孤独が人を成長させる...
3年間の寮生活で実感しました

陸上競技部にはケニアからの留学生がいました。練習を共にするようになって最初に思ったのは、“留学生、強いな”という印象でした。

英進進学コースで学ぶ中にも、クラスに海外からの留学生がいました。ふだんの学校生活の中で、当たり前のように外国人のクラスメートや外国人留学生の部活仲間と接する機会がありました。

大学生、社会人になって外国の選手と走る機会は数多くあるのですが、一緒に走っても外国人だからといって物怖じするようなことは最初からありませんでした。積極的に仲良くなろうという気持ちが生まれてきます。これは高校生時代の経験で培われたものだと思いますが、競技でのメンタル面でも、間違いなく良い方向に作用していると思います。

それともうひとつ、故郷の新潟を離れての3年間の寮生活も、振り返ってみれば大きな意味を持っていたと思います。

寮生活を始めて最初の1年間は、“帰りたい”と思うことがしょっちゅう。ホームシックの日々でした。ですが、そんな“さびしい、帰りたい”という思いが続く中で、別の思いが芽生えてきました。「人として成長していくには、“寂しさの中でひとりで生きていくんだ”と自覚し覚悟することも必要なのではないか」と考えるようになったのです。

帰りたいという思いを持ちながらも我慢して、努力を続けていく。寂しさや不安に耐えて努力していけば、結果はやがて出てくる。それは成長していくことにつながっていく…。

“長距離走者”として成長していくうえで、仙台育英での3年間の寮生活の体験は、その後の頑張りの大きな原動力になったとも今は思えます。