一歩進んでみる勇気が芽生えたとき
私は変わることができました。
春の息吹が感じられる今日この頃、私達九十三名が、お世話になった諸先生方や、ここまで育てて下さった方々に見守られ、晴れの卒業式を迎えることができますことを、大変嬉しく思います。
私達卒業生は、置かれた境遇はそれぞれでしたが、私達の高校生活の最終目標である卒業資格の取得に向け、自学自習に励み、理解できない箇所があれば先生方の温かい御指導や仲間、家族の励ましのもと、問題を解決することができました。支援してくださった皆様には、感謝の気持でいっぱいです。
さて、自分自身のこの三年間について振り返ってみると、入学当時は高校生活が続けられるかどうか大変不安でしたし、通信制課程独特の生活スタイルになじむことも難しく感じられました。学校に通うこと以外にしてみたいことがわからず悩んだこともありました。しかし、このまま悩んでいても事態は変わらないと気付いた時、私の考えは変わりました。一歩進んでみる勇気が芽生えた時、私は変わることができたのです。
それからの私は、アルバイトやボランティア等、学業以外の豊富な時間を有意義に使うよう心がけました。実際の社会の厳しさも身をもって感じることができましたし、大切な仲間と出会うこともできました。また、自分の時間を多く持つことができたことで、その時間が自分の今の状況や、将来のことについて考える時間となりました。
私は、これまで述べたような経験をしてきましたが、私に限らず、この場にいる卒業生一人ひとりがさまざまな経験をし、自分を高めていったことでしょう。私の場合、入学当初は今に比べ、考え方も態度も幼かったように思います。今の自分に成長したのも、通 信制に身を置き、自分のことを自分で考える重要性を身に付けた結果だと感じています。在校生の皆さんも、自分の時間を大切にし、何かひとつ打ち込めるものを見つけることで、高校生活がより充実したものとなり、今後の人生に生かされるはずです。
最後に、校長先生を始め、私達を温かく見守り、時に助けて頂いた、私達の周りの全ての皆様に、卒業生を代表して厚く御礼申し上げ、答辞といたします。
平成16年3月12日
仙台育英学園高等学校 通信制課程 卒業生代表
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