【2010年度】  
 
   
SHUKOH MIDDLE SCHOOL TEACHERS
理科 

意外性のある実験を
取り入れて
化学への興味を高めます
 
脇 淳
弘前大学 理学部 出身

実験には全員が参加

 3年生のクラスは、 ヨウ化亜鉛水溶液の作成とろ過の実験を開始した。一人1本ずつ手にした試験管に、 薬さじでヨウ素と亜鉛の粉末を入れる。 脇先生の指示に従って蒸留水を数滴注いだ瞬間、粉末から激しく気体が立ちのぼった。 「赤紫色の煙が出た!」「私のはポウッと大きい音がしたよ」。 化学反応を間近で見た生徒たちの目は輝いている。 「じゃあ、 試験管の中でどんな変化が起こったのか考えてみよう」と授業はテンポ良く進む。
 「教科書どおりの方法にはこだわりません。 生徒が『化学って面白い』と興味を持つように経過や結果に意外性のあるもの、 見て変化が楽しめる実験を取り入れています」

理解度を確認しながら基礎固め

 次にヨウ化亜鉛水溶液をろ過するため、ろ紙をろうとの大きさに切り、湿らせて密着させる。自分で操作するので、 器具の正しい扱い方を覚えるのも少人数制のメリットだ。授業では実験と並行してプリントに経過と考察を記入。 そのプリントを脇先生が回収して個人の理解度や、表現力をチェックする。
 「実験の手順と経過をきちんと自分の言葉で説明できるようになることが3年生での目標です。そして教科書に書いてあることと実験時に説明したことが、 整理されているかどうかもわかります」秀光では実験中心の授業と反復学習で基礎を固め、 習熟度が進むと志望大学を想定した演習問題できめ細かな受験対策をおこなう。

“わかったつもり”をなくす

 医歯薬系志望者にとって化学は合否に大きく関わる教科だが、 苦手とする理由で多いのが「理論はわかるのにテストで点が取れない」というケース。これは化学式と元素記号との混同や専門用語の意味を正確に把握していないなど、自分のあやふやな知識に気づかず“わかったつもり”でいることが原因だ。
 「知識の穴を埋めるには、 問題を解いてわからない箇所をすべて抜き出し、その疑問を根気よくつぶす作業が必要です。 壁に当たったら納得するまで質問してほしい」
 受け身の学習は成果が出ない。 とことん教師を活用する積極性が難関突破の鍵となる。
   
 
   
 
内海 幸廣
宮城県農業短期大学 生物化学科 出身

 理科離れと言われる時代の生徒たちに、魅力的な教材を提示し、よりていねいな指導によって、 基礎学力の向上と科学的探究能力の育成を図り、理科好きの生徒をたくさん育てたいと決意しております。

岡村 澄夫
東北大学大学院 農学研究科 博士課程修了

 生物を学ぶことは、自分を知ることにもなります。 この地球に誕生した生命のすばらしさ、 不思議なしくみを一緒に学びませんか。

佐藤 真弓
宮城教育大学 教育学部 出身

 理科は、 「何で?」という素朴な疑問から始まる学問ではないかと思います。分からなかったことが理解できた時の喜びと楽しさを味わってもらえたらと思いながら授業をしています。 色々な実験や演習問題に挑戦していきましょう。

東海林 恵子
東北大学大学院 理学研究科修了

 化学の授業ではスモールスケール生徒実験を多数とり入れています。公立高校在職時に始めましたが、 秀光の個人実験を主とする授業のために開発した実験も沢山あり、日本化学会やパシフィケム(5年毎ホノルルで開催)には必ずポスター発表をしています。今年はEffective Chemical Education by the Introduction of Microscale Experimentsのタイトルで発表の予定です。