『宮城野萩だより』Vol.8
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石巻支部長 
後藤 宗徳
各支部の活動状況
石巻支部からの報告
 
『はじめの一歩』

 一九〇五年、加藤利吉先生は、仙台に私塾「育英塾」を設立しました。これが仙台育英学園の「はじめの一歩」です。そして本年、学園は創立百周年を迎えました。記念すべき慶びに溢れた年です。一人の若者が運転した暴走車による事故がなければ…。歴史を紐解くと、一九〇五年は日露戦争が終わり、ポーツマス条約が締結された年であります。世界を巻き込んだ不幸な大戦に向かって、日本が国民に痛みを強いることを余儀なくされた時期であったと思います。しかし、そのような激動の時代の中で、学園創立者である加藤利吉先生は、「至誠」、「質実剛健」、「自治進取」を説き、これを「建学の精神」とし、次代を担う青少年の育成を目指されました。先生は「混沌」とした時代の中に新たな「希望」を見出そうとされたのではないでしょうか。
 百年前の日本が、国民に悲しみと困難をもたらした中で、加藤利吉先生が勇気をもって踏み出された「はじめの一歩」が、今日の学園の礎になったのであれば、今年五月の理不尽な事故が、たとえ私達に深い悲しみをもたらしたとしても、学園と私達親が踏み出す次なる「はじめの一歩」は、学園の新たな百年に向けて、極めて大切なものであると考えます。
 大森前支部長から支部運営を引き継ぎ、石巻支部として如何なる「はじめの一歩」を踏み出せば良いのか? 浅学な私は戸惑いを覚えるのも事実です。その答えは、「建学の精神」の中に学びたいと思います。温故知新、先人の志に学びながら、考えながら、出来る事から一つずつ始めて参りたいと存じます。
 今年の石巻支部の事業と致しましては、五・二二救援委員会への協力、学校訪問の実施、総会、諸会議の開催等さまざまです。全ての事業が、仙台育英学園のさらなる飛躍の百年をかなえるための礎となるよう、支部会員二五〇余名の皆さんのご協力をいただきながら、自由闊達で一体感のある支部運営を心がけて参る所存です。
 皆様のご指導ご鞭撻を、心からお願い申し上げます。
   
前 石巻支部長
大森 信治郎
三年間を終えて

 平成十四年度から三年間石巻の支部長を務めさせていただきました。この間支部の役員や会員の皆様、そして参与の先生方に大変お世話になり、まずもって御礼を申し上げなければなりません。
 三年の間に皆様のご協力をいただきながら、支部運営の充実を図るためのいくつかの試みを実施することができました。卒業記念品の廃止や支部会費の初年度一括納付といった合理的で効率的な運営確保のための試み。昨年実施いたしましたライオン・フォーラムと銘打った講演会など学校と保護者間の交流の試み。こうした一連の新しい流れが生まれたのは、役員の皆さんの大きな力の賜物だと思います。
 支部事業の折々に加藤校長先生はじめ学園の先生方のお話をうかがうのが、私にはとても楽しみなことでした。特に加藤校長先生のお話は、教育や学園づくりに対する情熱と新しい発想、知悉に溢れていて、いつもお話に惹き込まれました。その度に仙台育英学園で子供たちを学ばせることができることに感謝したい気持ちになったものです。教育にはやはり情熱と人間的魅力が何より大切であることを大いに実感いたしました。
 さてこの度、支部長の役割を後藤宗徳さんに引き継いでいただくことになりました。個人的なことで恐縮ですが、後藤さんとはもう二十年来のお付き合いをさせて頂いており、私は氏を深く敬愛する者の一人です。後藤さんの誠実な運営が今後の支部の充実、発展につながることと確信しております。
 最後に三年間お世話になりました皆様に改めて感謝申し上げたいと存じます。今後の学園のさらなる発展と支部活動の充実を祈りつつ…、心より、ありがとうございました。
   
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