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2022.09.22

ILC沖縄 令和4年度 第7回前期卒業証書授与式


12名の卒業生がILC沖縄を
力強く旅立ちました!!

 令和4年9月22日(木)仙台育英学園高等学校 ILC沖縄の令和4年度 第7回前期卒業証書授与式が、栄光校舎の体育実習室1で挙行されました。この日、卒業を迎えたILC沖縄の卒業生は12名。新型コロナウイルスの感染対策を万全にした上で進行されました。
 高校卒業資格となる卒業証書は、加藤雄彦校長先生から卒業生一人ひとりに手渡されました。校長先生の式辞では、次のように温かい激励の言葉がありました。
 仙台育英学園が創立して、今年の10月1日で117周年となります。仙台育英学園の校長を務めるにあたり、校長職としてのレシピがあります。レシピは、代々伝わる「秘伝のタレ」とも言い換えられます。つまり校長として「これだけはしっかり守らなければならない」と受け継がれてきたものがあります。1つ目は『情熱もしくは熱意』2つ目は『能力』。この情熱と能力があれば、物事はプラスになります。そして3つ目に大切なものが『考え方』です。どんなに情熱や能力があっても、マイナスの『考え方』が掛け合わされることで、結果はマイナスになってしまいます。しかし『考え方』がプラス思考の場合は、結果は自ずとプラスになります。実は『考え方』しだいで、結果に大きな差が出てしまうのです。仙台育英学園の創立者である加藤利吉先生は、縁もゆかりのない仙台の地で、ゼロから一つひとつ学校を作り上げました。117年の歴史の中には、戦争や震災など様々な禍もありました。しかし、そのたびごとに歴代の校長はレシピである『プラスの考え方』を用いて乗り越えてきました。東日本大震災で校舎に大きなダメージを受けた時は、建て替えのチャンスと捉えました。「借金は人生の財産である、私が背負えばいい」と考え方をプラスに転換しました。ここで卒業生の皆さんにお願いがあります。物事を成し遂げるときには、マイナスの『考え方』にならないように心掛けてみてください。そうすれば『情熱と能力』は『考え方』によってプラスになり、必ず大きな力となります。この「秘伝のレシピ」を卒業の餞の言葉としてお祝い申し上げます。
 答辞では卒業生代表が、「無駄のように過ぎ去っていった時間もありました。しかし、過去があるから未来があり、そこにあった数々の経験から今の自分へと成長できた。自分なりの目標を持ち、それに向かって進んでいくことで達成できる。私たちは自分に合った方法でやり遂げることができた。それは大きな自信となりました」と力強い抱負を述べました。
 

卒業生代表答辞【全文】

 私たち12名は、今日ILC沖縄を卒業します。コロナ禍の厳しい中、卒業証書授与式を挙行してくださりありがとうございます。
 中学2年生の秋、私の両親は離婚しました。元から学校生活が好きではなく学校へ行くこと自体が面倒くさいと家でゲームばかりしていた私は両親が原因で学校に行かないのだと周りに思わせていました。それでも何とか全日制高校に入学はしたものの、長い間続いた古い習慣はなかなか消えるものではありません。出だしは良かったのですが、1日さぼり、それが2日に変わりやがて1か月に・・・そのうち「高校は卒業しなくても生きていけるんじゃない?」と思うようになり、中退を決断し週6日飲食店で働き始めました。淡々と仕事をこなす日々が続きやがて結婚しました。シフト制なので勤務時間が不定期で家族とのすれ違いが多く結婚生活、そして家庭を築いていくには思い描いていたものとは程遠いと、昼間の仕事に転職しました。転職後は以前より休みが取れ、家族と過ごす時間も増えました。ただ、面接の際に「中卒ですが大丈夫ですか。」と尋ねた私に「中卒でも働けるけど、それ以上を目指すなら高卒でなければならない」と答えた面接官の言葉が頭に残りました。世の中では高卒が当たり前だと感じる瞬間でした。
 また、我が子には「嫌なことは逃げるのではなく、立ち向かえ」と自信を持って言えるような、自慢できる親になりたいと思い、妻の一押しもあって高校卒業資格に向けての第1歩へと踏み切りました。妹たちが通っていることもあってⅠLC沖縄に決め、やがて学校生活が始まりました。運転免許取得以来久しぶりに手にする教科書と、初めてのレポートにはなかなか慣れないでいました。「それでもやらなきゃ」と思っていざ始めようとするものの仕事から帰れば家のことが気になり、子育てや家事、仕事の課題もあり、中々進まない日々が続き、気持ちは焦るばかり。「学校へ行けば何とかなる」その思いで仕事が休みの日にとりあえず学校へ。登校初日、来たのはいいが右と左も区別がつかない迷子のようでした。 先生方の挨拶で迎えられ、目の前にあるのは勉強用の机と椅子。 「あ、ここで勉強するのね」、と、持ってきたプリントを手に取ると、不思議と手が進みました。 気づけば数時間が経ち 「これでやっとレポート数枚完成!」 少し進んだ喜びと同時にまだまだ残る課題の山積みにため息。それでも第一回のレポートがすべて終わった時には久しく味わうことのなかった達成感と締め切り期間の縛りが解けた解放感がありました。学校に来ると不思議と勉強の手が進む、自分にとっての学校はレポートだけに集中でき、分からない問題があれば先生方が1つ1つ丁寧に教えてくれる、卒業に向けて不可欠な場所へと変わっていました。
 そんな中新型コロナが流行し、仕事にも影響が出始めるようになりました。仕事の休みと学校の開いている日が中々合わず、1ヶ月程登校できない時期もありました。やっと時間が取れ久しぶりの登校の日です。「なぜ来ないのか」と、責められるのではないかと少し不安な気持ちでいた私に、「お久しぶり!」と、まるで数日前にも来たかと思わせるような笑顔で迎えられ、再びレポートに集中することが出来ました。ホッとしたのも束の間。また次の課題が待っている。その繰り返しの日々が続き、だんだんと卒業の日へと近づいていきます。卒業を迎えた今年、新しい校舎ができて体育の授業が受けやすくなり、ICT室もできるなど施設も充実しています。時間に少し余裕があれば学校を通したeスポーツにも参加してみたかったです。夏には、甲子園初優勝という快挙もありました。
 振り返ってみると、高卒が当たり前だと感じた瞬間。全日制を中退し自分にあった通信制高校に代わったこと。登校初日、右も左も分からない迷子のような私たちを笑顔で迎えてくれたこと。学校で何時間もレポートに取り組んだこと。無駄のように過ぎ去っていった時間もありました。しかし、過去があるから未来があり、そこにあった数々の経験から今の自分へと成長できた。今、私は育児休暇をもらいながら生まれたばかりの娘と、3歳の娘の育児や家事を妻と一緒にする毎日です。自分なりの目標を持ち、それに向かって進んでいくことで達成できる。私たち12名は自分に合った方法でやり遂げることができた。それは大きな自信となりました。そんな私たちの周りには、家族や友人、職場の方。そして先生方。いつでも応援してくださるたくさんの人たちがいたことを忘れません。
 今日、加藤校長先生から卒業証書が授与されました。「高校卒業したいという希望から可能性が生まれ、その可能性を現実へと変えてくれたILC沖縄」。決して平坦な道ばかりではなかった私たち。そのありのままの姿を受け止めて、ここまで導いてくださいました加藤校長先生をはじめILC沖縄の先生方、本当にありがとうございました。今日の日の喜びを心にとめ、仙台育英学園の卒業生としての誇りを持ち、それぞれの道を進んでいきます。
 これまで支えてくださったたくさん方々に感謝するとともに、仙台育英学園高等学校がますます素晴らしい学校になることを願い、卒業生代表のあいさつといたします。
 
令和4年9月22日
仙台育英学園高等学校 広域通信制課程 ILC沖縄
令和4年度前期 卒業生代表 
東江・ギディオン・クリスチャン

【問合せ】
電話番号 098-930-4111
〒904-0021
沖縄市胡屋2丁目6番17号
《問合せ時間 9:30〜17:30》

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