2012 Topics

 第2回サイエンス・コ・ラボ

 
 
 
第2回サイエンス・コ・ラボ
日時:2012年8月4日(土) 13:00〜16:00
場所:化学実験室
テーマ:『車の空力性能を向上させよう』
参加生徒:秀光5年生、特別進学コース1年生、
      特別進学コース2・3年生(希望者) 
指導:東北大学大学院工学研究科 
    機械システムデザイン工学専攻
    福西 祐 教授・伊澤 精一郎 准教授・茂田 正哉 助教・
    大学院生の皆さん

 今年7月からスタートした秀光中等教育学校と仙台育英学園高等学校 特別進学コースによる理科の共同実験講座『サイエンス・コ・ラボ』。この第2回が、8月4日(土)、多賀城校舎化学実験室で行われました。
 今回は、東北大学大学院工学研究科の福西祐教授をはじめ、伊澤精一郎准教授、茂田正哉助教、そして5名の大学院生が指導のため来校してくださいました。
 受講生徒は秀光理系の5年生と特進1年生。理系の特進2、3年生の希望者も数名参加しました。実験は、4人ずつの8班に分かれて進められました。

今回は、オリジナルの
『エアロパーツ』製作に挑戦!

 第2回は、「車の空力性能を向上させよう〜万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチものめり込んだ『流体』の世界〜」。『流体』とは、気体、液体など固体以外のもの(アルコールや空気など)。大学院では、流体がどのような力を及ぼすか考え、その知見を役立てていくための学問を研究しているとのことでした。流体工学を利用して、競泳用の水着やゴーグル等で抵抗をいかに減らすか、という開発研究もされているそうです。
 今回の実験の目標は、既製品の車の模型に『エアロパーツ』という部品をつけ、空気力学的な抵抗・揚力を低減させた車をつくること。ダウンフォース(地面に押しつける力)=出来るだけ大きくする、空気抵抗=出来るだけ小さくする、というのがカギとなります。


各班、工夫をこらして
独創的な車を製作


 ひととおり説明を受けたあと、生徒は班ごとに、自分たちがエアロパーツを取り付ける車の模型を選び、厚紙からエアロパーツを形成しました。
 生徒たちは話し合いを進めながら、それぞれ空気抵抗が少ないと思われるオリジナルの車を製作。飛行機のように翼をつける班、車体の凹凸を埋めようとする班、厚紙で車体を完全に包み込んでしまう班…。各班、さまざまな工夫をこらしていました。

 1時間ほど相談しながら製作を続けた後、一度、『風洞』*を用いての途中評価を行いました。ところが、計測したほとんどの模型が、空気抵抗値が初期のものより大きくなってしまう結果に…。
 しかし、生徒たちは1回目の計測をした事によって要領を得た様子。その後は、また次々に新しいパーツを取り付けて、教卓上の風洞へと計測しに行きました。計測結果の空気抵抗値が大きければ、すぐに部品を外して、また計測に向かう…。各班は意欲的に製作を進めていました。
*風洞…ファンから空気を取り込み、フィルターを透過させることによって、空気の渦などの乱れを取り除く装置。


各班が自信作について説明、
入賞した班には素敵な景品が


 最後に、教卓に8つの模型を並べ、1班から順番に班全員が前に整列。代表者がエアロパーツの説明をして、その後計測を行いました。エアロパーツの説明では、「ダウンフォースを大きくする為に小さい翼をたくさんつけました」「抗力を減らそうとしつつも、デザイン性にも力を入れました」等、班それぞれに工夫した点を発表。どの班もとても楽しそうでした。

 その後、東北大学の皆さんにそれぞれ抗力と揚力の変化を計算していただき、1位から8位まで順位を発表しました。
 景品として、1位はUSBメモリ、2位はシャープペン、3位にはボールペンが授与されました(全て東北大学のロゴが入ったオリジナル品!)。残念ながら入賞できなかった班にも、『秀才鉛筆』というオリジナル鉛筆が配られました。

第2回サイエンス・コ・ラボ 実験レポート

* * * * * * * * * * * * * * *

 次回の『サイエンス・コ・ラボ』は9月8日(土)。実験内容は「バイオディーゼル燃料の製造(指導者:東北大・院・工学研究科 北川 准教授)」です。

 
『サイエンス・コ・ラボ』について