“STAND” カラーボトル ライブ Supported by 仙台育英学園“I-Lion-Day”
生徒会挨拶【全文】
 平成21年5月22日、あの日から今日で、4年という月日が過ぎました。

 仙台育英学園100周年記念事業の一環として開催された第11回さつき祭ウォークラリーは、新入生の高校生活第1歩を飾る大切な大切な学校行事でした。

 平成17年5月22日未明、新入生800余名は、仲間たちと元気に楽しく、はるか先にあるゴールを目指し笑顔で多賀城校舎を出発しました。

 そして、出発して間もなくの多賀城市八幡交差点において、その事故は発生しました。横断歩道を青信号で渡っていた生徒たちに向って、飲酒運転常習者と同乗者が乗ったRV車が信号を無視して、制限速度を超えるスピードのまま突っ込んだのです。

 理不尽なその交通事故は、夢途中の生徒3人の尊い命を奪い、数多くの生徒のからだと心に、重く、そして生涯持ち続けると思われる衝撃と障害を与えました。

 仙台育英学園では、事故の犠牲となった生徒3人のご冥福を心から祈り、そしてまた、二度とこのような悲しみが起らないよう、どれほど月日が流れても、この事故を決して風化させない事を誓い、5月22日を『I-Lion Day』と定めました。

 育英生ならば誰でも、あの不条理な事故に対して「なぜ」という疑問を胸に抱いていることでしょう?

 人間の命は、どんな人にとっても冒すことのできない、冒されてならない、尊いものであると思います。それがあの日、無残に葬り去られました。

 あの日、事故に遭遇した私たちの先輩方は、茫然とし、成すすべもなく、無力さを痛感したことと思います。大きな悲しみに接し、亡くなった仲間たちの無念さを思い、むしょうに心の中から、突き上げて来るものを感じたのだと思います。

 先輩方はその後、「自分たちに今、何かできることがないのか」「このことでむなしく手をこまねいていて良いのか」と問い続け、署名活動を通して飲酒運転の根絶を社会に訴えるべく動きはじました。その地道な努力は、平成20年1月1日、全国に先駆けて施行された、「宮城県飲酒運転根絶に関する条例」の制定として、大きく実を結びました。

 しかしながら、私たち育英生の「なぜ」という問いはまだ終わってはいません。飲酒運転という無責任な行為による悲劇が、あの日から何度も繰り返され、罪の無い尊い命が、残酷に奪われ続けています。

 すべての育英生が一同に集った今日、私たち生徒会は、みんなで、新たなプロジェクトをはじめたいと思います。Sendai Takes Action No Drinking & Driving。略して“STAND”と呼んで下さい。

 それは飲酒運転により、理不尽に奪われる命の尊さを知らしめ、飲酒運転による悲劇を繰り返さないためになにができるのかを問い、そして飲酒運転を根絶するために行動を起こす必要性を、全ての人々の心に浸透させる事を目指す運動です。

 飲酒運転は決して大人だけの問題ではありません。車社会の入り口にいる私たち高校生が、率先して問い、考え、そして動き出したいと思います。

 平成21年5月22日“I-Lion Day”の今日、私たちは事故の犠牲となった3人の命の尊さを忘れず、そして先輩方の強い誓いに思いをはせ、飲酒運転が社会から無くなる日に向けて、”STAND”プロジェクトの最初の一歩を踏み出したいと思います。

Sendai Takes Action No Drinking & Driving!
仙台育英生徒会は飲酒運転根絶を誓います!


平成21年5月22日  
仙台育英学園高等学校生徒会副会長 池端
 
 
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