仙台育英学園高等学校平成23年度卒業式 送辞【全文】
 

 厳しい寒さがまだ残りつつも、日差しの春の訪れが感じられる季節となりました。このような佳き日に卒業生の皆様が晴れて高等学校の全過程を了えられご卒業を迎えられましたことを在校生一同、心からお祝い申し上げます。

 希望を胸にこの仙台育英学園高等学校の門をくぐってから早三年、かけがえのない様々な思い出が走馬灯のように、頭に浮かんでいることでしょう。そして新たな生活への期待で先輩方の胸は、いっぱいになっていることでしょう。お別れに際して目を閉じると、私たち在校生にも先輩方と共に過ごした数々の思い出が蘇ってまいります。入学したばかりでおろおろしている私たちに優しく声を掛けてくださったあの時から、先輩方は常に私たちの模範でした。部活動においては、地道な練習が実を結び、ライフル射撃部やラグビー部、陸上部、また文化部では、書道部の全国レベルでの活躍、全校生徒一丸となって取り組んだ「育英祭」での各部の素晴らしい展示やステージ発表、このような先輩方の勇姿は仙台育英ライオンスピリッツを形として私たち後輩に示していただいたように思います。また、毎日遅くまで教室や図書館で必死に勉強されている先輩方の姿がありました。そのひたむきに努力する姿を拝見し、進路希望を実現することの厳しさと、夢に向かって頑張るという強い意志を感じることが出来ました。この先、先輩方は進学に就職にと、それぞれの道を進まれるわけですが、先輩方の前途には素晴らしい未来が開かれているとともに、その道は決して平坦なものではないと思われます。

 昨年起きた、東日本大震災では、宮城野校舎が、校舎再建を余儀なくされ、プレハブ校舎での授業で真剣に学ぶ先輩方の姿がありました。国内においても未だ不況を脱しきれず、若者たちの行く手には厳しい就職難が待ち受けています。このような時代に自分を見失うことなく、夢の実現に向かって進んでいくことは容易なことではないでしょう。しかし、そんな時こそ先輩方がこれまで乗り越えてきた苦難や仲間との楽しい思い出、この学び舎で身につけた知識が役に立つことと思います。本校でめぐり会った友人たちとの「絆」を生涯の宝とし、信念を持って未来を切り拓いていってください。私たち在校生も「至誠・質実剛健・自治進取」の建学の精神に磨きをかけて先輩方が熱い思いを託して築き上げてこられた、この仙台育英学園高等学校を大切にし、その伝統を受け継ぎ、さらに発展させる覚悟です。先輩方もこの母校、仙台育英学園高等学校をいつまでも忘れることなく温かく見守り、ご支援くださいますよう心からお願い申し上げます。

 最後に卒業生の皆さまのご健康と、さらなるご発展を心よりお祈り申し上げ、在校生代表の送辞とさせていただきます。


平成24年3月1日
在校生代表

 
 
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