学校法人仙台育英学園 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程 学校法人仙台育英学園 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程

MENU
CLOSE

INFORMATION INFORMATION

2022.03.22

ILC沖縄 令和3年度 第8回卒業証書授与式

新校舎「栄光」にて
初めての行事である
卒業証書授与式が挙行

 
 
 令和4年3月22日(火)仙台育英学園高等学校 ILC沖縄の令和3年度 第8回後期卒業証書授与式が、新校舎「栄光」の体育実習室1で挙行されました。この日、卒業を迎えたILC沖縄の卒業生は33名。新型コロナウイルスの感染対策を万全にした上で進行されました。
 高校卒業資格となる卒業証書は、加藤雄彦校長先生から卒業生一人ひとりに手渡されました。校長先生の式辞では、次のように温かい激励の言葉がありました。
「今日、この新しい校舎で初めての卒業式が行われます。東日本大震災から1年が経過した10年前、まだまだ被災地の先の見えない状況から、深い喪失感におちいってしまいました。そのような時に、沖縄の青い海を見たいという思いから幾度となくビーチにたたずんでいたことがあり、しだいに沖縄のたくさんの方々から温かい言葉をかけられ受け入れていただくようになりました。それが沖縄にこの学校を作りたい、という決意のもととなっています。
卒業する皆さんが社会に出て出身校を聞かれることがあればぜひ「仙台育英学園高等学校です」と答えてください。本校には7万5千人を超える卒業生がいますので、沖縄県に限らず日本中に先輩たちが活躍しています。その先輩たちと同じように仙台育英学園の建学の精神である「至誠力行」という言葉を思い出してください。それは変わらない「真心」と置き換えることができます。今までは当たり前だと思っていたことが覆されることが今、目の前で起きています。仙台育英で身につけた「真心」を持って、これからの時代を生き抜いてほしいと思います。この後、3月24日に開校式が控えているのですが、新しい校舎で初めての行事として皆さんの卒業式を行うことができたことに、とても嬉しく感慨深い思いでいっぱいです。卒業おめでとうございます。」
 答辞では卒業生代表が、「学び方は人それぞれ。いろんな方法があることを実感させられた高校生活でした。どんな苦しい時でも目標を持って諦めなければ必ず達成できる。そんな私たちには、一緒に頑張る人がいる。いつでも応援してくれる人がいる。私たちはそれぞれのペースではあったがやり遂げることができた。それを大きな自信として社会へと踏み出していきたいと思います。」と力強い抱負を述べました。
 

卒業生代表答辞【全文】

  
私たち三十三名は今日ILC沖縄を卒業します。コロナ禍の厳しい中真新しい校舎で卒業式を挙行してくださりありがとうございます。私たちはそれぞれが過ごしてきた高校生活を振り返りながら、ほっとした思いとお別れするさみしさを感じています。
中学二年生の夏、学校へ行けない日々が続いた私は卒業するまで登校できませんでした。出席日数の関係で全日制高校は難しいだろうと言われましたが、たとえ失敗しても今後の経験に繋がるだろうと思い受験しました。残念な結果にはなりましたがその経験は今でも高校生活や仕事に生かされています。その後、知人の紹介でILC沖縄と出会い、学校見学をした時先生方が個別で生徒と勉強している姿を見てこの環境の中で私も学びたいと受験を決意しました。
しかし、受験を決めたものの中学を卒業したばかりの私には入学するだけの学費の準備がありません。子どものために一人で苦労している父をみていたので金銭面では負担をかけたくないと思い入学のための学費作りから私の高校生活は始まりました。十六歳で職業サポートステーションに通い、十七歳で介護施設での三か月間の職業訓練の後アルバイト生として働き始めました。保育士に興味のあった私でしたが介護の知識や経験は将来親の介護を必要とするときに役に立つのではないかという思いもあり、しばらく施設で働き、学費のめどが立ち無事ILC沖縄に入学できました。
入学当初は好きな勉強ができることへの喜び、どんな先生がいるのだろう、どんな行事が待っているのだろうなどと、どきどきとわくわく感でとても新鮮な気持ちだったのを覚えています。それと同時に慣れない仕事と両立できるのかという不安もありました。
 実際に入学してみると、仕事と学校の両立は思っていた以上に大変でした。職場のお昼休憩時間を利用してレポートを解いたり、では夕飯作りなどの家事の後時間をみつけ勉強したり、分からない所は学校で先生方からスクーリングを受け一枚ずつレポートを仕上げていきました。忙しさで提出期限ギリギリになることもありましたが一枚仕上がるごとに達成感と安心感を得ることができました。時間が経つごとに段々と計画を立て時間をうまく使うことができるようになり、それは普段の生活でも生かされています。
二年、三年と仕事の関係でなかなか行事に参加できなくなりましたが、一年生の時の新入生歓迎交流会では、バーベキュー、ビーチバレーボール、ビーチクリーンなど皆でやる行事はどれも楽しく高校生活の中のいい思い出の一つになっています。
高校生であると同時にアルバイトとはいえ週四回の介護の仕事です。
仕事が未経験の私はとても不安でした。それでも、職場の方々に教えてもらいながら、一年かけて仕事の流れが分かり、働くことの楽しさや大変さが分かるようになりました。しばらくたって仕事に慣れた頃、先輩職員から「瑳椰花さん周りを見て動けていないよ。」と指摘され自分の仕事を振り返った時それに気づき、今では周りを見て自分が何をすべきか判断して積極的に動けるようになりました。さらに人前に立つことが苦手だった私は、今では利用者さんの前に立ち笑顔で楽しくお話ができるようになり仕事の面でも成長できたような気がします。
 順調に行っていた三年生の四月、大きな壁にぶつかりました。勉強、仕事、家事の両立が次第に難しくなり、その上仕事の悩みも重なり何度もプレッシャーに押しつぶされそうになりながら泣いてしまうことも度々ありました。気持ちがいっぱいになり好きな学校に行くのも嫌で自分が何のためにどうして勉強しているのか分からずいっそのこと学校を辞めてしまおうかと投げやりになるその一方でもう一人の私は、今辞めると自分が目標としていることや将来の夢、取りたい資格、専門学校への進学・・・色んなことが自分から遠ざかってしまう。これまで学校、仕事、家事と両立して頑張ってきたのに本当にそれでいいのかと自問自答する毎日でした。
今辞めたらきっと後悔してしまう。卒業したい。夢を叶えたい。これまで頑張ってきたことを無駄にしたくない。大丈夫。もう少しだけ頑張ろうと自分に言い聞かせ今日までやってきました。迷いのある私の背中を押し応援して下さった先生方の言葉が私に自信を与え、また前へ進む力となりました。
私には夢があります。卒業後は、美容師の資格を取得し介護美容師になることです。アルバイト先の施設利用者さんにヘアアレンジしてあげたときに「こんな年寄りを可愛くしてくれてありがとうね。」という言葉と笑顔をもらいとても嬉しくなりました。将来は介護美容師となってもっとたくさんの笑顔に出会いたいと思います。
私たち、三十三名の高校生活
在籍年数、年齢、環境、楽しかったこと、辛かったことみな違います。
子育て、仕事、家族の世話、休学、学び直しの再出発・・・
学び方は人それぞれ。いろんな方法があることを実感させられた高校生活でした。どんな苦しい時でも目標を持って諦めなければ必ず達成できる。そんな私たちには、一緒に頑張る人がいる。いつでも応援してくれる人がいる。私たちはそれぞれのペースではあったがやり遂げることができた。それを大きな自信として社会へと踏み出していきたいと思います。
全くの初心者の私に一から仕事を教えてくださり、悩んだ時には話を聞きアドバイスをし、また、仕事に向かわせてくれた職場の方々いつでも優しく丁寧なスクーリングをしてくださった先生方。辛い時や困った時に話を聞いてくれ一番近くで支えてくれた家族。これまで、色々と心配や苦労をかけてきましたが、ここまで来ることができたのは家族のお陰です。卒業とはいえ、まだまだ学ぶことも経験することもたくさんあります。次の目標に向かう私たちをこれからも見守っていてください。
今日晴れて、加藤校長先生から直々に卒業証書が授与されました。決して平坦な事ばかりではなかった私たち一人一人に、「いつも安心して自分らしく学習できる場所」を与え、ここまで導いてくださいました加藤校長先生をはじめILC沖縄の先生方、本当にありがとうございました。
今日の日の喜びを心にとめ、仙台育英学園の卒業生としての誇りを持ち、新たな道を歩んでいきます。
これまで支えてくださったたくさん方々に感謝するとともに、仙台育英学園高等学校がますます素晴らしい学校になることをお祈りし、答辞といたします。
令和4年3月22日
仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC沖縄
令和三年度後期 卒業生代表  下門 瑳椰花

INFORMATION