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ILC沖縄 INFORMATION

2018.03.29

ILC沖縄 第4回後期卒業式

“常に前に進む勇気” “変わる勇気”を教わった学校生活を胸に
新たなスタートの日を迎えました

 仙台育英学園高等学校 広域通信制課程ILC沖縄の第4回後期卒業証書授与式が、3月11日(日)に挙行されました。会場である沖縄市 中の町公民館に集まったのは、高校卒業資格を手にした37名の卒業生です。卒業生一人一人の名前が呼ばれ、加藤雄彦校長先生から卒業証書が手渡されました。
 卒業生代表の幸喜さんによる答辞を紹介します。

 

卒業生代表答辞【全文】

 おだやかな春の日に、私たち三十七人のために、このような温かな卒業式を挙行していただきありがとうございます。無事今日の日を迎えることができ、諦めることなく頑張ってきて良かったという思いと、ILC沖縄を卒業するという寂しい気持ちで、今私たちはここにいます。
 
 私は中学生の頃、両親との会話の手段である手話が原因でいじめにあい学校に行けなくなりました。その時のことを思うと、今でも心が痛みます。それでも、高校卒業資格を取りたいと悩んでいた時に、先輩の勧めもあり、自分のペースで学習できるILC沖縄への受験を決めました。あっという間に過ぎた三年間でしたが、これから頑張っていこうという気持ちと新しい所で上手くやっていけるのかという不安な気持ちで迎えた入学式のことは今でもはっきりと覚えています。やがて、学校が始まり、一人一人に優しく声かけしてくださる先生方のお陰で不安は消え、新入生歓迎BBQ会で友だちもでき、学校生活も慣れてきた頃、大きな壁にぶつかりました。中学生の頃、基礎をきちんと勉強していないため高校の勉強について行けないのです。「どうしてあの頃勉強しなかったのだろう」「どうしよう。このままでは単位が取れない。もう嫌だ」後悔とも諦めともつかない思いでどんどんネガティブになっていく私に、時には厳しく、時には励ましの言葉をかけながら、丁寧にスクーリングをしてくださったたくさんの先生方。お陰で乗り越えることが出来ました。それでも、苦手としている数学と英語は思うようにいきません。「できない自分を恥ずかしいと思うのではなく、気がついたからこそスタートできる」という先生方のアドバイスもあり、考えを切り換えて中学生の勉強から始めることにしました。
 
 ILC沖縄では、楽しい行事もたくさんありました。その中でも一番の思い出は、三泊四日の宮城・東京研修旅行です。初めて見る雪、初めてのスキー、東京散策、宮城・青森・沖縄と三つのILCの仲間との交流会で友だちも出来、高校生活の大切な思い出となりました。
 
 私が大きく変わるきっかけとなったのが「手話スピーチコンテスト」です。中学生の頃、両親との手話を恥ずかしがり、人前で手話を使うことを避けていた私でしたが、先生方は、私の手話を誉め、簡単な手話を使ってくれ、手話は「私の大きな強み」だと気づかせてくださいました。それから、「手話スピーチコンテストへの挑戦」が始まりました。第1次、第2次審査を経て出場した全国大会では500名の前でスピーチをするという貴重な経験と大きな達成感を得ることが出来ました。約3ヶ月半の取り組みは厳しく、諦めそうになることが何度もありましたが、先生方や家族の支えがあって最後まで頑張ることができました。その体験は私にとって大きな自信となりその他の活動にも積極的に参加できるようになっていきました。それ以来、ILC沖縄は、自分らしさを思いっきり出せる場所となり、学校が楽しい場所、安心して過ごせる場所へと変わっていきました。
 
 私たち三十七名の高校生活は決して平坦なものばかりではありませんでした。子育てをしながらの学校。仕事と勉強との両立。全日制高校をやめ、再び挑んだ高校生活。以前の私がそうであったように、人前に出ることがとても苦手だったり…学習に不安を抱えていたり、学校へ行くのが苦痛だったり…
そんな私たち一人一人ありのままの姿を理解し、大切に導いてくださった先生方。頑張る気持ちさえあれば、どんな時でも応援してくれる人がいる。これから先、大きな困難にぶつかることもあるかもしれません。それを、乗り越える力を私たちに与えてくださいました。
 
 一緒に行事を楽しんだ仲間たち。「勉強が優先だからね」といつも声をかけてくださったアルバイト先の皆さま。困った時には、いつでも相談にのってくれ、勇気の出ない私と一緒に考え、背中を押してくださった先生方。大学進学を決めた時も全力で応援してくださいました。本当に嬉しかったです。
 
 そして、私たちを一番身近で支えてくれた家族。これまで、心配や苦労を掛けてきましたが、ここまでくることが出来たのも家族のおかげです。どんなに苦しい時でも私のやりたいことをさせてくれ、応援してくれた両親、家族はいつでも私たちの一番の味方でした。お陰で、少し成長することができました。とはいえ、まだまだ学ぶことも経験することもたくさんあります。これからも私たちを見守っていてください。
本当にたくさんの皆さま、ありがとうございました。
 
 今日晴れて、加藤校長先生から直々に卒業証書を授与していただき、私たちは大きな喜びでいっぱいです。ILC沖縄で学び、仙台育英学園の生徒として卒業できることを誇りに思います。「常に前に進む勇気」「変わる勇気」を教えてくださいました加藤校長先生をはじめILC沖縄の先生方本当にありがとうございました。
 今日の日の感動を心にとめ、仙台育英学園の卒業生として社会に役立つ人となれるよう頑張っていきます。
 今日が新たなスタートの日です。それぞれの新しい夢に向かって歩き始めます。これまで支えてくださった方々に感謝するとともに、仙台育英学園高等学校がますます素晴らしい学校になることをお祈りし、答辞といたします。
 
平成30年3月11日
卒業生代表 幸喜 樹里
 

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