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Sports Clubs & Cultural
and Academic Clubs 2002/2003 |
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平成14年度の部活動を振り返る
■スポーツと大学進学
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部活動と大学進学、
両立させることはできるのかしら…。 |
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部活動と勉強は両立できるのでしょうか。「どちらも、そこそこ」では意味がありません。限られた時間(と体力)をフル活用して、どちらにも全力投球。そして志望大学に推薦で現役進学…。こんな夢を現実にする秘訣を探ってみました。 |
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「文武両道」…
言うのは簡単だけど、
両立は可能なのかしら
「文武両道」という言葉があります。「文」とは学問(文学)。「武」は武道をさすのですが、私たちにとって「武」とは、当然「スポーツ」ということになるでしょう。
この言葉は、仙台育英学園で運動部に所属する諸君なら、一度は耳にしているはず。なぜなら、仙台育英での3年間の学園生活は、基本的に大学進学へとつながっていくのであり、したがって、運動部に所属する諸君は、否応(いやおう)なしに「文武両道」を義務づけられている、ということになるのです。
ですが、「言うは易(やす)し」です。実践するとなると、なかなか難しいようです。
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教養コース3年
小川 俊樹 くん
鶴が丘中出身
東北学院大学
教養学部
教養学科に進学
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練習して家に帰って
そのまま朝までバタンという日々も…
事実、東北学院大学教養学部にスポーツ推薦で進学が決まった小川俊樹くん(ライフル射撃部)は、部活動に熱中にしていた数カ月前までのことを、こんなふうに話します。小川くんは昨年のインターハイ・男子ビームライフルで全国優勝に輝いています。
「ビームライフルの練習は一日も休んではだめ。少し休んだだけで技術も集中力も鈍ってしまいます。ですから、テスト期間中でも自主的に練習場に来て練習に励んでいました」(小川くん)
特別進学コースに所属し、部活のサッカー部ではレギュラー選手として先の全国大会でも活躍した朝光剛くん(青山学院大学法学部にスポーツ推薦で合格)も同じ。「レギュラー選手としてやっていくには、同じサッカー部の仲間たちもライバル同士。だから、テスト期間中はもちろん、部活のない日も筋トレなどで鍛えることをおこたりませんでした」と話します。
「だから練習のある普段の日は部活を終えて寮に帰るのは夜の10時頃。それから夕食を食べて、洗濯をして…。そのまま朝までバタンなんて日もありました」
やはり、「両道」「両立」は難しそうです。 |
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特別
進学コース3年
朝光 剛 くん
旭川緑ヶ丘中出身
青山学院大学
法学部
法学科に進学 |
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大切なのは、短くても
いかに集中するか、
それと机に向かう意志
それでは現実的には「文武の両立」は無理なのでしょうか。
「そんなことはありません」と朝光くんは断言します。
「眠くても1日1時間、それがだめなら30分でもいいからと、机に向かうようにしました。それと、定期テスト前とテスト中。とにかく試験範囲の復習はすべてクリアしようと心に誓い、練習でどんなに体が疲れていても必死の思いで机にかじりつきました。試験準備を終えて窓を見たら夜が明けていたなんてことが何度もありました」(朝光くん)
昨年夏に栄光の全国初優勝を成し遂げた軟式野球部の主将だった教養コース3年の高橋直人くん(仙台大学体育学部に指定校推薦・南光台中出身)の場合はこう。
「自宅で勉強する時間がなかなか取れません。だから普段は授業中にしっかりノートを取るようにしていました。そしてテスト前にそのノートで集中して復習しました」と、大学合格体験記に記しています。
どうやら二人とも「短期集中=短時間集中型」プラス「根性」で乗り越えたようです。
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部活をしていれば
時間的には不利でも、けっして無理ではない
この「短期集中決戦!」について、先の小川くん同様にライフル射撃部で活躍した阿部綾子さん(英進コース3年・日吉中出身・東洋大学文学部に指定校推薦)は、次のように書いています。
「ライフル射撃をやっていて、大会と試験が重なることが何度かありました。とても辛い思いをしましたが、何とか大会で良い成績を残せたのは、練習時間が限られているからこそ能率良く練習をこなすように心がけたから。これは勉強についても同じだと思います。部活をしていれば勉強時間の面
でたしかに不利。でも不利ではあっても“無理”ではないのです」
このように、部活に3年間燃え、さらに志望大学への進学を手にした運動部出身者たちは、限られた時間の中で効率的に勉強時間をつくり、部活の練習に負けないパワーで取り組んでいるのです。
では、このパワーはいったいどこから出ているのでしょうか…。 |
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大切なのは目標、目的意識、
そして自分を ふるいたたせる心
朝光くんと同じように「1日30分でもいい、教科書を読んだり、単語練習をしたり…とにかく勉強する習慣をつけました」と話す特別
進学コース3年の粟井一恵さん(筑波大学合格)。粟井さんは昨年12月、京都での全国高校駅伝で第1区を走ったほか、陸上競技の中長距離選手としてさまざまな輝かしい成績を残しましたが、彼女自身、「両立」のパワーのみなもとを、このように話します。
「特別進学コースにいるのに勉強しないわけにはいかないと、いつも思ってきました」(粟井さん)
では、なぜ特進に入ったのか…。
「高校卒業後は大学に進みたいと考えたからです。結局、私が陸上競技に、そして勉強に頑張れたのは“将来への希望““目標”をつねに心のなかに持っていたから。目標、目的意識が“頑張り”のみなもとだったのです」(粟井さん)
粟井さんとともに、特別進学コースと陸上競技部を“両立”させた鈴木美里さん(立教大学観光学部に合格)も、次のように話します。
「“特進なのにその程度(しか勉強していないの)?”と言われるのは、断じていやでした。その思いが志望大学合格へのパワーになったと思います。それと、周囲からもとても良いパワーをいただいたこと。勉強でわからないところは友達に助けられたし、先生も私を見捨てたりすることはなかったし(笑)、大会の時にはみんな応援してくれました。そんな“仲間”としての一体感が頑張りのみなもとになりました」(鈴木さん)
ここで結論。
結論はとても単純です。大切なのは、目的意識。良い記録を残そうという気持ちが部活を頑張るパワーとなり、志望校へ進学しようという目標が勉強へのパワーとなるのです。みなさんも先輩に負けないで、目的意識、目標を持ち、部活と勉強の「両立」へとトライしていきましょう。 |
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特別
進学コース3年
粟井 一恵 さん
函館的場中出身
筑波大学
体育専門学群
に進学 |
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特別
進学コース3年
鈴木 美里 さん
宮城野中出身
立教大学
観光学部
観光学科に進学
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