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2020.03.16

ILC青森 令和元年度第18回後期卒業式

たくさんの思い出すべてを力に変えて
一歩ずつ進んでいきます

 3月1日(日)、仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC青森の令和元年度第18回後期卒業式が八戸グランドホテルで行われました。今回は新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、卒業証書授与式の形態を簡略化した形で進行されました。卒業生は45名。式ではILC青森所長から卒業生一人ひとりに、高校卒業資格として卒業証書が手渡されました。卒業生による答辞は残念ながら当日は読み上げられませんでしたが、全文をここにご紹介します。
 

卒業生代表答辞【全文】

 四年前の春。仙台育英学園高等学校ILC青森へ入学したとき、ここが新たなスタートラインであると感じました。

 私は、中学時代ずっと息苦しさを感じていました。細かく定められた校則や中学校という小さな社会の人間関係に縛られていると感じたからです。失敗は認められず、責められる。失敗することが恐くなり、同時に学校や教師に不信感や恐怖を覚えました。高校に入っても同じことが起こるのではと思い、進学は諦めていました。そんな時、姉が通っていた通信制高校の話を聞きました。また、母からの強い薦めもあり、ここILC青森に入学することを決めました。

 入学当初は中学校と同じになるのではないかと不安でした。しかし、学校生活のあらゆる面で、選択の自由があり、個人のペースを尊重する学校であると理解した時、不安は消えました。ただ、失敗することへの恐怖は消えず、一歩を踏み出せずにいました。

 それから約二年程の時間をかけて、自分自身と向き合いました。そこで、多くの行事に積極的に参加するようにしました。その中で、様々な職業の方に会いました。この時から少しずつ、将来を意識しはじめました。しかし、具体的な目標はなく気持ちが焦るばかりでした。少し時間が欲しかった私は、二年の後半から半年間休学することに決めました。休学してから様々なことがありました。生後七か月の甥と姉夫婦との同居や、失敗を恐れてできなかったアルバイトに挑戦するなど、充実していました。仕事をとおして、失敗しながらも成長し自信がつきました。より活発に動くようになり、心が明るくなるのを感じました。それと同時に私の視野も広がりました。ある日、甥とご飯を食べている時、「赤ちゃんでもご飯を食べて生きている。」当たり前の事ですが、どんな人でも生まれた時から、食べることが生きることにつながっているのだと気付きました。普段、日常的に行っていることが、生きるためには大事なことだと感じました。これは、中学生の頃の私が思っていたことそのものだったことを思い出しました。同時に栄養士という職業が頭に浮かび、これが私の目標になりました。

 自分で決めた進路のため、様々な準備が必要でした。初めての事ばかりで戸惑いました。進学先を決める時でさえ、何を基準にすべきか迷いました。家庭科の小原先生には、たくさんの助言をいただき心強く思いました。また、大学入試の準備や作文など、担任である加藤先生に御尽力いただきました。多くのアドバイスや励ましの言葉、学校生活で築いた思い出に背中を押され、入試時も自信を持って挑むことができました。無事合格することができ嬉しく思います。支えてくださった先生方や両親には感謝の気持ちでいっぱいです。

 私は、仙台育英学園高等学校ILC青森に出会い変わることができました。それまでの私は、未来を見ることがありませんでした。大学に進学することになるとは思ってもいませんでした。私は、自由な校風の中、個々を尊重するこの高校で、自分を見つけることができました。何かを始める時に遅いことはない。大事なことは自分の意志と、焦らず着実に前に進むことだと気付けました。ここから卒業し、大学進学という新たな道を歩むとき、様々な困難が待ち受けていると思います。しかし、高校生活の中で学んだこと、経験したこと、たくさんの思い出、すべてを力にかえて、管理栄養士という夢に向かって、一歩ずつ進んでいきます。

 私は、同級生に比べ、たくさん遠回りをしたと思います。けれど後悔はしていません。その全てが必要なことだったからです。休学した半年間を含め、高校生活の四年間は、私に未来を与えてくれました。今まで出会った方々や、支えてくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございました。


令和2年3月1日
卒業生代表

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