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2023.03.24

ILC青森 令和4年度第21回後期卒業式

ここで学んだことを胸にこれからの
人生をしっかりと歩んでいきます

 3月9日(木)、仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC青森の令和4年度第21回後期卒業式が八戸グランドホテルで行われました。卒業生は93名。高校卒業資格として卒業証書が加藤雄彦校長先生から代表生徒に手渡され、卒業生たちは、晴れやかな表情で巣立っていきました。
 

卒業生代表答辞【全文】

 
 冬の寒さの中にも、朝の陽ざしが春の訪れを感じさせる今日、私たちは卒業の日を迎えました。本日は、このような厳粛な卒業証書授与式を挙行してくださりありがとうございます。
 
 私は、この4月から自衛官として働くことになりました。現在は、この仙台育英学園高等学校ILC青森で過ごしてきた日々に満足感を感じ、自分の将来について不安はありながらも、前向きな気持ちでいます。しっかり前を向いて歩いて行けるという自信もついてきました。
 
 しかし、ILC青森への転入学を決めた2年半前の秋、私は不安でいっぱいでした。通信制高校について何も知らず、どのような授業スタイルなのか、進路についてはどうなっていくのか分からないことだらけでした。それでも、自転車に乗り頬に当たる風を感じながらの初登校の日には、よおしやっていくぞ!という気持ちに包まれていました。
 スクーリングやレポートなどの通信制のシステムに徐々に慣れ、この調子でやっていけるかと思っていたころ、精神的に不安定になり登校が難しくなりました。テストも近く、行かなければならないと思えば思うほど苦しくなっていました。その学期での単位修得を諦め、また4月からやり直そうかとも考えたほどでした。
 そんな時、まずは先生に話を聞いてもらうことにしました。この頃の私は、自分で自分を否定してばかりでした。こういう状況にあるのは、全て自分が弱いからだと自分を責めていました。しかし、先生は私のことを一度も否定せずに、私が話す一つ一つを受けとめ認めてくださいました。その時の私にとって、それがどんなに救いになったことか。それから私は、一歩一歩歩みを進め、絶望的に思っていた全科目の単位取得もでき、無事に2年生の春を迎えることができました。
 
 学習と同時に多くの魅力的な行事もありました。夏、種差海岸での外来植物の駆除、冬の山形仙台研修旅行、そして今年の夏の木下大サーカスなどなど。山形仙台研修旅行では、Fさんという友達もできました。自由時間にいろいろなお店に行ってご飯を一緒に食べたり、自分たちの好きなものを共有したりと、楽しくて安心できる時間を過ごしました。
 私が自衛隊に興味をもったのも行事の一つである「社会人養成講座」に参加したからです。それまでは、進路について漠然と大学進学などを考えていました。社会人養成講座をきっかけに自衛隊に興味をもってからは、学校で様々なお話を自衛官の方に直接伺ったり、自衛隊基地の見学、ヘリコプターの体験搭乗を経験したり、先生方が多くの機会を設けてくださいました。それまでの私には、自衛官になるなどの選択肢は全くありませんでした。ILC青森に来てあの社会人養成講座に参加できたからこそ、昔の自分なら考えもしなかった人生を選択できたのだと思います。いろいろな経験が人生を作っていくのだという思いを今実感しています。
 
 私は、高校在学中に大きく変わりました。以前の私は、周りの目ばかりを気にして生活していました。やりたいことがあっても、人に何か言われるのではないかと不安で挑戦できませんでした。一人ぼっちだと思われるのが怖くて、一人で行動することもできませんでした。しかし、今の私はこう考えています。「周りの人にどう思われようが自分のやりたいことをやればいい。人生は思った以上のスピードで過ぎていくのだから、他人の目など気にしている暇はない。まして、人の行動に無責任に口出しする人の言うことに左右される必要はない」と。一人でいる時間を怖がっていた私でしたが、一人で行動する自由さ、自分で考えて決定するすがすがしさを感じ、今では一人でいる時間を大切にしていきたいと考えています。
 
 先生方には、先生としてだけでなく人生の先輩として相談にのっていただいたり、アドバイスをしていただいたりしました。本当にありがとうございました。
 転入学する前も、後も、常に味方でいてくれた両親。感謝の気持ちでいっぱいです。たくさん心配をかけたけれど、無事に卒業することができます。本当にありがとう。
 
 今日まで共に学んだみんなへ。たくさん話をすることはなかったけれど、同じ教室にいて、みんなお互いにそれぞれ悩んだり苦しんだりしてここにいるのだなと感じていました。同じ教室にいるだけで、どこか安心できる自分がいました。春から、それぞれの場所でまた歩んでいきましょう。
 
 私たち93名、ここで学んだことを胸にこれからの人生をしっかりと歩んでいくことをお誓いしてお別れの言葉と致します。
 
令和5年 3月9日 
卒業生代表

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