目や出題傾向などを大雑把に調べておくだけで,気持ちに余裕ができ,各教科の目標も見えてきます。また,二次試験で面接がある場合は,必ず調査書を見ておいてください。面接官は調査書を手掛かりに質問するので,調査書の記載内容を知ることで,質問への対策が可能になります。私はこれをしなかったために質問に対してどぎまぎして大失敗をしました。

■小論文は複数の先生や
 その領域の専門家に添削してもらおう


 小論文がある場合は一人の先生にだけ指導してもらうより,いろいろな教科の先生に見てもらうとよいと思います。なぜなら,多くの人の意見を聞くことで,自分の文章に足りないところはないか,論理展開の中で不自然なものはないかなどを冷静に見直すことができるからです。
 志望学部に関わる領域の専門家の意見を聞くことも大変重要です。専門家からは,それぞれの学部で問われる特有のテーマについての考え方を聞くことができます。例えば,医療関係,介護,薬学,建築,農業などは学校という社会の中には専門家が少ない領域なので,教科の先生だけでなく,身近にいる専門家に添削をしてもらうとよいと思います。
 最後に,自分が多くの人に支えられていることを忘れないでください。受験生活は自分だけが辛いと錯覚させます。しかし,実は自分の周囲の人に支えられて初めて受験生活が送れるのです。家族,友達,学校の先生などへの感謝の心を忘れずに生活し,受験生活からたくさんのことを得てください。桜が咲くことを願っています。



 

福島大学
人文社会学群経済経営学類1年

平成18年3月英進進学コース卒
住吉台中出身

現役合格はどれだけ早く
勉強を始めるかが全てである


■センター試験で高得点を狙うなら
 英熟語は夏休みまでにマスターしよう


 大学受験を経験して,現役で合格することの難しさを痛感しました。現役は浪人生のような時間のゆとりもなく,厳しい状況で乗りきらなければなりません。その状況にもかかわらず私が本気で受験勉強を始めたのは,夏休みからだった気がします。もっと早くからやる気になっていたら第1志望にも合格できたかもしれないです。
 受験を通して成功だったと思うのは,夏休みに予備校に通ったことです。その場でももちろん勉強になったのですが,なによりその後の勉強の指針となり非常に励みになりました。失敗したのは英単語。熟語を妥協したことです。予備校の先生にも英単語と文法だけは夏休みの間に終わらせろと言われていました。夏休みにはやったつもりになり,自分でも不十分だと気づいているにもかかわらず,中途半端なまま本番を向かえた結果,センター試験では予定の点数を大きく下回ることになりました。熟語は軽視されがちですが高得点を狙うためには必要なものだと思いました。
 私が一番苦労した科目は数学です。他の科目は二次試験で利用するものといえば英語のみで,数学の配点が高かったことから,一番気をつかいましたし,最も時間をかけた科目でした。しかし,センター試験で失敗してしまい,第1志望をあきらめ,結局数学を使わずに終わってしまったので少し心残りです。
 現役で合格するには,どれだけ早く勉強を始めるかが全てだと思います。



 

福島大学
人文社会学群人間発達文化学類1年

平成18年3月特別進学コース卒
高清水中出身

挫折せずに頑張れたのは
仲間と一緒に勉強できたから


■寮生に刺激され常に向上心を
 持って勉強できました


 私の大学受験の結果は,前期で第1志望校不合格という納得のいくものではありませんでしたが,後期で福島大学に合格することができました。私は将来,教育関係の仕事に就きたいと思っているので福島大学への進学を決めました。
 仙台育英での3年間は私にとって試練の連続でした。入学当初は知り合いがいなくて心細いうえ,授業にもやっとついていってるというような感じで3年生の受験シーズンにおいては模試の成績が伸び悩み,受験校を変更しようかとか浪人しようかと本気で考えたこともありました。しかし,担任の石山先生をはじめとする先生方のアドバイスやクラスメイトと休み時間に話をして気分転換をすることによってもう一度頑張ろうという気持ちにさせられ前向きに学ぶことが出来ました。
 また,私は2年生の後半から寮生活を始めました。この寮生活は私に集中して勉強する環境を与えてくれ,周囲の寮生に刺激され,自分の現状に満足することなくいつでも向上心を持って勉強に励むことができました。

■落ち込む暇があったら
 もっと意地になって頑張ればよかった


 英語や国語,政治経済の添削は,自分の弱点を自分で知ることができなかった私にとってはとてもありがたかったです。というのも,答案に書いてある先生の一言は厳しいながらも私の弱点をうまく突いていて,それを克服しようと努力することができたからです。その結果,国語は記述式においてはマスを埋めることができるようになり,マーク式においては1年前と比べてセンターでは30点も多く取ることができました。
 しかし,私が3年間,挫折せずに頑張れたのには,クラスメイトの存在が大きかったと思います。もし,このメンバーと勉強することができなかったら,私は勉強に苦しさしか見いだせず,受験期まで頑張れなかったと思います。
 結果としては,私はセンターで思った以上の点数が取れず,落ち込んでしまいました。前期試験までの1カ月間に踏ん張りが足りなかったために,第1志望校の入試では全然力を発揮できませんでした。今思うと落ちこむ暇があったら,もっと意地になって頑張ればよかったと後悔しています。後輩にはそんな気持ちになってほしくないので,絶対に最後まであきらめないでください。
 先生方,クラスの人たちには本当に感謝しています。ありがとうございました。



 

国際教養大学
国際教養学部1年

平成18年3月外国語コース卒
大河原中出身

一番苦手だった“努力”が
私には最も重要だった


■先生への信頼感が支えとなり
 受験の辛い時期を乗り越えた


 私は高校で留学をして,視野を広げ,自分の目指す将来像を明確にしたいと思い,外国語コースに入学しました。3年生の夏に留学から帰国した時,進学への思いはすでに固まっていました。国際教養大学に行きたいと。それ以外の大学は全く考えられませんでした。この大学は全ての授業を英語で受け,全員に1年間の海外留学が義務づけられています。さらに100人の少人数編成です。このような環境でならば,「尾形貞子さんのように,国連で世界平和に貢献したい」という夢に近づくための,有意義な大学生活を送れると考えました。
 約1年間,日本の勉強を離れていた私が,難関公立大に合格することは非常に困難に思えました。それでも,国際教養大で学びたいという強い思いは,どんな状況でも揺らぐことはありませんでした。この決意が,私の第一の支えとなりました。
 第二に,勉強の遅れを取り戻すには,先生方のご指導が不可欠でした。朝と放課後の講習には必ず出席しました。また,二次対策として,鹿野先生が英字新聞から国際教養大用の独自問題を作って解説してくださいました。苦手だった小論文は,課題文を要約することとセットで練習しました。まず文章の要点を正しく理解することで,鋭い意見を引き出すことができるのです。先生への信頼感が支えとなって,受験の辛い時期を乗り越えられました。
 私が特に力を入れたのは英語です。英語小論文とリスニング対策を兼ねて,毎日ラジオ英語講座を聞いていました。シャドーイングや書き取りをすることで,自然と重要構文や単語が頭に入ってきます。また,その日に覚えた単語などを使って自分で文章を作る訓練をし,先生に添削していただきました。優秀な英語小論文を丸暗記するまで写すのも,効果がありました。

■答えを理解するために問題を解いた
 2倍以上の時間をかけ解答を熟読


 思えば,受験は時間との戦いでした。帰国後,AO入試に主に力を注いでいましたが,11月の末にAO入試に失敗。その時点で模試はD判定でした。しかし,どうしてもあきらめきれずに,それからは一般入試に向けて全力投球しました。
 国語と現代社会は1年生で習ったことを思い出しながらの,ほぼ1からのスタートでしたので苦労しました。塾に行くにも基礎が身に付いていないので,ペースについていけないだろうと思い,先生に1対1での指導をお願いしたり,参考書を何十冊も買いました。その中で特におすすめなのが,国語は「マドンナシリーズ」「中里の即決古文センター試験対策」「田中雄二の漢文 早覚え速答法」「きめる!センター国語現代文」です。教科書を1からやり直す時間のない私に,これらの最重要事項をぎゅっとまとめてある参考書は,大変ためになりました。また,現代社会は「現代社会の点数がおもしろいほどとれる本」をテーマごとに区切ってじっくり読み込み,本当に理解しているかを「短期攻略 センター現代社会」という問題集を解いて確認しました。
 ここまででなんとか基礎力をつけた私は,冬休み以降はひたすらセンターの過去問を解きまくり,覚えるのくり返しでした。7年分の過去問を解き終えると,駿台や河合塾の実践模試問題集をやりました。
 私は模試を計4回しか受けられなかったので,いろいろなタイプの問題をやっておきたくて,大量の問題を解きました。しかし,一番大切なのは自分が理解していなかった点を確認し,正しい答えを理解することです。ですから,解説を熟読するのに問題を解いた2倍以上の時間をかけました。
 こんな私でも,その後の頑張りで志望校に合格することができたのです。ですから,後輩の皆さんには,最後まであきらめずに強い意志を持って試験に挑んでもらいたいと思います。合格するための努力が,私の人生に大きな影響を与えました。一番の苦手だった“努力”が,私にとって一番重要だったのだと実感しました。この時期の努力を思い出すことで,乗り越えていける気がします。



 

早稲田大学
政治経済学部政治学科1年

平成18年3月特別進学コース卒
蛇田中出身

疑問があれば先生に質問する
それが合格を勝ち得た要因の一つ


■寮は勉強に集中できる環境
 有意義に過ごし成績も上昇した


 1年生の時は,漠然と大学に進学するということしか考えておらず,毎日の予習・復習と定期テストの勉強でいっぱいでした。しかし,いつまでもこのまま漠然とした日々を過ごすだけでいいのかという疑問から,2年生には寮に入りました。寮は非常に勉強に集中できる環境でした。周りに友達がいるので困り事はすぐ解決することができ,ホームシックに陥ることもありませんでした。また,部屋にテレビがないので,一人で部屋にいるときも読書をしたり勉強したりと,かなり有意義に過ごすことができました。そのせいか,2年生の後半には成績が急上昇しました。
 2年生の秋から定期テスト対策だけでなく,いわゆる受験対策を始めました。具体的には単語の暗記,数学の基礎固めです。英・数のみで,社会や国語は定期テストを完璧にすることに専念しました。

■模試は必ず復習すること
 “分かったつもり”にならずに勉強すること


 私は1,2,3年全て違うクラスでしたが,3年生で初めてなった1組は,勉強面で刺激を受けることが非常に多いクラスで,受験勉強するには最高の環境でした。3年生になって特に伸びたのは英語と社会でした。英語は1年生の後半から加藤欽子先生に教えていただき,最終的には英語が武器になるほどに伸びました。
 社会は当初,日本史選択で受験する予定だったのを,政治を極めたいという思いから,9月後半にセンターのみで使う予定だった政経に変更しました。政経の池田先生にも英語の加藤先生同様,本当にお世話になりました。ありがとうございました。どの教科も疑問があったらすぐ先生に質問をしてきたことが,合格の要因の一つだと思います。
 その他にも,ほぼ毎日図書館や教室で勉強し,勉強する習慣をつけたこと,模試は必ず復習すること,“分かったつもり”にならずに時間を気にせず勉強したこと,周りの環境がよかったことなどが挙げられます。この合格は渡部先生,石山先生をはじめ,多くの先生方,友人,そして親がいたからこそ勝ち得たものだと思います。地道な努力と向上心と感謝の気持ちを持って,充実した日々を過ごしてください。