DATA2002 就職状況 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ハローワーク仙台【仙台公共職業安定所】からのアドバイス
過去最悪の就職難を突破するには
長い不況で、高校卒業者の就職戦線は悪化の一途をたどっています。高い競争率を勝ち抜いて希望の職種に就くためには、どんな対策を立てればいいのでしょう。仙台公共職業安定所の小野寺職業相談部長にお話をうかがいました。 |
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▼先の見えない不況で就職決定率は過去最低です 昨年度の高等学校卒業者の就職率は、非常に厳しいものでした。平成十四年三月の新規高卒者のうち、求職者数一五五一人に対し、就職者数は一三四四人。就職決定率八六・七%で過去最低です。どの企業も組織のスリム化を図って求人数は年々減る一方ですし、たとえ就職しても派遣就労や短期契約など雇用形態が不安定で、先の見えない状況と言わざるを得ません。今年度の高卒者は、さらに困難な就職活動を強いられるでしょう。 ▼成績よりも人柄重視、仕事への意欲が求められます このような厳しい状況の中で、企業側はどんな人物を求めているのでしょうか。採用選考で重視されるポイントは、まず「人柄・人物」「仕事に対する意欲」。そして「本人の適性」「一般 常識・マナー」と続きます。高卒者に求められるものは、一位が「仕事に対する意欲」。次いで「定着して勤務(欠勤や退職をしないこと)」「社会人としての自覚」。つまり、やる気の有無で判断されるのです。 やる気を見せたいなら、相手企業について入念に調べておいたほうがいいですね。面 接で効果的な自己アピールができるはずです。また、意欲や根気の判断基準となる高校の出席日数はとても大切。なるべく休まないようにしてください。 ▼途中でやめるのは不利! フリーターは評価されません 企業では組織の一員として、長期に及ぶチームワークが要求されます。ところが、せっかく就職しても三年以内にやめてしまう人が半数近くもいます。これはもったいない。おもしろくないからとやめたら、次の職はさらに条件が悪くなる。フリーターは気楽ですが、社会保障を受けられないばかりか、職歴として評価されません。普通 の職のほうが後で方向転換しやすいのです。仕事を決める前に、自分の適性をもう一度考えてみましょう。目先にとらわれず、将来を広く視野に入れれば、早期退職は防げます。 ▼現実を見すえて進路設計をしてください あらゆる可能性を探り、企業を攻める姿勢が大事です。相手がお店であれば、直接訪問して熱意を訴えるのもひとつの手段でしょう。ですが、どうしても希望の職種が難しい場合は、多少回り道してもいいや、くらいの柔軟さを持ってください。 現実をしっかり見すえ、できるだけ近いところでの妥協も必要です。初めは準社員の扱いでも、働き次第で正社員に採用されるかもしれませんし、専門学校などで資格を取れば、新しい道が開けることもありますから。 ハローワーク仙台でも皆さんの就職相談にのったり、仕事をご紹介できますので、ぜひ利用していただきたいですね。 |
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■在校生と卒業生の就職活動を支援 厳しい現実を直視して 将来を考えよう |
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高校生への求人数は、11年の間に5分の1に激減
9月に厚生労働省から出されたデータも、このような状況を裏付けています。7月末時点の段階で、高校生への求人は全国平均で0.50倍。宮城県はというと0.26倍、青森県にいたっては0.09倍という状況なのです。これが、まぎれもない現実。卒業後は就職をと考えている諸君は、まずこの現実を直視することから始めなければなりません。 就職希望の在校生と、未就職の卒業生を支援する就職部 このような私たち高校生の周囲の変化に応じて、今年四月に誕生したのが本校・就職部です。 「本校からの就職者は、かつて100%を誇っていました。それが二、三年前から、卒業しても就職先が決まらない生徒が出るようになってきたのです」と話すのは、就職部長の大場幸先生。 「このような状況に本校も対応していかなければなりません。そこで、 (1)卒業生への就職支援活動 (2)在校生への就職支援活動 という二つの支援活動を柱とした就職部を誕生させたのです」(大場先生) これまで卒業生に対する特別な支援のシステムはありませんでした。それに対して、『IIS(仙台育英学園インターシップスクール)』という名称で、就職先が決まらない卒業生への支援を始めました。 1年間を期限に就職が決まるまで在籍できる『IIS』 『IIS』に所属する卒業生とは定期的に連絡を取り合いながら求人情報の提供や面 談による職業紹介指導などを行います。在籍できる期間は就職先が決まるまで。最長で一年間です。 『IIS』を発足させた目的は卒業生への求人情報提供に加えて、もうひとつあります。「高校を卒業した時点で就職先が決まらなければ、その卒業生は『無業者』ということになってしまいます。そうなると、就職はますます不利になります。『IIS』をつくったのには、そのような不利を防ぐ目的もあるのです」(大場先生) そして、もう一つ。就職を希望する在校生の活動を支援する『I-LOVEワーク』です。 『I-LOVEワーク』は、就職を希望する在校生に対して「早期から職業人としての意識を持たせ、それを高めていくこと」を目的としたもので、『I-LOVEワーク講座』という名称の就職対策講座が定期的に開かれています。 ![]() ある日の講座を覗いてみることにしましょう。場所は宮城野校舎の中講義室…。 「今日は時事問題として『非核3原則』をテーマに取り上げてみます」と、就職部・就職指導課の安藤孝先生。安藤先生は日本国憲法9条の戦争放棄のことや、かつての日ソの冷戦時代のことなどを語りながら『核兵器の問題』を進めていきます。 そして、「では、ビデオを観ることにしましょう」。ビデオプロジェクターには、日中戦争から南京大虐殺、太平洋戦争勃発、ガダルカナル島敗北、そして広島、長崎への原爆といったNHKの番組から編集された映像が流れます。 ビデオが終了すると、安藤先生の解説。そして、「いまのビデオをテーマに感想文を書いてみましょう。題名は『非核3原則問題についての私の考え』。自分の考えを自分の言葉でまとめてください」。 続いてレポートタイムが始まります…。 「この講座の目的は時事問題を題材にして『読む』『聞く』『書く』の3つの力を養うこと。就職試験の面 接や作文では、自分の考えを自分なりにまとめて、それを言葉や文章で表現する力が試されますから」(安藤先生) 続く松原潤一郎先生(就職指導課長)の情報講座では、『履歴書の書き方』というタイトルのプリントをもとに、記入する際のポイントや注意点などが細かく語られていきます…。 無視できない『未就職高卒者200万人』という現実 「これが就職希望の在校生を支援する『I-LOVEワーク講座』。でも、これを受講したから卒業後の就職が約束されるとは勘違いしないでください」と、大場先生。 「今年春、内定先未定のままに卒業した高校生の数は、全国で200万人にものぼっています。生徒諸君が将来の進路を考えるときに、この現実を無視することはできません。たとえば、大学あるいは専門学校に進んで社会に出て役に立つ専門知識や技術を身につける…。そんなふうに『将来への選択肢(せんたくし)』を広げてみることも大切なのかもしれません」(大場先生) |
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