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女子第33回 全国高等学校駅伝競走大会(2021年12月26日/京都)
1時間07分16秒のタイムで全国優勝

どん底の体験が
3度の優勝に繋がっています

2021年12月26日。夢の舞台、女子第33回全国高等学校駅伝競走大会で都大路で襷をつないだ仙台育英陸上競技部女子は、首位を一度も譲ることのない独走劇で、史上最多5度目の優勝を果たした。チームとしては30年連続出場。釜石監督にとっては、新生陸上競技部を率いて10年目の節目の年でもあった。

「就任早々の入学式の日、部員勧誘のビラ配りをしたことが忘れられません。部員数が少なくてチームを組めない状態からのスタートでしたから、優勝争いができるようになるには10年はかかるだろうと覚悟していました」

それが、就任6年目に大会史上2位の好記録で23年ぶりの全国制覇。その後3位、優勝、3位。そして2021年大会での優勝へと結果を残した。

「30歳そこそこの私が3度も優勝の感激を味わう。どん底があったから、今があると思っています」

就任1年目は、全国大会20年連続出場記録をなんとか維持できたものの、結果は43位。外野からのバッシングにもあった。

「でも、めげてはいられませんでした。生徒たちに奮起させられ、勇気づけられました。“陸上をやりたいと来てくれた子どもたちの夢をかなえたい”と、誓いました。あの悔しさがなかったら一度の優勝で浮かれ、このようなまとまったチームには育てられなかったと思います」