学校法人仙台育英学園 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程 学校法人仙台育英学園 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程

MENU
CLOSE

INFORMATION INFORMATION

2024.03.11

ILC沖縄 令和5年度 第10回後期卒業証書授与式


学び舎で過ごした思い出を胸に31名の卒業生が旅立ち!

 令和6年3月11日(月)仙台育英学園高等学校 ILC沖縄 「令和5年度 第10回後期卒業証書授与式」が、栄光校舎の体育実習室1で挙行されました。この日、卒業を迎えたILC沖縄の卒業生は31名。高校卒業資格となる卒業証書は、加藤雄彦校長先生から卒業生一人ひとりに授与されました。校長先生からは、式辞の中で次のように温かい激励の言葉が卒業生に送られました。
 「今日は卒業される皆さんに心からお祝いを申し上げたいと思います。ご卒業おめでとうございます。これをもっていよいよ皆さんたちは仙台育英学園の同窓会に入会されることになりますが、その同窓会にはすでに79,000名の同窓生がいます。卒業生の皆さんたちが加わることによっていよいよ80,000名台となり、その同窓生たちは皆さんにとって大変大きな力になります。あなたはどこの出身ですか?と聞かれた際は、胸を張って仙台育英学園ですとお答えください。必ずや同窓生が力を貸してくれることでしょう。
 さて、本日、3月11日はご存知のように、東日本大震災が発生して13年目を迎える日となります。13年目を迎えるにあたり、国境なき医師団で働いた経験を持つ上里様とお話しする機会がありました。上里様は東日本大震災の際もボランティア活動等に尽力された方です。お話しの中で「非日常は日常の中にあり、非日常は特別なことではなく当たり前のことです」とお話をしていました。本学園の創立者である加藤利吉先生は戦争に参加し、非日常を経験しました。非日常的な恐ろしい体験をした利吉先生は、非日常がおこらないように仙台育英学園の最終目標を「世界平和」と定め、教育活動に取り組んできました。校長として、そしてこの学園を代表する理事長として、この沖縄が非日常の時を迎えないようにするため、皆さんと共に学ぶ「学び舎」を作りました。これは沖縄県の地元の皆さんの「真心」に基づくところです。この真心を大切にしながらこれからも仙台育英学園は歩んでいきます。どうぞ皆さんたちも何かあったら、特に辛いことがあった際は、この学び舎を訪れてみてください。自分が手にした卒業証書とその時の思い出をもう一度反芻した時に、勇気と元気を取り戻し、この厳しい社会の中でまた何とか頑張ってみよう、そう思ってくれるはずです。卒業おめでとうございます。」
 また、答辞では卒業生代表が、「私たちはこれから自分の足で新たな道へと歩んでいきます。目の前にある新たな世界への期待と同時に不安もあります。大きな壁にぶつかった時は、ILC沖縄で得た学びや経験、思い出を心の支えとし、仙台育英学園の卒業生としての誇りを持ち力強く進んでいきます。」と力強い抱負を述べました。
 
卒業生代表答辞【全文】
 
 柔らかな日差しに春の訪れを感じます。このような穏やかな日に素晴らしい卒業式を挙行してくださりありがとうございます。卒業生一同心より嬉しく思います。私は高校2年生の12月に全日制高校からILC沖縄に転学してきました。小学生のころからパティシエになる夢を持ち続け、その夢を実現するために食品学科のある全日制高校に入学しました。高校2年になると1年の時と違ってより専門的な事を深く広く学習します。新たな知識が増えていくことが嬉しい反面悩みも増えていきました。次第に自信もなくなり劣等感を感じ実習を受けることへの不安やこれからの事への不安を感じることが多くなっていきました。だんだん学校を休みがちになり、久々に登校しても心が苦しくトイレにこもり涙が止まらないそんな日も何度かありました。「何のためにここに来たの?」「ずっと持っていた夢は何だったの」自分を責める気持ちと「やめる」「やめない」自問自答を繰り返す毎日。「これからどうしよう」沢山考え、悩みなかなか前に進めない。辛く誰かに相談したくてもはっきりした理由がないので誰にも話せず、気がついたら限界になっていました。学校を欠席し続けたある日、勇気を出して母に伝えました。「今の学校から通信高校に転校したい。」学校を休みがちな私を心配していた母は、「愛梨が転校したいならそうしたらいいよ。」少しも反対せず、むしろ賛成し背中をおしてくれました。
 
 個別指導の授業が受けられること、自分に合ったペースで学習が進められる所が、今、自分を変え前に進みたいと思っている私には良いと思い、ILC沖縄への転学を決心しました。それでも入学したばかりの時は正直不安な気持ちでいっぱいでした。「学校にちゃんと通えるのか」「卒業まで頑張れるのか。」と。その上、レポートやスクーリングなど全日制高校とは仕組みが全く違うので慣れるのに時間がかかりました。そんな私にいつも先生方が優しく声をかけてくださったり、授業もとても丁寧に教えてくださったのでだんだんと学校が通いやすくなり楽しくなっていきました。自学自習が中心の通信制では自分自身の計画のもとスクーリングの時間も自分で決めていくので、時間の使い方が大切になっていきます。私は次の目標を立てました。計画的に学習し、それを卒業後の進学に繋げること。レポートは1枚1枚丁寧に仕上げ提出期限を守ること。テストでいい点数を取ること。アルバイトと学業を両立すること。いざ始めてみると学校とアルバイトの両立は思っていたより難しく、提出期限が迫ったレポートをアルバイトの休憩時間に取り組みなんとか期限に間に合わせたこともありました。それからはアルバイトの休みの日に集中してレポートに取り組みゆとりをもって学習するように心がけました。入学から半年が経ち、3年生になった私は卒業後の進路を大学か専門学校かで迷っていました。事務系の職業に興味があるので経理の専門学校に進学したいと思いつつ、将来のことを考えると大学進学した方がいいのではないかと悩みました。悩んでいる私の相談に乗ってくださった先生方にはとても助けられました。特に担任の先生にはたくさん話を聞いてもらったのでとても感謝しています。この4月から経理系の専門学校への進学が決まっています。
 
 振り返ってみると、ILC沖縄で過ごした1年半は短い期間でしたがたくさんのことを学ばせてもらいました。自分自身で計画を立て実行することの難しさとそれができた時の達成感。自分らしくいられる場所があることの大切さ。何よりも「辛いことがあって前に進めない、先が見えない不安しかなったが、自分のやり方で自分のペースでやり直すことができた。」私にとってかけがえのない時間でした。「私はここにいてもいいんだ」と思わせてくださった先生方の優しさ。この1年半の間、自分自身と向き合うことが多く、これからの目標ややるべきことを見つけることができました。自分に対しても少し優しくなれたような気がします。短い期間で行事にはあまり参加できませんでしたが、皆で心ひとつに応援した夏の甲子園決勝戦のテレビ観戦は高校生活の大事な1コマです。懸命に闘っている選手たちを応援している私たちも団結し一体感を感じました。頑張っている選手たちを見て、仙台育英の生徒の一人として誇らしく思えました。
 
 卒業式の今日まで、私たちの周りにはいつでも応援してくださるたくさんの人たちがいました。アルバイトと学業を両立することに協力して下さった職場の方々。丁寧にスクーリングして下さった先生方。そして一番身近で支えてくれた家族。不登校になった時も転校したいを言った時も私の話を聞いてくれ、理解し優しく寄り添ってくれました。お陰で私たちは辛いことも乗り越えることができました。とはいえ、まだまだ学ぶことも経験することもたくさんあります。これからも目標へ向かって歩んでゆく私たちを応援してください。
 
今日、加藤校長先生から卒業証書が授与されました。私たち31名はILC沖縄で過ごした時間や取り巻く環境はそれぞれ違います。全日制高校からの転学、仕事と学業を両立しながら頑張った人。子育てしながらの高校生活・・・と。そんな私たちをここまで支え導いてくださいました加藤校長先生をはじめILC沖縄の先生方本当にありがとうございました。ILC沖縄と出会えてよかった!私たちはこれから自分の足で新たな道へと歩んでいきます。目の前にある新たな世界への期待と同時に不安もあります。大きな壁にぶつかった時は、ILC沖縄で得た学びや経験、思い出を心の支えとし、仙台育英学園の卒業生としての誇りを持ち力強く進んでいきます。これまで支えてくださったたくさん方々に感謝するとともに、仙台育英学園高等学校がますます素晴らしい学校になることを願い、卒業生代表のあいさつといたします。
 
令和6年3月11日
仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC沖縄
令和5年度後期 卒業生代表 島袋 愛梨  


【問合せ】
電話番号 098-930-4111
〒904-0021
沖縄市胡屋2丁目6番17号
《問合せ時間 9:30〜17:30》

INFORMATION