【2010年度】  
 
   
SHUKOH MIDDLE SCHOOL TEACHERS
国語科 

論理的に思考することで、
文章の読解力と表現力が
鍛えられます
 
西條 静恵
東北大学 文学部 出身

中1から始める小論対策

 授業は生徒による作文の朗読で始まった。
 「私は野球という夢を追い続ける人でありたい――」。 理想への道を真剣に語る野球部員の言葉に全員が聞き入る。別な生徒は人生の岐路をテーマに「正しい選択をするには、未来の予測が大切」と述べた。中学1年生とは思えない確かな視点と堂々とした発言姿勢に驚かされる。西條先生の授業では詩や作文を朗読した後、他人の良かった点やアドバイスを用紙に書いてクラス投票をおこなう。
 「作文は大学受験における小論文を、 人前での発表は面接試験を想定した練習です。仲間から得た批評を励みに、正しい言葉遣いや人をひきつける話し方を覚えます」

グループ学習で理解度アップ

 次に西條先生はルナールの散文詩を例に挙げ、「二つ折りの恋文は何を喩えたものかな?」「花の番地を捜しているってどんな状態?」と問いかける。全員が頭をひねりながら意見を出し合い、 ついに一人が「蝶のことだ!」と答えにたどりついた。おお、 なるほどとクラスから感嘆の声が上がると、 西條先生はすかさず「じゃあ、この詩の魅力が相手に伝わるよう文章で説明して」。“考えを言葉にする”作業を常に意識させ、テンポ良く授業が進む。 他学年の授業では、 教員の解説の前に生徒が教壇に立って模擬授業をおこなうことや、生徒同士で課題解決のために討論するグループ学習の機会を多く設けている。他者へ説明する過程で理解を深め、 疑問を自分たちで解決する力を養う参加型の授業だ。


文章構築に重点を置いて

 「最近、携帯やメールの影響で漢字を書けない若者が増えてきました。また漢字の読み書きができても、多様な文章に触れる機会が少なければ語彙は増えず記述式の二次試験に対応できません。 さらに、 本文だけでなく、 問題文から出題者の狙いを読み取り、 論理的に根拠のある答えを見つけ、自分の表現で字数内におさめる訓練を段階的に実行しています」
 もちろん、受験テクニック習得だけが目的ではない。授業を通じてもっと深く自ら学ぼうという貪欲さが生まれ、その姿勢が大学進学後も活かされることを西條先生は期待している。
   
 
   
 
亀谷 佳絵
実践女子大学大学院 文学研究科 国文学専攻修了

 ことばとはコミュニケーションをとるための道具でもあり、自分自身を成長させてくれるものでもあると思います。 ことばの奥に隠された世界を読み解いていきましょう。

佐藤 光一
東北大学 文学部 出身

 考えるとは、 言葉で考えること。さまざまなメディアを通じて情報が飛び交う今日、 かえって言葉の力が重みを増しています。たくさん本を読み、 じっくり論文に挑戦する6年間は、 きっと皆さんの言葉の力を養ってくれることでしょう。

東海林 弘子
東北大学 文学部 出身

 「美しいところ、 かんじんなこと、 一番大切なものは目に見えないんだよ」とサン=テグジュペリは『星の王子さま』の中で言っています。文字の下に潜む大切なもの、 肝心なもの、 美しいものを探し求めてゆきたいと思います。

杉目 和彦
東北大学 教育学部 出身

 国語を学ぶ主な目的は、 言語感覚を磨いて情操を豊かにすることにあります。優れた文学作品やことばの使い方等を学んで、 それぞれの人生を豊かで潤いのあるものにする為に、これから一緒に勉強していきましょう。

山下 秀範
宮城教育大学 教育学部 出身

 長年、 高校で授業を担当していましたが、今年から本校の2学年の担任になりました。 恵まれた教育環境で学ぶ生徒諸君は、目標をもって勉学に励み、 早く自学自習ができるようになってほしいと思っています。