お知らせ

ILC沖縄 令和3年度 第6回前期卒業式

「学び直しのチャンス」と
「新たな目標に向かう力」に感謝

 

 ILC沖縄の第6回前期卒業式が、9月21日に沖縄市民会館で行われました。卒業生11名が高等学校卒業における全課程を終え、晴れてこの日を迎えました。卒業証書授与の後は、優等賞、全国高等学校通信制教育研究会会長賞の授与が行われ、校長先生の式辞では温かく心強い激励の言葉が贈られました。

校長式辞(一部抜粋)

仙台育英学園は今年の10月1日に116周年を迎えます。明治38年、加藤利吉先生が23歳の時に「育英塾」という私塾を開いたことから始まります。創立当時は小さい私塾ながらも「至誠力行」という信念に基づき、大きな志をもって生徒に教えていました。「至誠力行」とは、「天に星あり、地に花あり、人の心に誠あり」とも言い換えられます。昔から続いてきた星々の輝きやあらゆる土地で咲き匂う花々は、年月に変わりなくどこにでも存在するものであるように、我々人間の心にも生まれながらにある誠意や真心を全力で尽くすことが大事である、という考えは建学の精神につながっています。加藤利吉先生はさらにこの世の中にあって「自利利他」という考え方にも着目しました。自分の利益を追求するだけでなく、相手の利益になることも同時に考えて行動していくこと、これが「至誠力行」にもつながる考えなのではないでしょうか。
この「至誠力行」を志す本校の卒業生は、現在75,000名を超えて世界でも全国でも活躍しています。通信制課程を卒業した皆さんも同じ卒業生の一員となりました。その卒業生たちとどこかで出会いお話しをする機会があった際に「学校では『至誠力行』『自利利他』を志すように学んできました」というお話になれば、殊更に温かく親しくしてくれるはずです。
令和4年3月に、新しい校舎である「栄光」が完成します。仙台育英学園の建学の精神である「至誠」の学び舎です。これから皆さんの歩まれる人生はそれぞれだとは思いますが、何か困ったことがあれば先生方が相談にのります。うれしい報告でも日常の出来事でも構いませんので気軽に来校してください。ILC沖縄の卒業生として、仙台育英学園の卒業生として、新しい校舎へ胸を張って堂々と遊びにきてください。お待ちしております。この度は皆さん、ご卒業おめでとうございます。


答辞では、卒業生代表の安里さんが入学した経緯から今までに至るまで、さらに将来の目標について述べられました。そのあと記念品贈呈と続き、卒業式は閉式されました。卒業生たちは高校卒業資格を得て、保護者の皆さんや教職員に見送られて学び舎を巣立っていきました。

卒業生代表答辞【全文】

「あなたの高校生活を一言で表すと?」と尋ねられたら、私は何の迷いもなく「次の目標に向かう力を確実につけてくれた三年間」と答えます。
私たち11名はそれぞれが過ごしてきた高校生活を振り返りながら、今日ILC沖縄を卒業します。コロナ禍の厳しい中、私たちのためにこのような温かな卒業式を挙行してくださりありがとうございます。
私は以前、全日制高校に在籍していましたが、環境になじめず次第に欠席が増え、学校を続けることが難しくなりました。しかし、高校卒業資格を取って専門学校への進学を考えていたので自分のペースで学べる通信制高校への転学を決めました。最初は「少し考えさせて」と言っていた両親でしたが私の気持ちを大事にしてくれ、二年前の10月、二度目の高校生活が始まりました。通信制高校はたくさんありましたが、自分に合ったやり方で、卒業まで頑張れる高校ということでILC沖縄を選択しました。入学当初は、どのように勉強を進めていくのか不安でした。履修登録、課題への取り組み、自学学習やスクーリングの受け方まで、先生方がひとつひとつ丁寧に教えてくださったおかげで新しい高校生活は順調にスタートしました。
転学の決断は自分でしたので入学する前から、学費はアルバイトで捻出すると決めていました。これまでより忙しくなることが予想されます。仕事をしながら期限内にレポート提出とスクーリングを終わらせるためには時間の使い方を工夫することが大事です。昼はアルバイトがあるので、レポートの取り組みは休みの日や夜の時間に集中してやることにしました。最初は慣れない生活に戸惑っていた私でしたが、時間が経つにつれ、自学学習を中心に、自分で解決できない問題はスクーリングで先生方に教わるという計画的な学習方法ができていきました。
卒業年度の今年に入り、妹の高校進学に伴って両親の負担が増えていきました。そこで、私はアルバイトを増やし両親のサポートをすることを決め午後の時間を有効活用することを考えました。二つのアルバイトがある日は5時起床で私の一日が始まります。6時から9時までは一つ目のアルバイト、11時からは二つ目のアルバイト。帰宅後は共働きの両親に代わって妹の送迎、夕食作りを含めて家事全般を積極的に行いました。最初は大変でしたが「ありがとう」や「美味しかったよ。」と言う家族の言葉に「またがんばろう!」と思うようになり、他人のために何かやることは自分に力をあたえてくれるものだとわかりました。
今、私には夢があります。卒業後は、専門学校へ進学して作業療法士の国家資格を取得し人の役に立つ人間になることです。振り返ってみると、一気に駆け抜けていった高校生活でした。全日制高校を辞めたこと。ILC沖縄で新しく高校生活をスタートさせたこと。悩んだ時にはいつでも話を聞いてくれ相談にのってくれた友人。勉強とアルバイトとの両立で疲れがピークになってレポートがなかなか進まず提出がギリギリになって困ったこと。それでも一枚ずつ仕上がるごとに作業療法士になりたいという夢が確信に変わり卒業に近づいていきました。学び方は人それぞれ。いろんな方法があることを実感させられた高校生活でした。目標を持って諦めなければ必ず達成できる。そんな私たちには、いつでも応援してくれる人がいる。私たちはそれぞれのペースではあったがやり遂げることができた。それを大きな自信として次へ進む力としたいと思います。
そして、一番近くで支えてくれた家族。これまで、色々と心配や苦労をかけてきましたが、ここまで来ることができたのは家族のお陰です。どんな時でも家族は一番の味方でした。お陰で少し成長できました。とはいえ、まだまだ学ぶことも経験することもたくさんあります。次の目標に向かう私たちをこれからも見守っていてください。
今日晴れて、加藤校長先生から直々に卒業証書が授与されました。決して平坦な事ばかりではなかった私たち一人一人に「学び直しのチャンス」と「新たな目標に向かう力」を与え、ここまで導いてくださいました加藤校長先生をはじめILC沖縄の先生方、本当にありがとうございました。今日の日の喜びを心にとめ、仙台育英学園の卒業生としての誇りを持ち、新たな道を歩んでいきます。
これまで支えてくださったたくさん方々に感謝するとともに、仙台育英学園高等学校がますます素晴らしい学校になることをお祈りし、答辞といたします。
 
令和3年9月21日
令和3年度前期 卒業生代表 安里 花音
 
 
 
【問合せ】電話番号 098-930-4111
《問合せ時間 9:30〜17:30》

ILC沖縄トップ