■キラリティ(対掌性)を持つ分子の、分子模型を組み立てよう |
「対掌性はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。右手を鏡に写すと鏡像は右手ではなく、左手になってしまいますよね。その関係性をもった分子をキラリティと呼びます」と小俣先生が生徒に話してくれました。
生徒たちがキラリティ(対掌性)を持つ分子のしくみを理解するため、乳酸と酒石酸のプラスとマイナスを例にして、分子模型で組み立てました。
光の波にねじれを起こすキラルの性質
小俣先生から、一定方向の光の波を通す偏光板の説明がありました。偏光板はパソコンの液晶などにも使用され、光の明暗を調節してくれるものです。2枚重ねて、1枚の角度を変えていくと光の量が変わることが確かめられました。
キラリティを持つ分子同士を比較すると、原子の数や化学的な反応が同じでも、光の波にねじれを起こす“旋光性”に変化が出てきます。
この“旋光性”を計測するために、偏光板と円筒状のお菓子の空き箱を使って、旋光計を作製します。
“人間に含まれているアミノ酸もキラル”なのです
旋光計を使用して、リモネンのプラスとマイナス、ショ糖・ブドウ糖・転化糖の条件を変えて測定し、旋光度や反応などが異なることを確かめます。
リモネンの香りを調べると、プラスはレモン、マイナスは松の葉の香りがすることに生徒たちは驚いた様子でした。
同じように、歯磨き粉やガムに使われているメントールも天然と人工のもので人間の感じ方が異なります。なぜこのような違いが起こるのかについて、小俣先生は「実は人間の受容体であるアミノ酸もキラルであるため、違いが分かるようになってます」と話してくれました。
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