広瀬川を臨む仙台地方裁判所において佐藤光被告危険運転致死傷罪に係わる第3回公判(10月11日午前10時〜午前11時)と第4回公判(10月25日午後1時半〜午後4時)が続けて行われました。公判の予定が少なくとも2回追加される状況の中、判決が言い渡されるための大切な過程と受け止め、複数の本学園職員が一言一句聞き漏らさず、公判の内容を記録しようと努めました。なお、証人の氏名・勤め先など個人情報を考慮して明らかにしていない部分がありますので、ご了承ください。
秋深まる中、生徒たちは学年前期の日程を終了し、勉強や部活動そして文化的な学校行事に集中できる後期に入りました。本来であれば本学園創立100周年となった10月1日の記念すべき日を盛大にと計画しておりましたが、亡くなられた3人の生徒とそのご遺族の心情を察し、各々静かに迎えることになりました。その日、陸奥国分寺にある創立者加藤利吉先生の墓前で三澤明音さん、細井恵さん、齋藤大君が利吉先生と育英塾で一緒に高校生活を過ごされることを祈って参りました。同時に、本学園生徒の安全を確保し、二度と5月22日の悲惨な事故が起こらぬことを願い、来年5月22日に「安全と安寧」を誓う陶版を多賀城校舎内の適切な場所に設置したいと願ってまいりました。さつき祭ウォークラリーの出発地点である多賀城校舎と到着地点であった松島研修センターの両所に交通安全、飲酒運転根絶、そしてなによりも亡くなられた3人の生徒たちの御霊が安らかなることを祈るためです。毎年I-Lion Dayとなる5月22日に彼らを追悼できるところを設け、彼らの命がいかに重たく、そして尊いものであるかを生徒、職員とともに学んでいきます。
一方、事故で大怪我をされ、入院されていた生徒の1人も9月中旬無事退院しました。4ヵ月にも及ぶ入院生活は16才の子供にとってどれほど辛く、悲しいものだったでしょう。ご家族のご苦労と回復に関する不安を思うときお力になれることをしていきたいと考えています。
怪我をされた生徒の中には、傷跡をいかに治すかという時期に入られた方もいます。通常、傷が治り6ヵ月以上経過してから瘢痕形成術を行っていくと、慶應義塾大学医学部中島龍夫教授からご指導いただきました。
それは瘢痕が軟らかくなり繊細な修正手術が可能になるからだそうです。「創」の状態に応じて形成外科的治療が適切に行われていくことが理想ではありますが、身体の内外ともに数々の深刻な怪我を負った生徒にとって、優先すべき困難な治療を経て形成外科医のお世話になる段階に入ったことになります。「後遺症なき完全回復」を目標に、日本国内で最高水準にある医療機関のお力をお借りし、時間をかけて元通
りになってもらうことに努めてまいります。
今後、死亡された3人の生徒を含む25人の被害生徒とご家族には加害者とその関係者に対する民事訴訟が想定されます。5.22被害者救援委員会とそのアドバイザーの先生たちの専門的な助けを受けていくことになるでしょう。本学園も被害者家族の心情を大切にしながら、加害者に対する法的手段の検討をしていきます。
一方、10月1日付けで本学園に着任いただいた臨床心理教諭の大宮司美穂先生を中心とするカウンセラーの先生たちによる心のケアを希望する生徒と職員におこなっていきます。ここで、大宮司先生のプロフィールをご紹介します。
学歴・職歴
平成 9年3月 東北福祉大学社会福祉学部福祉心理学科卒業
同年 4月 財団法人桜ヶ丘病院(福島市)精神科診察部臨床心理士
平成11年3月 能開センター秋田県本部
平成16年7月 仙台市精神保健福祉総合センターはあとぽーと
(仙台デイケア係精神保健福祉指導員)
平成17年4月 仙台市教育委員会教育相談室 教育相談員
資 格
心理判定員、児童福祉司、児童指導員、社会福祉主事、知的障害者福祉司
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