お知らせ

茶道部アイルランド共和国研修 各日程と生徒の感想文

 1日目 成田空港からヒースロー空港を経てアイルランド共和国の首都ダブリンへ
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成田からロンドン・ヒースロー空港を経てアイルランド・ダブリン空港へ。
成田からヒースローまでの飛行時間は約12時間35分、ヒースローからダブリンへは1時間20分。
到着したのは現地時間午後9時55分。
ダブリンのホテルに宿泊。写真(A)は、出発前の成田空港で。

 

 2日目 学園姉妹校 Holy Family Secondary School で文化交流会、大使公邸でお茶会のお手伝い
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研修初日。
午前9時前にホテルを出てHoly Family Secondary School(HFSS) へ。同校は2005年に本学園と姉妹校提携し、これまでも互いの生徒が行き来しています。
今回は在アイルランド日本国大使館の方にエスコートしていただいての文化交流会。午前中は100名を超えるHFSSの先生・生徒の方々の前でお点前。お茶に添えるお干菓子は特注でアイルランド国旗の色をあしらったもの。生徒たちは初めての“Traditional Japanese Tea Ceremony”体験に、一口目のお抹茶の苦さに驚きながらも、茶道部の生徒の手際の良い作法に興味深く見入っていました。
お茶をいただいた後は、HFSSの生徒たちが“茶道体験”。茶道部生徒の指導を受けながら、茶筅(ちゃせん)を使ってお抹茶をたててみる体験をしました。
午後はHFSSの生徒によるアイルランド音楽の合唱と合奏の発表。そして、本校生徒による折り紙の指導。アイルランド語と日本語を互いに教えあったり、交流会は楽しく続きました。
夕方、大使館に移動。大使公邸で佐藤宗秀先生の社中の方々と合流して『日・アイルランド外交関係樹立60周年』を祝うお茶会に参加(写真J)し、社中の方々のお手伝いをしました。写真Kは、お茶会後の立食パーティーの様子。

 

 

 3日目 ダブリン市内および市周辺の歴史的施設や遺跡を見学・研修
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この日はダブリン市内と市周辺の見学・研修。最初に訪ねたのは1592年創立の名門大学トリニティ・カレッジ(写真L,M)。図書館内に展示されている『ケルズの書』は、紀元800年頃に修道士によって作成された4つの福音書と新約聖書からなる彩色写本。世界一美しい本といわれているものです。
午後は1500年も前に建てられた修道院など古い建物群が深い森の中に点在する神秘的なスポット、グレンダーロッホ(写真N)へ。これらの歴史的施設・遺跡を巡りながらアイルランドの歴史や文化、伝統について学びました。

 

 

 4日目 ダブリン城敷地内にあるチェスタービーティーライブラリーでお茶会のお手伝い、そして帰路へ
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この日は、ダブリン城(写真U)敷地内にあるチェスタービーティライブラリーへ。このライブラリー(図書館)は、東洋美術及び古文書を専門とする図書・博物館。特に日本の木版画(surimono prints)のコレクションでも有名なところです。この日はこのライブラリー内を会場に『日・アイルランド外交関係樹立60周年』記念のお茶会。生徒たちは一昨日と同様に、佐藤宗秀先生の社中の方々のお手伝いを行いました。

こうして実質3日間の研修が終了。翌朝、ダブリン空港からロンドン・ヒースロー空港を経て、日本時間では翌日の午前11時25分、成田に到着しました。

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アイルランド研修を振り返って【参加した生徒たちから】

 

現地でアイルランド語に初めて触れて
とても興味を持ちました

福原さん 外国語コース2年 高砂中出身

 

 私は、アイルランド研修に参加して普段はすることのできないとても貴重な経験をし、そこから多くのことを学ぶことができました。

 1日目、午前中はホーリーファミリーセカンダリースクールでのお茶会でした。ここではお茶会の前に実際に授業を体験できる時間があり、私はアイルランド語の授業を体験しました。日本では先生が黒板やホワイトボードに書きながら授業をしますが、アイルランドでは先生がパソコンで文字を打ち、それをプロジェクターでホワイトボードに写して授業をしていました。正直何を言っているかも書いているかも全然分かりませんでしたが、初めてアイルランド語に触れてみてとても興味をもったので個人的に勉強してみたいなと思いました。お茶会では、アイルランドの生徒さんに実際にお茶をたてる体験をしてもらいました。みんな一生懸命たてていて、とても楽しそうでこのようなお茶会に自分も携わることが出来て本当に良かったなと思いました。その後はアイルランドの伝統音楽を聴いたり、アイルランド語の自己紹介を教えてもらったり折り紙を教えたりしました。生徒さんと交流しているうちに完璧ではありませんが英語で会話できてすごくうれしかったし、日本にいると日常的に英語で会話をするという機会が少ないので自分の今の英語能力も知ることができ、そういった意味でもとても勉強になりました。午後は大使館でのお茶会でした。お茶を出すとき、ありがとうと言ってくださったり、笑顔で受け取ってくださったりする方が多くて、とてもうれしかったです。このようなとても貴重な体験をさせてくださった大使館の皆様に本当に感謝しています。

 2日目は市内観光でトリニティーカレッジ図書館、聖パトリック大聖堂に行きました。ケルズの書や長部屋、大聖堂を生で見てアイルランドの歴史に直接触れることが出来ました。特に大聖堂は行ってみたいと思っていたところだったので、いろいろな展示物などの説明を聞けて勉強になりました。 

 アイルランド研修最終日の3日目はチェスター・ビーティ・ライブラリーでのお茶会でした。このお茶会は今までの人数よりも多い160名が来るということでとても緊張しました。お茶会に来てくださった方の中には外国の方はもちろん、日本人の方もいてびっくりしました。1階のフロアでお茶をたてる体験や金平糖の試食を出していたとき、たくさんの方が立ち止まって興味を示してくれたり、日本に旅行に行ったときの話をしてくれたりと、いろいろなお話を聞けて楽しかったです。

 このアイルランド研修は、私が今まで参加した研修の中で一番期間が短い研修でしたが、一番ハードでした。しかし、一番やりがいがありとても楽しい研修でした。これからも何らかの形でアイルランドの方々と交流したいなと思うし、アイルランドだけでなくいろいろな国の方に茶道をはじめ、日本の伝統文化を知ってもらえたらいいなと思います。今回の研修は、校長先生をはじめとした先生方やアイルランドの方々、そして親のおかげで行うことができました。協力してくださった全ての方々に感謝し、この経験を茶道の部活ではもちろん、授業や生活面でも生かしていきたいです。

 

 

姉妹校のアニメマンガクラブのみなさんと
有意義で楽しい時間を過ごしました

吉田さん 外国語コース2年 岩沼中出身

 

 アイルランドに行くと聞いて、私は、アイルランドに対して、イギリスの隣で、自然豊かなイメージしかありませんでした。それほど私にとってはあまり馴染みのない国だったのです。

 好奇心と少しの不安を楽しみながら、計13時間という長旅を終え、バスでホテルに着き、それぞれの部屋に行き、シャワーを浴びて、次の日の準備をすると、すぐに寝てしまいました。

 2日目の午前はまず、姉妹校である、ホーリーファミリースクールに行きました。そこで私たちは、アニメマンガクラブのみなさんと日本、そしてアイルランドとの文化交流をしました。彼女たちは日本の文化が大好きのようで、趣味でコスプレをしている、という人もいました。そして、そのうちの1人である、ローシン(アイルランドでバラという意味の名前)と仲良くなり、彼女が学校を案内してくれました。その学校は日本でいう中学と高校が合わさっている女子校でした。そして彼女たちとスペイン語の授業を受けました。私がやっていたものよりすごく難易度が高く、単語がギリギリわかるくらいでした。

 午前中の短い時間で、彼女たちの明るい性格もあってか、泣いて別れるほど愛着が深くなっていました。今でも連絡を取りあっています。

 午後は、大使館でお茶会があり、空いた時間で大使や大使館の方々とお話しができて、とても嬉しく感じました。こんな世界で活躍している外交官という職に憧れをもちました。

 3日目は、ダブリン市内の観光をしました。最初に、トリニティーカレッジという大学の中にある世界で最も美しいといわれる『ケルズの書』を見ました。アイルランドの国宝でもあるその本は8世紀に作られた大変貴重な本だそうで、その他にも古い本がたくさんあり、とても心が惹かれるぐらい美しいものが多くありました。

 その後、フィッシュアンドチップスを食べました。とてもおいしく、また食べたいと思いました。そして、その近くにある、グレンダーロッホを観光しました。そこには古いお墓がありました。宗派によって十字架の形が違うことに驚きました。とても綺麗で、ずっと居たいと思いました。

 4日目、最終日には、チェスター・ビーティ・ライブラリーでは、一般の方々にお茶会を体験してもらうものでした。その美術館には、日本の絵画も多くあり、アイルランドからの日本の文化への好意や興味があることを感じました。

 イギリスやアイルランドでは、雨の日がとても多いらしいのですが、私たちが行った約6日間は、気持ち良い青空に恵まれて、とても有意義な時間を過ごせたと思います。これからもお稽古を頑張っていこうと思います

 

 

茶道にとても興味を持ってくださったことに
何よりも嬉しさを感じました

日野さん 外国語コース3年 門脇中出身

 

 先日、私たち茶道部は4泊6日のアイルランド研修に参加しました。移動時間を含めなければ、実際に活動したのは3日間という短い時間でしたが、様々な場所で多くのことを経験し、大変充実した研修になりました。

 半日以上という長時間の移動に耐え、アイルランドに到着したのは現地時間の夜中でした。その日はホテルに直行し、寝るだけだったのですが、朝目が覚め、窓から外の様子を見ると、ホテルの周りは緑に包まれていました。アイルランドの第一印象は「自然の美しい国」。その美しさは長時間の移動の疲れを忘れさせてくれるほどのものでした。

 1日目は、はじめに仙台育英学園の姉妹校である、ホーリーファミリーセカンダリースクールを訪問しました。学校に着くと、多くの先生方、そして生徒の皆さんが温かく歓迎してくださいました。校内を案内していただいたり、体験授業を受けさせていただいたりしているうちに、生徒の皆さんと仲良くなることができました。姉妹校では、お点前を披露し、お茶とお菓子を出して茶道の文化を伝えました。今回の研修で、私たち茶道部がメインとなってお茶会ができるのはこの姉妹校のみでしたので、いつも以上に気合いが入っていましたし、精一杯のおもてなしをすることができました。セカンダリースクールの生徒さん達は、「お菓子が綺麗」、「お茶が美味しい、苦い」などと、様々な角度から感想を言って下さいました。また、茶道について多くの興味、関心を持って下さり、沢山の質問をしていただけたのも嬉しかったです。お茶会の後は、姉妹校の皆さんが私たちに向けて、合唱やアイルランドの楽器での演奏を披露して下さいました。私たちは茶道、彼女たちは歌と演奏。同世代の方々と、このような形で文化交流ができて良かったです。

 姉妹校訪問を終えた私たちは、社中の方々と合流し、大使公邸で御呈茶をしました。大使公邸に招待され、さらにその中で御呈茶をするということは、本当に貴重で、なかなか経験できないことだと思うので、仙台育英でお茶を学んでいてよかったと改めて感じました。

 2日目は観光をしました。教会、歴史的な建造物など、多くの観光地を訪れましたが、私の中で特に印象に残っているのは、トリニティーカレッジ博物館です。この博物館にはアイルランドの国宝であり、世界で最も美しい本と言われている「ケルズの書」が所蔵されています。この本には、とても細やかで色とりどりの絵が沢山描かれていて、世界一美しい本と言われる理由が良くわかりました。また、この本は子牛の皮から作られた紙でできていると知り、驚きました。その他にも、約20万冊の書物が所蔵されている図書館もあり、部屋中どこを見ても本が並んでいるのがアニメの世界を見ているようで圧倒されました。

 3日目は、チェスター・ビーティー図書館で、約160人以上のお客様を相手に御呈茶を行いました。とても大変でしたが、こんなにも多くのアイルランドの方々が、日本に、そして茶道に興味を持って下さっていることに感動しました。お客様たちは呈茶が終わった後、私たち1人1人に「おつかれさま」、「ありがとう」と笑顔で言って下さり、アイルランドの方々の温かさを身をもって感じることができました。

 茶道という素晴らしい日本の文化を、海外の人に伝えたいというのが、私が茶道を学ぶ上での一番の目標なので、今回の研修でそれを達成できてよかったです。また、海外の文化に直接触れることで、知らなかったことを知ったり、新しい発見があったり、とても楽しかったです。この研修で学んだことや経験したことを今後の学校生活や部活動、そして人生に生かしていきたいです。

 

 

日本の代表としてここにいるのだと考えて
立ち振る舞うよう心がけました

土屋さん 外国語コース3年 宮城野中出身

 

 今回のアイルランド研修は、茶道部の一員として海を渡り、日本とアイルランドを繋ぐ大切な場で茶道を披露させていただくなど貴重な経験の連続でした。現地を訪れたからこそ分かったことが沢山あり、海外での日本文化を披露することの意義を深く考えることができました。普段学校では、来校したお客様にお茶をお出ししたり、国際交流をしたりする機会が沢山あるため、ある程度経験値があると感じていたのですが、立場が変わると全く異なりました。どこを訪問するにも、仙台育英の代表としてだけでなく日本の代表としてここに居るのだと考えて立ち振る舞わなければなりませんでした。今まで経験したハワイ研修や北京研修は主に自分のための参加でしたが、今回はあくまで茶道がメインであり、お茶会で埋まったタイトなスケジュールをこなす特殊なものでした。

 初日は姉妹校と大使公邸を訪れて御呈茶や交流をしました。姉妹校では皆さんが本当に温かく迎えて下さり嬉しかったです。美術の授業に参加し学校内の美術品を見学したり、実際に絵を描いたりしました。授業中先生から、日本の学校の事を紹介して下さいと急に言われ動揺しましたが、姉妹校としてしっかり仙台育英を宣伝しなければと思い、拙い英語でしたが学校のことをしっかり伝えることができました。午後は生徒さんの前でお点前の披露をして実際にお茶を点てる体験をしていただきました。夕方は大使公邸で御呈茶がありました。日本とアイルランドの国交60周年を祝う大切な場の厳粛な雰囲気にとても緊張しましたが、日本の和の空間を皆で協力して作りだすことができたと思います。

 2日目はトリニティーカレッジライブラリーと聖パトリック大聖堂で観光しました。ケルズの書では昔の人の高度な技術とアイデア力に感服しました。図書館には数百年前の古い書物が20万冊ほど集まっていて、その空間は息が止まるほど美しく、まるで自分がハリーポッターや美女と野獣の劇中にいるような錯覚を起こしました。今回訪れた観光地の中で一番感動しました。アイルランドで最も大きな大聖堂である聖パトリック大聖堂では、壮大な外観に加え聖書の物語を語っている繊細で美しいステンドグラスなど、激動の歴史と共に歩んできた威厳のある教会でした。教科書に載るような場所を実際に訪れ、五感を使いながら学ぶ貴重な体験ができました。

 最終日はチェスター・ビーティ・ライブラリーでお茶会や茶道体験コーナーを開きました。始まる前に、ちょうど博物館で開催されていた日本の刷り物の展示を見学しました。アイルランドで日本の美術品をみて、外国の方から流暢な日本語で解説を聞くのは不思議な気持ちでしたが、それ以上に言葉で上手く表せない嬉しさを感じました。お茶会は社中の方々の補佐をしつつ、私達が茶道体験のコーナーを担当しました。大勢の方に日本文化だけでなく、国自体に興味を持ってもらえる機会、を作れたことが本当に良かったと思います。アイルランドの人々はとても親切で、日本に対して関心のある方ばかりでした。質問タイムがとても長くて、日本と随分違うと感じました。現地のあたたかさが、私達が茶道を披露する時の精神を整えてくれました。

 渡航前は学校の代表として参加することに緊張していましたが、現地では茶道部に所属してから培ってきたおもてなしの心を十分に発揮できたと感じています。日本での活動や学びがあったからこそ、その集大成としてこの研修に参加でき、こうして無事に終えることができたのだと思います。後にも先にも無いであろうこのような貴重な機会をくださった校長先生をはじめとする先生方や大使館の方々、そして家族や仲間に感謝してこれからの部活や人生に役立てていきたいです。

 

 

合唱を聞きながらアイルランドの美しい緑や
古い町並みを心に思い浮かべました

木村さん 外国語コース2年 門脇中出身

 

 4泊6日のアイルランド研修を終え、私が今感じているのは大きな達成感です。4日間の滞在はあっという間に過ぎ、短い期間ながらとても密度の濃い充実した研修でした。

 滞在2日目の姉妹校訪問では、お茶会、体験授業、伝統音楽の鑑賞など素晴らしい体験ばかりでした。

 ホーリーファミリーセカンダリースクールでのお茶会では、先生方のご指導の下、私たち茶道部生徒がメインとなっての活動でした。想像していたより多くの生徒さんに来ていただき、生徒のみなさんの驚いた顔や嬉しそうな笑顔に沢山出会えました。英語での説明を交えながら一緒にお茶を点てている中で、生徒のみなさんが日本伝統の「茶道」に興味を持っていただけた手ごたえを感じ、私も自然と笑顔になりました。

 お茶会の後はアイルランドの伝統音楽の演奏、合唱を披露していただきました。アイルランドの美しい緑や古い町並みが音に乗り自然と頭に浮かんでくる、幻想的な雰囲気が素晴らしかったです。また、アイルランド語で自己紹介の仕方、学校紹介をしていただき、沢山の生徒さんとコミュニケーションをとることが出来ました。

 授業体験では、スペイン語の授業に参加してきましたが、授業の中で意見や質問が自由に飛び交っていて、活発で積極的な雰囲気が印象的でした。

 別れ惜しく、学校を離れた後の大使公邸でのお茶会はとても緊張しました。大使公邸で呈茶をするというのはとても貴重な経験で大変勉強になりました。アイルランド大使の三好さんも私たちに気さくに話しかけて下さり、いろいろなアドバイスもいただき、感謝しています。

 滞在3日目の街の見学はアイルランドの緑や映画で見たような街並みが美しく、今でも目に浮かぶようです。特にトリニティーカレッジはすべてが本物の本だとは信じられないくらいの本の量で、圧巻でした。展示されているケルズの量や写本の話もとても興味深かったです。魂の永遠性を表した渦巻きのような模様や鼠と猫が追いかけっこをしている絵は色が独特で、装飾がとても美しく、昔に書かれたものとは思えませんでした。その後に訪問したグレンダーロッホ、聖パトリック大聖堂も建物の作りが不思議で日本とは違う古の建築に圧倒されました。

 滞在四日目のチェスター・ビーティ・ライブラリーでの呈茶はお客様がたくさん来てくださり、賑わいました。体験コーナーでは、思った以上の方がお茶を点ててみたいと立ち寄られ、アイルランドの人々が日本、日本の文化に興味を持って下さっているのが分かりました。

 今回のアイルランド研修では少しでも多くの人に、日本という国、「茶道」という文化に触れてもらおうと頑張りました。そして、アイルランドでの様々な出会いに感謝し、私は今後、さらに知識と経験を重ね、日本のおもてなしの心を大事にしていきます。

 

 

世界には様々な文化があり、実際に踏み入れて
みなければわからないことに気づきました

大内さん 外国語コース3年 増田中出身

 

 私は今回このアイルランド研修に参加し、姉妹校、アイルランド大使館公邸訪問、博物館での御茶会を通して、たくさんの貴重な体験をし、学び、発見がとても多く、決して普段の日常生活では学ぶことの出来ない充実した研修だったと振り返りました。

 私がこのアイルランド研修の参加を強く希望した理由は、日々御稽古してきた茶道と日本の文化を現地の人に実際に触れ体験してもらい日本の文化を知ってもらいたいと思ったからです。また、自分自身が日本を客観的に見て、日本の寛容の素晴らしさや茶道の魅力、奥深さを伝えたいという思いがありました。それとは逆に日本から遠く、国の想像もつかないアイルランドについて知り、文化を学びたいと思ったからです。

 実際に現地に行き、1日目の姉妹校訪問では呈茶の披露、現地の生徒達との交流を通して日本と異なる文化をお互いに共有し合う良い機会となりました。まず、学校の部活動にアニメクラブがあることに驚きました。また日本に興味関心がとてもある生徒達も多く、日本の学校生活や茶道の作法についての質問もたくさん受けました。日本に興味を持ってくれて嬉しかったです。しかし、答えられなかったことも多く、それは恥ずかしいことであり、異文化を理解することは、自国について知り理解することが大切であると改めて思いました。また実際に、呈茶を披露し茶道を体験してもらうことで、多くのみなさんが熱心に見て聞いて、他文化に興味を持ってくれ、少しでも茶道について知ったり、共感してもらったりと、とても貴重な異文化交流になりました。その他にも、現地の授業では、アイルランドのアイリッシュ語を教えてもらったり逆に日本語での挨拶を教えてあげたり、一緒に折り紙で遊んだりなど、少しでも異国の文化や良さを知ったことで、考え方や感じ方がこんなにも違うのだと身をもって学ぶことが出来、半日とは思えないほど充実した時間を過ごすことが出来ました。

 世界の国々と地域には様々な文化があり、実際に踏み入れてみないと分からないこともたくさんあります。今回、茶道部の代表としてこの研修に参加し、実際に経験、見て学ぶという最高の環境でそれらを学ぶことが出来ました。また、私は今までにない経験をし、全ての体験や出会いは自分にとっても最も大切な財産となりました。それは、これから先必ず自分の自信に繋がってくると思います。今回、このアイルランド研修に携わった全ての方々に支えてもらい参加できたことを決して忘れず、この研修で学んだことを日々の部活動や学校生活に活かし、また日本の伝統文化の素晴らしさを世界に発信していけるような人材になりたいです。また、日本と海外の交際交流に貢献していくと共にこの沢山の貴重な体験を通して培った学びを多くの人々に伝え、少しでも日本や世界の良さに目を向けて欲しいです。

 

 

日本語で感謝の言葉を伝えてくださる心遣いに
とても心を打たれました

浅野さん 外国語コース2年 八軒中出身

 

 今回私はアイルランド研修に参加して、海外の人々や文化について、たくさんのことを茶道を通して学ぶことができました。

 このアイルランド研修は、4泊6日というとても短い期間でしたが、お茶会をする機会が3度ほどあり、それぞれ違った雰囲気でのお茶会となりました。

 1度目は、仙台育英学園の姉妹校である、ホーリーファミリーセカンダリースクールでのお茶会でした。同い年くらいのアイルランドの学生の方々の前で、先輩方がお点前を披露なさっていました。お点前を披露しているとき、アイルランドの学生の方々はとても真剣に、じっくりと拝見してくださっているようでした。アイルランドの学生の方々には、日本から持ってきたオリジナルのお干菓子を食べていただきました。そして、実際にお茶を点てて、飲んでいただきました。私は、お抹茶がほとんどの方々の口に合わないかと思っていましたが、お抹茶を美味しいと言ってくださる方が予想していたよりも多くて、大変驚きました。このような体験で日本伝統文化である茶道を広めることができて、茶道部の部員であることを誇りに思いました。

 2度目のお茶会は、アイルランドの日本大使館にて行われました。1度目とはまた違い、大人の方々がたくさんいる中でのお茶会でした。私は何度かお運びをさせていただいたのですが、改まった場ということで、大変緊張するものがありました。お茶をお出しした際には、相手の方も緊張していらっしゃる様子が見受けられました。

 3度目のお茶会は、チェスター・ビーティ・ライブラリーにて行われました。ここでは2回に分けてお茶会を行いました。私たちが受付のような形でお客様方を待っていたときは、現地の方々が見ず知らずの私たちに興味を持ってくださり、何人かのお客様にお声をかけていただきました。アイルランドの方々は、とても気さくな方や、お話しをすることが好きな方が多くて驚きました。茶道部として行った研修ですが、海外の方々との交流をとることができて、私にとって大変勉強になりました。会場内では、お茶のお運びをさせていただきました。ある一人の女性の方にお出しするとき、その女性は何か困ったような顔をしていらっしゃいました。私が女性の前に立つとその女性に、「日本語で『Thank you』は何というの?」と尋ねられました。「ありがとう、といいます」と言い、お茶をお出しすると、「ありがとう」と日本語で言ってくださりました。私は、わざわざ日本語で感謝の言葉を伝えようとしてくださったことに、とても心をうたれました。どこの国でも、感謝の気持ちを言葉にすることは大切なことであり、人の心をあたたかくするものだということを実感しました。

 この4泊6日のアイルランド研修は、とても短く、ハードなスケジュールでしたが、内容の濃い充実した生活を送ることができました。この経験を忘れずに、今後の学校生活や人との交わりで感謝の気持ちを大切にしなければならないと思いました。

 

 

たくさんの質問をしてくださったことに
日本とアイルランドのつながりを感じました

荒木さん 外国語コース3年 河南東中出身

 

 今回の研修は、現地の方々と交流をする中で茶道の素晴らしさを改めて感じることができる有意義なものになりました。

 初日は2カ所で活動しました。1カ所目の姉妹校では双方の文化を披露し合いながら交流をしました。茶道を披露する前に学校の授業に参加することになり、私は家庭科の授業でEU内でのアレルギーについて勉強しました。日本のアレルギーとは違う項目があり、EU内の食事について興味を持ちました。茶道の披露では中学生、高校生が茶道に興味を持ってくれるように丁寧にお茶の点て方を教えるのを頑張りました。また、スムーズにお菓子やお茶が渡るように全員で協力し、全員が率先して行動することができたので成功させることができました。お昼を食べた後、合唱隊の合唱と伝統音楽を鑑賞し、アイルランド文化に触れました。その後、アイルランド語を教えてもらいました。発音がすごく難しく、正しい発音になるまで苦労しましたが、他言語に触れることができてとても嬉しかったです。短い時間でしたが充実した時間を過ごすことができ、茶道について知ってもらうことができて良かったです。

 2カ所目の大使公邸では、お茶会を開き、今まで経験した中で一番、たくさんの方と協力して成功させることができました。三好大使もお茶会に出席していた方もとても温かく迎え入れてくださり、たくさん話しかけてくださいました。このような貴重な体験をすることができて良かったです。

 2日目の観光ではアイルランドについて、自分の目で見たり、添乗員さんの話を聞いたりすることによってたくさん知ることができ、知識がつきました。トリニティーカレッジライブラリーはこの研修の中で一番私の心を奪いました。あのようにたくさんの本を一度に見ることができる機会はもうないと思うので良かったです。ケルズの書にもとても興味を持ちました。本当に獣の皮で紙を作ったのかと思うほど保存状態が良く、私を驚かせました。グレンダーロッホや、聖パトリック教会からは昔の建築物の作り方の歴史やキリスト教の歴史を学ぶことができました。

 最後の日はチェスター・ビーティ・ライブラリーでお茶会をしました。最初に日本の摺物の展示物について職員の方からの説明を受けました。外国人から日本の芸術について説明されるというのはとても新鮮な気持ちでした。その後、たくさんの現地の方に茶道について知ってもらうことができました。このお茶会が一番日本とアイルランドのつながりを感じました。なぜなら現地の方がとても日本に興味を持っていて、たくさん質問をしてくれたからです。外で茶道体験会をしていましたが、たくさんの方が金平糖や茶道に興味を示してくれました。今回、全てのお茶会で使用した和菓子はどれも素敵で、特にアイルランドの国旗のオレンジ、緑、白を上手く表現しているお菓子にとても感動しました。

 また、現地の人達が優しく親切なので、アイルランドのことがとても好きになりました。

 全員で団結し絆を深めることができ、さらに、たくさんの刺激があったので自分の将来の夢について考える良い機会となりました。改めて多文化、他言語を学び文化交流をする素晴らしさを体感することができて良かったです。この研修で学んだもの、感じたことをこれからにつなげていき、生かしたいです。

 

 

英語を話すことの楽しさを再認識し
間違いを恐れずにチャレンジする大切さを学びました

上田さん 外国語コース2年 東仙台中出身

 

 5月7日から12日の6日間、私は茶道部の代表としてアイルランド研修に参加しました。アイルランドへ行くのは初めてだったので、出発前に貰った資料を読んで研修に行くのをすごく楽しみにしていました。  

 現地に到着したときはもう夜中だったので景色はよく見えなかったのですが、次の日の朝はたくさんの緑が一面に広がっていてとてもきれいでした。1日目はアイルランドにある姉妹校で生徒のみなさんに混じって授業を受けさせてもらったあとに、お点前を生徒の皆さんと先生方にしました。私は今回の研修で姉妹校訪問が一番楽しい思い出になりました。色んな生徒の方が私に話しかけてくれて、忘れていた英語を話すことの楽しさを思い出させてくれました。すぐに友達になり、たった6時間しか一緒に過ごしていなかったのにお別れをするのが本当に寂しくてたまりませんでした。またいつか会えたらいいなと思います。姉妹校でのお茶会では、実際にお茶をたててもらいました。私よりもお茶をたてるのが上手な子が多く、たてたお茶を飲んでもらうと、「苦いけど美味しい」とほとんどの人が言ってくれてとても嬉しかったです。お茶会の後には学校内を案内してもらったり、素敵な歌をプレゼントしてもらったりしました。グループになってアイルランド語の授業も受けました。そのときに貰ったプリントに姉妹校で出会った友達が小さくメッセージを書いてくれていて、気付いたときすごく嬉しくなりました。ちゃんとお茶会で役目を果たせるか不安でしたが、最後までトラブルなどなにもなく終えることができて安心しました。

 2日目のアイルランド観光では、アイルランドの自然や文化に多く触れることができました。移動のバス中も外の景色を飽きることなくずっとながめていました。

 最終日は1日中お茶会の予定で正直「大変そうだなあ」と思っていました。しかし始まってみると、多くの方と会話をする機会があり、長くなると思っていた1日があっという間に終わってしまいました。お茶会の入り口の前の日本のお菓子の試食コーナーでは、お茶会に来る予定ではなかった方もここから興味を持ってお茶会に参加しに来てくれた方もいました。お菓子は、日本のこんぺいとうが色んな種類に分けられ用意されていました。抹茶、生姜、山椒、ゆず、砂糖、梅の6種類が用意してあり、1番人気だったのは抹茶でした。会場にはアイルランド人だけでなく、日本人や韓国人、フランス人の方も来てくれました。

 今回のアイルランド研修で私は、英語を話すことの楽しさを再確認し、間違うことを恐れずにチャレンジしていくことの大切さを学びました。これは私の今後の高校生活に大きく影響してくると思います。研修前までは、間違うことを恐れ、インターナショナルの先生方は日本語をとても上手に話すのでそれに甘えてばかりいました。研修後には自分から積極的に英語で先生方や留学生のクラスメイトと話すようにしています。また、茶道部として日本の文化の素晴らしさも再確認することができ、これからの茶道部としての活動に、もっと日本の文化を提供する代表者として責任感を持つ必要があると感じました。

 この経験で学んだこと、感じたとを忘れずに今後の学校生活や将来につなげていこうと思います。
 


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