お知らせ

ILC青森 令和5年度第22回後期卒業式

ここで学んだことを胸にこれからの
人生をしっかりと歩んでいきます

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 3月8日(金)、仙台育英学園高等学校広域通信制課程ILC青森の令和5年度第22回後期卒業式が八戸グランドホテルで行われました。卒業生は119名。高校卒業資格として卒業証書が加藤雄彦校長先生から代表生徒に手渡され、校長先生から激励の言葉がかけられました。卒業生たちは、春からそれぞれの道に進んでいきます。
 

卒業生代表答辞【全文】

 
八戸地方で言う「彼岸じゃらく」を思い起こさせる大雪から十日。寒さの中でも、朝の陽ざしが
春の訪れを感じさせる今日、私たちは卒業の日を迎えました。本日は、このような厳粛な卒業証書授与式を挙行してくださりありがとうございます。
 
 私は、四年間高校生活を過ごしました。同じ年の人たちより一年間長く高校生活を送ることになりましたが、この四年間でたくさんのことを学び、たくさんのことを経験しました。
 
 今から三年前、私は仙台育英学園高等学校ILC青森に入学しました。中学2年生の半ばから、学校に行けなくなっていた私は、中学校卒業後、心機一転して入学した全日制の高校でも登校できず留年してしまいました。人間関係の悩みを抱えることが多く、プレッシャーにより体調を崩しがちで、将来のことを考えると不安でした。そんなとき、高校の先生から勧められてILC青森に転入学し、2回目の高校1年生をスタートさせました。
 
 転入学して不安だったのは、通信制高校でのシステムです。スクーリングやレポートを、一人で計画を立てて進めていくシステムに慣れることができるかということでした。しかし、いざやってみるとこのシステムは私に合っていたようで、スムーズにスタートすることができました。ただ、初めてのスクーリングは、不安と緊張でいっぱいでした。しかし、案ずるより産むがやすしで、分からないところを質問すると丁寧に説明してくださり、優しく接してくださる先生方が多く、安心したのを覚えています。このようにして、最初の1年は徐々に学校に慣れていきました。同時に、人間関係の悩みも少しずつ減り、段々と自分の心が安定して、自分の良いところと悪いところを客観視できるようになりました。
 
 2年目になり、心も生活も安定すると、それまでちょっとギクシャクしていた家族との関係も回復していきました。正直なことを言うと、昔は母とは性格が合わないのかもと思っていて、話すことも少なかったように思います。不登校だったころは、何かを話すのも怖くて、ただただ心配をかけていたと思います。それが今では、母は私にとって何でも話せる大切な人です。きっかけは特にないのですが、お互いに好きなコスメの話をして盛り上がったり、ショッピングを楽しんだりして、今では一番信頼できる存在です。
 
 高校生活最後の1年である今年度は、就職活動、自動車運転免許の取得、学校行事である清掃ボランティア活動など、あらゆることにチャレンジすることができました。
10月、清掃ボランティアに参加しました。種差海岸の青い海と青い空のもとでのボランティア活動。勇気を出してそばにいた人に「一緒に歩かない?」と声を掛けてみました。このあと二人で、ペットボトルなどのゴミを拾いながら、とりとめのない話をしました。絵を描くという共通の趣味があることも分かり、海からの風を受けながら、爽快な気持ちでした。思えば、友達とここまで打ち解けて話すのは久しぶりだったかもしれません。
 
 就職活動をし、自動車免許取得に挑戦することは、私にとって大きな出来事でした。この二つをやり遂げたとき、普段あまり話すことのない祖父が嬉しそうにしていたのが印象的でした。そして、今日の卒業式で答辞を述べることを祖母から聞いていた祖父は、私の顔を見るなり、笑顔で「真菜は何でもできる。」と言ってくれました。普段無口な祖父の口からこの言葉を聞き、私のこれまでを気にかけて、ずっと応援してくれていたのだということが伝わってきました。目頭が熱くなる感じがして、心の底から嬉しさがあふれてきました。苦しみながらもどうしていいかわからずもがいていた日々。たった一人で苦しんでいたと思っていましたが、何年間も静かに応援してくれていた思いを受け取りました。
 
 119名の卒業生の皆さん。ILC青森に入学するきっかけはそれぞれ違いましたが、今卒業の時を迎えてどのような思いを抱いていますか。ILC青森で過ごす中で、一人一人が感じてきた思いが、今この式場に詰まっているように思います。それぞれの道を、自分の足でじっくりと歩んでいきましょう。私も頑張ります。
 
 最後になりましたが、今まで見守り導いて下さった先生方、本当にありがとうございました。私たち119名、ここで学んだことを胸にこれからの人生をしっかりと歩んでいくことをお誓いしてお別れの言葉といたします。
 
令和6年 3月8日 
卒業生代表