お知らせ

秀光中学校3年生我妻さんが第73回県下中学生弁論大会で最優秀賞を獲得!

尊敬する両親の姿から
自分の将来の夢と向き合いました

 

 

 令和6年11月22日に行われた「第73回県下中学生弁論大会(主催 聖和学園高等学校)」において、秀光中学校3年生の我妻さんが出場し、最優秀賞を獲得しました! 本大会は宮城県の各中学校が応募し予選を経て選出された代表弁士が集まり、自由な演題で制限時間内に弁論内容を発表するというものです。
 我妻さんの弁論の演題は「開花」。発表当日は、家族でお花見に訪れた際、倒れてしまった人に救命活動をする両親の姿をきっかけに自分自身の将来の夢に向き合ったエピソードを堂々と披露しました。
 また、我妻さんは昨年度「第60回 宮城県中学校弁論大会」に出場し、同大会においても優秀賞を獲得しています(詳細はこちら)。
 

秀光中学校3年 我妻さん(利府第三小出身)

 今回の弁論を書くことになった際、心に強く残っていた春のお花見での体験を絶対に入れて書こうと決めていました。私の父は救急救命士、 母は消防土の仕事をしています。倒れていた人に迅速に救命活動をする両親の姿は、格好が良くてとにかく圧倒されました。
 校内弁論大会から本番大会まで期間があったので、原稿にカナダでのグローバルリーダーシップアカデミー研修の経験を入れ、表現方法を変えて、思いが更に伝わりやすくなるよう何度もブラッシュアップしました。去年弁論の県大会に出た経験と練習が、今回の発表の土台となり生かすことができたのだと思います。ただ、去年県大会まで進んだからこそ「今回も頑張って!」という友達や先生方の声援は、嬉しさと同時に緊張感もありました。本番当日、会場で他の弁士の表現力が素晴らしいと感じたので、最優秀賞に私の番号が呼ばれた時は本当に驚きましたが、とても嬉しく思っています。


演題「開花」

 あなたには、将来の夢がありますか。なぜその夢を持つようになったのですか。

 私にとって将来の夢というのは、 そう簡単に見つけられるものではありませんでした。 しかし、ある出来事がきっかけで、私は変わりました。

 お花見日和の4月上旬、私は家族と大河原の一目千本桜を見に行きました。満開の桜を観賞し帰ろうとしていたその時、 駐車場で人が倒れていたのです。 その瞬間、 父と母は目の色を変え、すぐさま救命活動を行い始めました。私は人だかりの片隅から、ただその様子を見ていることしかできませんでした。

 父は救急救命士、母は消防土ですが、普段仕事の話をすることはほとんどなく、両親の仕事の様子を見ることも初めてでした。父と母がリーダーとなって救命活動にあたっている姿は一段と輝いて見えました。10分後、救急車が到着し、倒れていた人が運ばれると父は「あの人が助かるかどうかはわからないけど、やれることはやった。 自分の責務は果たせただろう。」と言いました。

 この出来事から、両親のあの姿が頭から離れませんでした。1人の人を助けるために懸命に救命活動を行い、2人の仕事に対する責任感の強さが私に伝わってきました。しかし、それと同時に私は改めて考えるようになりました。自分の将来の夢はなんだろうと。 頭の中でぼんやりと描いている「養護教諭になる」という夢は果たして本当なのだろうか。 だとしても、私は今、養護教諭になるための努力を何一つしていません。 そんな私が、両親のような責任感のある大人になれるのだろうかと思い悩んでいました。

 今年の7月、グローバルリーダーシップを身につけることを目的として、秀光中学校3年生はカナダグローバルリーダーシップアカデミーに参加しました。 普段私は引っ込み思案で、消極的になりがちです。 しかし、カインドネスチャレンジという活動で、 現地の人々にどのような親切を実践するのか、 班で話し合う場面がありました。 このとき、積極的にコミュニケーションをとり、 リーダーシップを発揮できた瞬間、 両親のあの姿が自然と思い浮かびました。

 私は気づいたのです。 思い違いをしていたということに。それは、将来の夢が、なりたい職業だけではないということです。私の本当の夢は、両親のような、仕事に対して責任感のある大人になることなのだと、初めて実感しました。

 あなたの将来の夢はなんですか? きっと、なりたい職業や仕事内容を思い浮かべた人が多いと思います。そんなときに考えてほしいのは、 自分の将来像、つまり自分がどんな大人になりたいのかということです。

 あの出来事を経験したからこそ、私はこのことに気付かされ、自分の本当の夢は、 責任感のある大人になることだと知ることができました。この夢を叶えるために、私は自分の弱点を見つけ、それを克服しようと行動しています。カナダ研修でアクテイビティに意欲的に参加したことは、自分の引っ込み思案で消極的な性格を変化させるだけでなく、責任感のある大人になるという夢に近づく第一歩になりました。

 将来、きれいな花を咲かせるために、身近にいる大人の人にどんな魅力があるのか考えてみませんか? それが自分の将来像をみつける第一歩になるはずです。