●優良賞
ツェルマットで
学んだこと


3年M1組 本田さん


 

☆はじめに☆

 私は、“環境”について調べました。スイスのツェルマットは、空気も自然も町並みも、とてもきれいな村です。そのツェルマットで、環境を守るためにしていることなどについて調べてきました。ツェルマットに住んでいる人たちは、みんな、自分たちの村が大好きで、村をきれいに保ちたいと思っているそうです。そして、『村がやってくれる』のではなく、住んでいる人たちがきれいに保とうとやってきた結果 、今もツェルマットの環境が守られているのです。

☆ごみについて☆

↑COOPの回収箱↓

 以前、あるテレビ番組で、スイスと日本の同じような家庭で1週間に出るごみの量 を調べたところ、日本の家庭は、スイスの家庭の10倍ものごみが出たそうです。日本では、ごみを減らすために、リサイクルなどが実施されています。ところがツェルマットでは、リサイクルをするのはお金がかかってしまうので、始めからごみが出ないようになっています。たとえば、スーパーマーケットのレジ袋は有料で、日本円で1枚20円〜30円くらいします。そのため、買い物に来る人は、家から空のリュックなどを持ってきて、その中に買ったものを入れて帰ります。
 スーパーでは、パッケージされたものはあまり無く、野菜や果物などは各自が計量 器に買いたい物の番号を入力し、野菜などを乗せ、計量器から出てきたラベルをはって、代金を払うしくみになっています。日本でパッケージされている野菜を買ったとすると、野菜が乗っていたトレーとラップがごみとして出てしまいます。ところがこの方法では、ごみはラベルだけで済みます。パンなどを入れるビニール袋は、燃やしても残らないし、有毒ガスも出ない素材で作られています。
 ペットボトルや紙パックなどは、スーパーなどに回収するところがあり、そこへ持っていって、リサイクルされます。これは日本も同じです。ビンは、返すとお金が返ってきます。
 ごみ集積所には、布の袋があり、固くなって食べられなくなったパンを入れます。そうすると、そのパンはブタなどの家畜のエサになるので、ごみになりません。ごみを出さないために、このようなさまざまな工夫がされています。

☆景観について☆

 ツェルマットの美しい景観を守るために、さまざまなきまりがあります。
 建物は、高さは19mまでで、外壁の1/3以上は木でつくり、外観の色は3色までと決まっています。そのため、ほとんどの建物が、赤や緑なのは窓枠だけで、その他は白や茶色です。お店の看板は、たて長のものか小さいものに限られています。そして、今ある建物の建て替えは出来ますが、新たな土地に新しい建物を建てることは出来ません。

 ツェルマットを歩いていると、ほとんどの家やお店の窓には、きれいにゼラニウムなどの花が飾られています。でも、花を飾らなければいけないというきまりはありません。花を飾ることがあたりまえとなっているのです。そこに、ツェルマットの人たちの心の豊かさが表れていると思いました。

↑フン用袋↓

 電線は地下に埋設していたり、ごみ集積所は囲われていて見えないようになっていたり、美しい景観を損なわないようになっています。また、犬のフンを入れる袋が道ばたに備え付けてあるので、フンを見かけることもありません。この袋は、犬の絵が描いてあって可愛かったです。

☆電気自動車について☆

↑馬車↓

 ツェルマットには、普通の自動車で行くことが出来ず、隣町で電車に乗り換えることになっています。ツェルマットの街中は、電気自動車と馬車が主な乗り物で、その電気自動車も、個人では持つことが出来ず、タクシーや、ホテルが所有しているバスだけだそうです。普通 のガソリン車で、ツェルマットの中に入れるのは、パトカー・消防車・救急車などの緊急車両と、ごみ収集車だけだそうです。
 ツェルマットの中を走っている電気自動車は、全部ツェルマット製で、日本円で、1台約500万〜800万円もするそうです。ちなみにスイスでは、国よりも、町や村の方が法律を厳しくすることができるので、ツェルマットの中では、時速20〜30kmまでしか出せないことになっています。

↑コンセント↓

 電気自動車は、毎晩コンセントにさして充電します。ツェルマットに車が入ってきたときに、一目で電気自動車とそうでない車を見分けるために、車の形は一定です。たとえ電気自動車だとしても、普通 の車の形をしているものは、ツェルマットの中に入ることは出来ません。形はとてもシンプルで、人を乗せるためのものと、荷物を乗せるためのもので、後ろにも屋根があるか無いかの違いだけです。電気自動車はとても静かに走るので、車が来たことを知らせるために、カウベルのようなものがついていることもあります。

↑人を乗せる用↓
↑荷物用↓

☆感想☆

 ごみ・景観・電気自動車、どれをとっても、日本とのあまりの違いに驚いて、とにかくすごいなあ!と思いました。スイスでしているようなことを、いつか日本でも出来たらいいなあと思いました。

 
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