アフリカとの出逢いは、大学進学後、
コンゴの大学での剣道指導から

ここで少し、時間を巻き戻してみよう。黒田さんが剣道指導のボランティアとしてマラウイ共和国にたどり着くまでにはひとつの“経緯”がある。

剣道を始めたのは小学校1年生の時。小・中学校と続け、中学校のときに「妹の中学校の剣道の先生が仙台育英剣道部の部長・監督である青木康博先生と知り合いだった」ことから出身の山形県米沢市を離れて仙台育英の特別進学コースに入学し、剣道部に所属した。

「たてまえは“文武両道を実践する”でしたが、現実はどうしても好きな剣道のほうに傾いてしまいました。現役での慶應合格を目指していたのですが、その夢はかないませんでした」

結局、2年間の“浪人生暮らし”の末に慶應義塾大学環境情報学部に合格、進学した。

慶應義塾大への入学後は剣道部での稽古を再開したが、ここで黒田さんの剣道への向き合い方が大きく変わる出来事があった。

「1年生の時に受けた語学の先生がアフリカで私立小学校の運営もされていたのです。講義のあとで質問をしていたところ『私のゼミを見にいらっしゃいませんか』とお誘いを受けて興味を持ちました。そして先生が客員教授をされているコンゴの大学で剣道部をつくり、指導をやってみることになったのです」